分裂
翌朝
宏斗は変わらず、大学に通学している。
その後ろをリリサはつけていた。
(あんなことがあったのに、私はちゃんと伝えられるのかな。宏斗君はどう思ってるんだろう。)
「…はぁ、ちゃんと伝えなきゃ…。」
リリサは宏斗に近づく。
「宏斗君!」
「?…リリサ。」
微妙な空気が2人の間に流れる。
「…どうしてここに?」
「あのね、学長から明日戻って来いって。」
「そんな急に…。」
「私も、昨日教えられたから。」
「そうか、わかった。それじゃあ、世話になった人にあいさつしないとな。」
オルフェ宅
「宏斗君は昨日のこと、嫌じゃなかったかな?」
「男の子なら、あの告白は即おちだよ。」
「そうだといいけど…。それより、お父さんとお母さんどこに行ったの?」
「さあね。でも、そろそろこことお別れしないとね。」
オルフェは着替え終わると玄関へ行く。
「いってきます。」
「いってらっしゃい。」
(宏斗君は考えるって言ってたけど、男の子の考えるは無理ってことじゃないのかな。もしそうなら、ちゃんと伝えておいたほうがよかったかな。いや、今からでも伝えよう。)
宏斗とリリサの背中が見えた。
「宏斗君!」
オルフェの呼ぶ声に、2人は振り返る。
オルフェは走りながら、手を伸ばす。
しかし、オルフェの上体は大量の血を吹きながら宙を舞った。
そのまま宏斗の胸に飛んでいく。
宏斗はそれを受け止める。
吹き飛んだ勢いでほとんどの内臓は脱落し、大量に出血している。
「オ、オルフェ…?」
オルフェは死の際に最後の力を振り絞り、宏斗の頬に手を伸ばす。
「はぁ…はぁ…、ひ、ろと、君…だい…す………。」
薄れていく意識の中でも、オルフェは宏斗から目を離さなかった。
「オルフェ!!!」
宏斗はオルフェが吹き飛んできたほうを見る。
そこには大きな笑みを浮かべたラスノヴァが立っていた。
しかし、その姿はすぐに消え去った。
宏斗はオルフェに目をやる。
リリサは横からオルフェの容態を確認した。
「宏斗君、彼女はもう…。」
「どうして…どうして…。」




