青雷
数日後
宏斗は雷を発生させるのに、加減することができるようになっていた。
「いい調子だ。そのまま続けていれば、100年後くらいには私を超えているだろう。」
「100年もできないですよ。」
「わかっている。君にはあと2か月しかない。次は少し飛ばしてやるとしよう。」
そういうと、イラマイルは手を上げ空へ向けて魔力を集中させる。
『レべレイラクラスシス』
すると、イラマイルの手から空へ向かって巨大な雷が昇っていく。
そして、徐々に青みがかっていく。
「これは…。」
「高出力の雷魔法だ。私のように天候にまで影響を及ぼすことのできる魔法使いはそう多くはない。」
イラマイルはゆっくりと魔法を解く。
「だが、これ以上のものを私は見たことがある。」
「イラマイルさんはできないのですか?」
「あれはただの人間ができたものではない。私の師であり、君の祖父であるウズさんでも…。遥か上空で赤い閃光を放つ。その閃光を操り大きな輪とする。それができたのは、ウルガルト・リスト。魔法の始祖たるハーディ・リストと、ある天使の間に生まれた圧倒的な存在。」
「なぜ彼は世に姿を現さないのですか?」
「私は彼にあったことがある。しかし、彼は世とかかわることを嫌っていた。理由はわからない。おそらく、彼の父ハーディがバスティアール大戦を終わらせるために、13の国の王の首を差し出したのにもかかわらず、人々は戦争を起こし、殺し合いを続けたためだ。彼は人の生が永遠ではないと知っていた。だからこそ、先んじて死ぬことを嫌いっていた。」
「でも、第三次以降彼を見たものがいないと聞いてますが…。」
「それは君が知っている人物が深くかかわっている。」
宏斗は考える。
しかし、思い当たる人物が見当たらない。
「ダガールさんだ。彼が魔法大学を創立したことにより、悪魔に対抗できる人物が増えた。そして、御阪の登場も要因となっている。宗一とシューイチが現れたことにより、以降700年悪魔たちは攻めてこなくなった。」
「シューイチさんが、そこまで。」
「彼ら2人は魔王をいともたやすく打ち破る力があった。正確には切り捨てるといったところか。第五次の時、彼らには度重なる不幸が起きた。それによって、彼らの怒りは最高潮に達していた。」
「俺もそこまでなれるのでしょうか?」
「なれなくても、失われたもののために戦える。それほどまでに強くならなければならない。多と比べ、自分を卑下することなく何かのために強くなれ。」
「はい!」
バスティアール大戦 約5000万年前、クライドエルと悪魔が結び付き人間との間に起こした対戦。実際は、クライドエルの興味本位で起こされた。5度引き起こされており(クライドエルが関与したのは最初だけ)、場所はほとんど変わらない。クライドエルが関与しなくなって以降は、魔王が悪魔を引き連れて起こしている。間隔は不規則。
天使 宇宙を創った神がある者を護衛するために送った存在。天人以上の存在であるが、ハーディ・リストと子をつくったことにより、神のもとへ呼び戻された。ある者とは、地球が誕生して間もなく、どこからか飛来した。




