お姫様
ダガールとルルスは、宏斗を連れてアフリカへ向かった。
「ここも、ずいぶんと変わったな。」
ダガールは広大な砂漠を見て感慨深くなる。
「目的地はここを南西に、200キロほど行った場所にあります。」
「ここからは、竜人族の縄張りになる。いくら私でも、彼らの許可を取るのは容易ではない。飛行魔法は使えない。」
そうして、一行は歩いて南西に移動していった。
2日経って、一行は目的地にたどり着いた。
「ようこそ、お待ちしておりました。」
入り口で迎えられ、中へ案内される。
「ここです。どうぞ中へ。」
ダガールたちは中へ入る。
暗い部屋の奥で誰かが座っている。
「ようこそ。」
その声に、ダガールは違和感を覚える。
「女?龍人族は男しか生まれないはずでは?」
「失礼だな~。僕はこれでもれっきとした龍人族の長だよ。」
そういう彼女は一行の顔を確認し、ルルスと目が合う。
「あ、ルルスちゃん。久しぶり~。元気だった?」
「おひさしぶりです。アルシテイル様。」
「様だなんて、やめてよ。昔みたいにアルちゃんって呼んでよ。」
「いえ、私はあなたとは格が違うので。」
「…?どういう関係だ?」
「学生時代の同級生です。」
「残念だな~。…ところで、何の用事?」
「ああ、実は…。」
ダガールは事の経緯を話した。
「…なるほど。確かに、それを治せられるのは僕かハファイルさんだけだね。ハファイルさんはもういないし、だから僕のところに来たんだ。」
「なんとか、治してもらえないか。頼む。」
「別に構わないよ。けど、久しぶりにやるからうまくいくかわからないけど。」
「やってもらえるだけでありがたい。」
「じゃあさっそく始めるから、外に出てて。」
あるしてると宏斗を残して、全員外に出た。
部屋を出た時、ダガールは何かを思い出す。
「ダガールさん、私ハファイルさんから意識を戻す魔法なんて教えられなかったんですけど、いったいどんな魔法なのでしょう。」
そういいながら、ルルスはダガールの顔を見る。
ダガールは苦い顔をしていた。
「何か知っているのですか?」
「一つだけ思い出したことがあってな。昔、神医塾で回復魔法を教わっていた時、似たようなことがあった。あれは思い出すだけで吐き気がする。」
「そんなに嫌なことだったんですか?」
「ああ、あれをされるくらいなら、シェレスターの糞を食ったほうがましだ。」
「そんなに?」
数分後、ことを終えたアルシテイルが中から出てきた。
その顔は恍惚としていた。
龍人族 5千万年以上前、人とモンスターの交配の末に生まれた種族。200年人の姿で生き、その後200年龍の姿で生きる。男しか生まれない。
アルシテイル 龍人族で初めて生まれた女。ルルスと同い年で、900年以上生きている。
シェレスター プロフィシエントクラスのモンスター。猛毒の植物を食しており、消化された糞には様々なけがを治すことができる効能がある。しかし、動物の糞には変わりないため、臭くて苦い。




