形
「外がもう暗いね。」
セーナは窓の外を見る。
「本当だね。今日はこのくらいにしとこうか。」
食堂
「やっぱり一日のしめはご飯だよね~。」
「なんでおっさんみたいなこと言ってるんだ。」
「宏斗君はここの料理で何が一番好き?」
「ハルクヴァールにいた時からそうだが、俺は日本の料理のほうが口に合ってるらしい。」
「へー、日本料理か。食べたことないなー。」
「そっちはどうなんだよ。」
「私もね、実はここの料理あんまり好きじゃないんだ。」
そこに、遅れてセーナがやってきた。
「何の話してるの?」
「先生はここの料理好き?」
「あー、僕はずっとここにいるからね。もう慣れちゃって、よその料理が合わないんだよね。」
「やっぱり、みんな自分の出身のほうがいいのかな。」
「じゃあ、オルフェちゃんもここの料理好きなの?」
「いやぁー。」
「え~。宏斗君は?」
宏斗は首を横に振る。
「なんか僕だけおかしく見えるじゃん。」
「大丈夫ですよ。好きなものは人それぞれですから。」
「宏斗君、それ慰めになってないよ。」
副学長室
「今日の授業はどうだった?」
「案外、話を聞くだけだったので何とも…。」
「そうだよね。明日は実践的にしてみようかな。おやすみ宏斗君。」
「おやすみなさい。」
翌日、校庭
「さて、今日は魔法の素質についてみてみようと思います。とはいっても、オルフェちゃんはもう知ってるから、宏斗君を見てみようと思うよ。」
「具体的に何をすれば?」
「宏斗君は攻撃魔法の素質があると聞いているから、ここでは構築魔法の素質を見ます。手を出して。」
言われてた通り、宏斗は手を出す。
「じゃあ、手から何かを生み出すことを想像して。」
宏斗は手先に集中する。
「どうかな?」
「ダメです。何を想像したらいいかわからなくて。」
「うーん、そうだなー。石ならどうかな。」
「石…。」
宏斗は再び手先に集中する。
すると、ゆっくりと手から鈍色個体が形を成していく。
「くっ…。」
しかし、途中で溶けるように地面に落ちた。
宏斗は手のひらを見つめる。
「大丈夫、不慣れでも数か月たてばなるようになるから。…ヤベ。」
「どうしたんです?」
「いやー、実は宏斗君を預かるの年内までだったんだよねー。」
「え。もう10月ですよ。」




