人形遊び②
驚いて声も出せない宏斗を余所目にラスノヴァは淡々と話す。
「みんな愛する人がいると、それ以外に目がいかなくなってしまう。みーんな、愛がほしいんだ。そうだよ、ね。…あれ?ああ、そうか。」
ラスノヴァはパムールの首にかみついた。
その瞬間、パムールの体は起き上がり、頭とくっついた。
彼女の目は真黒くなっており、すでに意識はなくなっていた。
「私のかわいいお人形さん、あの目が欲しいな。とってきてくれるよね♡」
パムールは宏斗に襲い掛かる。
いきなりのことに、防御魔法も間に合わず、もろに腹に攻撃を食らってしまう。
痛がる間もなく蹴り上げられ、その衝撃で天井は壊れ、ラスノヴァの結界も破れてしまった。
「あらら、ばれちゃった♡」
外にいたダガールたちは、その様子を瞬時に察知した。
「あれは。」
空中に浮き、抵抗できない宏斗は防御魔法でどうにか攻撃をしのいでいた。
「バスノーチス、あの結界を解けるか?」
「特殊な結界ですが、外側から中和すれば何とかなります。」
「そうか、頼む。」
しかし、宏斗の体力はかなり消耗しきっていた。
そして、一瞬の隙を突かれて腹部をえぐられてしまう。
「ああ、いい、いいよ~。もっと、もっと頂戴♡」
空から降ってくる宏斗の血を浴び、ラスノヴァは高揚する。
「いたぞ!」
「あら、見つかっちゃった♡」
「まずい、これ以上宏斗はもたないぞ。」
その直後、結界は解かれた。
すぐに、シューイチがパムールの体を地面まで押さえつける。
しかし、頭部が見当たらない。
空を見上げると、宏斗の首にパムールの角が、頭ごと突き刺さっていた。
「がはぁ…。」
そのまま、力なく宏斗は落ちてくる。
ダガールはすぐに抱きかかえた。
だが、宏斗は気を失ってしまう。
「まさか、パムールが殺されてしまうとは。」
「駆け付けた2人も死亡した。」
「…宏斗を殺す気だったのか。それとも、気を失った状態でさらおうとしたのか。」
「どちらにせよ、魔人が疑わしくなってしまったことに変わりはない。それに、宏斗の意識は戻らない。」
「ルルスでも治せないようだ。…ハファイルがいれば。」
「お前は、私の妹から何も学ばなかったのか?あれだけ防御魔法の重要性を教えられたはずだが。」
「姉妹そろって性格が悪いのに覚えているか。とっくの昔に忘れてしまった。それに、そんなこと言っても宏斗の意識は回復しない。」
「あのー。」
「どうしたルルス。」
「私、意識を回復させられる人、知ってます。」




