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光界  作者: G0MA6GI


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邂逅

ピポーフォールの強烈な力に、手も足も出ずにいた宏斗は、攻撃の合間を縫って反撃する。

しかし、その攻撃は全く歯が立たず、彼は追い込まれていく。

そのころ、学長室。

「学長!北のリファール台地に、マスタークラスのモンスターの出現を確認!」

勢いよく学長室の扉を開きながら、大きな声でダガールにそう告げる。

「そうか。」

しかし、帰ってきた言葉に驚いた。

「なぜです、今あそこで生徒たちが飛行魔法の実習をしているんですよ!?」

「あそこにはイギ()の息子がいる。それだけで十分だろうそれに、私が魔力の揺らぎに気付かぬとでも思ったのか?」

そういわれると、その男はたじろいだ。

「まったく、結界の内側まで入ってくるとは。バスノーチスにもっと分厚い結界を張ってもらうとしよう。」

言いながら、ダガールは男のほうに手を向けた。

『ブライシーズ』

男は一瞬にして凍り付いた。

「お前たちのやり方はいつまでたっても変わらんな。」

凍った男を押し倒すと割れ、先ほどまで人間の形をしていたのが、悪魔に戻った。


防御魔法でも防ぎきれず、宏斗は追い詰められていく。

最後に一矢報いようと、彼は渾身の一撃を放つ。

左手の人差し指に魔力を集中させ、一気に開放する。

『ヴェルフィモーゲン』

高出力の魔法は、無力にも、ピポーフォールのかたい鱗にはじかれてしまった。

そして、お返しと言わんばかりに、さらに高出力の魔法を放ち、宏斗に直撃した。

大木が押し倒されるほどの魔法を受けた彼は、立ち上がれなくなる。

万事休すかと思われたその時、ピポーフォールのを押しつぶすように何かが降ってきた。

そのタイミングで、教師たちが追いつく。

ダガールもその場にいた。

立ち上がる血しぶきと、衝撃によって舞い上がった煙が晴れると、落ちてきたものの正体が分かった。

「お前は…。」

驚くダガールに語り掛けるように、彼は現れた。

「よお、久しぶりだな。」

「クライドエル!」

ピポーフォールの死体から降りてきたクライドエルは、宏斗を見る。

「あれがイギの息子か。随分と華奢だな。」

「なぜ今になって出てきた。」

「そうにらむなよ。別に殺しに来たわけじゃねえよ。」

身構えるダガールに、ひょうひょうと返すクライドエル。

宏斗は、半目でその様子を見ていたが、やがて意識が飛んだ。


副学長の回復魔法のおかげで、意識を取り戻した宏斗は、学長室にいた。

周りを見渡すと、ダガールや副学長2人、リリサもおり、そして、目の前にはクライドエルが座っていた。

「よお、目が覚めたか。」

「あんた、誰だ?」

「開口一番それかよ。俺はクライドエル、月の天人の子だ。」

「てんにん…?」

「どうせ後から教えられるだろ。」

ダガールのほうを見ながら、クライドエルはそう言った。

「お前には、世界のことを知ってもらう必要がある。お前の父親が教えられなかったことを。」

「親父が…!」

宏斗は食い入るように聞く。

「20年前、リベリアンという男が転移魔法を使い、世界を融合させた。お前の父イギ・ハヴァールとお前の母はその結果、お前を生んだ。今回、ピポーフォールがお前の前に現れたのは、お前を瀕死に追い込んだうえで、その目を奪うためだ。」

「俺の目を…、どういうことだ?」

「あ?気づいてねえのか、そんな特徴的な赤い目を持つ人間はハヴァールしかいない。リベリアンは、お前の目を奪うことで、その力を利用しようとしている。赤い目を持つ者の特徴として、時空間魔法がある、奴はそれを欲している。お前にはまだ使えんだろうが、イギはそれを完璧に使いこなしていた。あいつは、俺を殺すことのできる人間3人の1人だった。しかし、あいつはもういない、つまり、お前がとられれば終わりだ。俺もまだ見たことはないが、奴は金色の目を持っている一族の唯一の生き残りだ。青、赤、金の三色の目がそろった時、どうなるかは俺にも見当がつかん。しかし、奴はすでに、青い目を持っている。そこにいる、リリサとかいう女の父親から奪ったものだ。それもこれも、イギの調査にそいつを向かわせたダガール、お前の失態だがな。」

ダガールは、クライドエルを鋭い眼光でにらんだ。

「ふん。てなわけで、お前は人間たちにとって、重要な存在となった。だからこいつがお前の護衛をしたいとよ。」

そういうと、部屋の奥からゆっくりと誰かが歩いてきた。

「シューイチ?!」

ダガールが反応した。

「ダガールさん、久しぶりだな」

「感動の再開は置いておいて、要点だけ説明しろ。」

「俺の名は、御阪・シューイチ・ミオノワール。お前とは、一応血のつながりがある。」

バスノーチス 結界魔法を専門とする、カフストエイダル魔法大学の学長。ハルクヴァール魔法大学を含め、様々な場所に強力な結界魔法を張っている。

御阪・シューイチ・ミオノワール 宗一の長男。刀を使うが、手刀による攻撃も行える。

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