新学期
宏斗はアルシテイルの治療を受けても、すぐには目覚めなかった。
目覚めるまでの間、リリサは毎日病室に来ていた。
「宏斗君ごめんね。」
そう言って、リリサは病室を出て行った。
その直後、宏斗は目を覚ました。
「…あれ?ここはどこだ?」
体を起こし、あたりを見渡す。
すると、ベッドの横に置いてある花瓶が目に入った。
カモミール、ヒヤシンス、シャクヤクが活けられた花瓶に感慨深くなる。
考えているうちに、トロスが病室に入ってきた。
「よお、目が覚めたか。」
「なんだ、生きてたのか。」
「またそれかよ。それ、俺に言ってんのか?」
「さあな。…さっき、誰かいたか?」
「知らねえよ。それより、元気なら早く戻って来いよ。もうそろそろ5月になるんだし。」
「5月?そんなに経ってるのか?」
「まあなんだ、ちゃんと進級はできてるみたいだし、遅れてはないだろ。」
「そうは言っても…。」
「とりあえず腹減ってるだろ。食堂行こうぜ。」
「ああ。」
食堂
「相も変わらず、ここは似たようなのしかないな。」
「そういうなよ。にほんじゃないんだから。」
料理を受け取ると、座る場所を探す。
すると、1人寂しく食事をするリリサが目に入った。
向こうもこちらに気付き、そそくさと食べ終え出て行ってしまった。
「どうした?」
「…いや。」
学長室前
宏斗は扉をノックする。
「入れ。」
ダガールの合図で中に入る。
「宏斗か。目が覚めていたのか。」
「ええ、報告が遅れてすみません。」
「かまわない。それより、体調は大丈夫か?」
「はい、全く問題ありません。」
「そうか。…宏斗、目覚めてすぐで申し訳ないが、お前には来週からリストエイリッヒ魔法大学に行ってもらう。」
「なぜです?」
「あの一件の後、指摘を食らってな。お前には防御魔法を磨いてもらうほうがいいのかもしれないと思ったのだ。」
「そんな急にお邪魔して、迷惑ではありませんか?」
「これは学長であるリーファが直々に下したことだ。」
「学長自ら…。」
「そうだ。それに、彼女が直接お前に教えたいとも言っていた。」
「わかりました。受けましょう。それで期間は?」
「半年だ。」
「え?」




