生き方
時は経ち、12月。
2回目のルーフェス祭。
今回も2日間開催される。
1日目、宏斗は自室にこもりその日は終わる。
2日目は、音楽やダンスでルーフェスを弔う日となっている。
扉をノックする音が聞こえる。
「宏斗、気分転換に外出よーぜ。」
宏斗は黙って外に出た。
2人は大学の外にある森で、黙々と魔法の修練に勤しむ。
日が落ちてきて、祭りも佳境に入ったころ。
「そろそろ腹減らねえか。」
「いや、俺は全く。」
「朝からやってるし、今日はもう終わりにしよう。」
「だったら先に帰ればいい。俺はもうしばらくここにいる。」
「とは言ってもよ。お前1人残していけねえよ。」
そうこうしているうちに、日は落ち、あたりはすっかり暗くなっていた。
宏斗も修練を終え、帰ろうとしていたその時。
「初めまして。」
2人は声のするほうを振り返る。
「私はカストール。その目を頂戴しに来た。」
(結界魔法?!いつの間に。)
考えているうちに、2人は強烈な魔力の揺らぎを感じる。
「な、デスシェール。スーパーマスタークラスがなぜ…。」
そう言っているうちに、宏斗は腹部に強い衝撃を受ける。
「がはっ、…がふっ、う、ううぅ…。」
右脇腹をえぐられ、大量に出血している。
「お、おい。大丈夫か?!」
「くっそ…、ごはっ、うう、…逃げ…ろ。」
「そんなこと言ったって、この結界からどうやって抜け出せばいいんだよ!?」
(まずい、血が止まらない。どうする、…どうする。)
宏斗は薄れていく意識の中、悩み続ける。
(ハヴァールの血は極限の状態により、覚醒する。さあ、どうする。)
デスシェールは気まぐれで、一度攻撃するとしばらく動きを止める。
(…死の間際で、まだどうにかできるなんて考えてる自分に腹が立つ。…仕方ない、今ならできるかもしれない。最後に、賭けてみるか。)
宏斗は左手を強く握り、魔力を集中させる。
そして、そのまま拳を強く地面に叩きつけた。
すると、結界は崩壊し、その魔力を大学にいる全員が感じ取った。
ダガールは即座に動く。
「お、おい…。」
「何してる…、早く、逃げろ。」
「くっ!」
トロスは宏斗を抱きかかえ、大学に向けて走り出す。
「おい…俺は置いて行け。」
「うるせえ、黙ってろ!」
「まずいな、ここまでとは。…ん?」
カストールは大きな魔力が近づいていることに気付く。
ダガールが殴り込んできたのだ。
「ここであなたを相手にするのは分が悪い。いったんひかせてもらいます。」
カストールはデスシェールを転移させ、自らも影の中に消えていった。
デスシェール スーパーマスタークラス(3番目)に属するモンスター。小型で、人によく似た姿をしている。




