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光界  作者: G0MA6GI


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24/32

最低なあなたと私

宏斗の記憶の断片に残る父の姿。

生まれたばかりの自分を抱いて見つめている。

しかし、その顔からは涙がこぼれていた。

顔をはっきりとは思い出せない。

だが、笑ってはいなかった。

まるで、今から死にに行くようなそんな表情であった。

それから年月は経ち、物心がついたころ。

母が毎日、父の写真の前で手を合わせる姿を見ていた。

自分がどれだけ成長してもその姿は変わらなかった。

10歳の誕生日、ケーキに刺されたろうそくの向こうには、あの写真が置かれているのが見える。

母は涙を流し、「もう10歳だよ。」そういった。

俺はそんな父親が許せなかった。

母を悲しませ、勝手に死んでいった男を恨んでいた。

だけど、今はあの父の涙の意味が分かる。

自分を捨て、家族のために死んだ。

もう二度と会えないことを知っていて。

ダガールさんも、愛する人を守れるようになれと言っていた。

彼女は俺が死んだとき、悲しんでくれるだろうか。

彼女が死んだとき、俺は正気でいられるだろうか。

多分無理だろう。

失って悲しくなるなら、誰も愛さないほうがいい。

誰からも愛されないほうがいい。

一人で生きていたほうが何かを失った時の代償は軽いだろう。

だったら俺は、俺は…。

「ごめんリリサ。俺はお前が嫌いだ。」

「え?」

「その誰にでも気さくに話しかける感じも、無理して周りに合わせようとする感じも、お前の全部が嫌いだ。」

「いきなり何言ってるの?どうしたの宏斗君。」

リリサは歩み寄る。

「近づかないでくれ。気色悪い。」

瞬間、宏斗の左頬に衝撃が走った。

「最っ低!」

そういって、彼女は涙を流しながら走り去っていった。

星の光に反射するしずくを見て、宏斗は思いにふける。

これでよかったんだ、これで。

でも、なんでだろう。

この心にある気持ち悪さは。

なぜ、涙が止まらない。

決めたのは自分だろ。

「…帰ろう。」


数日たっても、2人のわだかまりは解けなかった。

「あの2人、何があったんだろうな。」

「ダガールさん、人の関係にあまり首を突っ込まないほうがいい。」

「シューイチはそう思うか。だが、私にはどうもそのようには見えんのだ。」

「何がです?」

「2人とも、まるで失恋したようだ。」

「ダガールさんはその経験があるんですか?」

「いや、別に。」

「じゃあ余計に、干渉しないほうがいいですよ。まだ若いんだから、自分たちで解決できるでしょう。」

「そうなのかな?」

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