動き
「彼、がんばってるみたいね。」
「うん。でも、少し心配かな。」
「何心配することがあるの?男なんて、どうせすぐに慣れていくものなんだから、彼もそのうちそうなる。」
「そうだろうけど、宏斗君は弱いところがあるから…。」
「…。やっぱりさあ、オルフェ、彼のこと好きなんだね。」
オルフェは黙り込む。
「好きなら好きなりに、自分の思いをきっぱり伝えればいいじゃない。」
「…無理だよ。」
「傷ついたところに付け入るのが嫌だから?」
「そういうわけじゃ…。」
「男なんて、どうせすぐに立ち上がるもんだよ。」
オルフェは再び黙り込んでしまった。
「そろそろ潮時かな。ラスノヴァは何をしている。」
「リベリアン様がお考えの通り、すでに動いております。」
「彼女はよく働くね。さて、私も計画を進めるとしよう。」
ハルクヴァール魔法大学、学長室
「どうだ、バスノーチス。結界の調査は進んでいるか?」
「ええ、何とか。しかし、これまで二度の侵入で、奴らが結界を使用した形跡がほとんど見当たりませんでした。」
「ほとんどと言うことは、何か見つかったのか?」
「はい。これはまだ推測ですが、奴らは、超結界を使用したものと思われます。」
「超結界だと!?なぜ奴らが…?」
「まだ確認中で、詳しいことは何も…。」
「学長が大学を創る前に盗まれたか、すり替えたんだろ。リベリアンが出てくる前にも、同じことを考えたやつはいるはずだ。御阪もその結果の一つだろ。」
「珍しくまともなことを言うなガエン。」
「あいつがいないと、学長がいじってくんのか。」
「なんにせよ、超結界について詳しく調べる必要があるな。」
「ハヴァールについてはどうなってますか?」
「あのガキ、イギほどではないが既に時空間魔法の片鱗が見える。」
「時空間魔法が使えるようになれば、奴らは侵攻してくる可能性があります。」
「お前もそう思うか。そこが問題なんだがな。」
「やはり、防御魔法を突き詰めて教えるべきでは。それに、結界魔法も身に着けておいたほうがいいかもしれません。」
「まだそう焦る必要はない。彼はここにきて2年目だ。経験ばかり積んだとしても、その途中で狙われれば終わりだ。」
「どちらにせよ、あいつには強くなってもらわなければならん。」
「あと1か月もないのに、君はどうする気だ。」
「焦んなって言ってんだろ。計画的にやったって、どうせ詰まる。」
「そういうところが君の悪いところだ。君は昔から変わらないな。」
「何年ぶりに喧嘩してぇんだお前。」
「はあ、全く、お前たちは変わらんな。」
超結界 ハーディ・リストによって開発された結界魔法。本来の結界より、規模や他の魔法に強い耐性を持つ。禁忌魔法として、カフストエイダル魔法大学に封印されているが、封印される以前は様々な国に複製されて使われていた。




