残酷
ハルクヴァール魔法大学、学長室
ダガールはリリサを呼び出していた。
「どのような要件でしょうか?」
「今回お前を呼んだのは、宏斗の監視をしてほしいからだ。」
「…監視ですか。」
「そうだ。彼は今、サーハルドラスディにいる。あそこは、魔人が多く在籍している。大学の学長として、生徒を疑うことはしたくないのだが、先のことがあった以上すべてを疑わなければならない。」
「なぜ私なのですか?」
「バエルの目には特殊な力がある。それを利用する形にはなるが、ただ、宏斗と接触するのは避けてくれ。感づかれると危険が増すのでな。」
「わかりました。」
数日後、サーハルドラスディ魔法大学
食堂
「宏斗君は、ルーフェス祭いくの?」
「ルーフェス祭?俺はいかないな。」
「実はこっちでも開催されるんだよね。」
「そうなのか?てっきりハルクヴァールだけかと…。」
「前項で開催されるからね。それぞれ特色があって面白いんだよ。」
「俺はいいよ。オルフェは友達といけばいいだろ。」
「それが、みんなほかの人と回るって言ってて、私1人なんだよね。」
その言葉に、宏斗はリリサのことを思い出す。
(またこれか。あの時は俺はリリサのことが好きだった。でも、オルフェのことはまだ友達としての関係でしかない。前と同じようにならなければ…。)
「わかったよ。でも、俺は祭りごととか楽しめない性格だから、それでもいいならな。」
「大丈夫だよ、私が独りぼっちなの寂しいだけだから。」
その言葉を聞いて、宏斗は少し安心した。
その様子を、リリサは遠くから見ていた。
「はあ…。」
リリサは大きくため息をはく。
(私の時みたいにならないかな…。)
数時間後、オルフェ宅
「ただいま。」
「「おかえり。」」
両親が笑顔で返す。
オルフェは2階の自室に入る。
「おかえり。」
「今日もいるんだ。」
「いてほしくないみたいな言い方だね。」
「だって、あなたがいたら私はどうなると思ってるの?」
「フフフ。確かに、私がいたらあなたは死罪になっちゃうかもね、もちろん、あなたの家族も。」
「だから、いてほしくないの。」
「彼、どうだった?」
「あなたの言うとおり、誘うことには成功したけど…。」
「いい子だね。」
「もう一度聞きたいんだけど。どうしてあなたはここにいるの?ラスノヴァ。」




