再開
研修期間が終わり、皆大学に戻ってきた。
「よお宏斗、元気だったか?」
隣に座るトロスが話しかけてくる。
「…なんだ、生きてたのか。」
「な、お前。俺が心配してやってんのに。」
少し離れた場所で、ゾラたちがみている。
「いつからあいつら、あんなに仲良くなった。」
「さあ、私に聞かれても。それよりあんたはどうだったのよ、ムルフ。」
「久しぶりだね、宏斗君。」
言い合う宏斗とトロスの間に、リリサが入ってきた。
「おお、なんだお前。彼女か~?」
宏斗はどちらの言葉にも反応しなかった。
リリサは困惑した表情を浮かべる。
「おいおい、せっかく話しかけてくれてるんだから、その反応はないんじゃないか?」
「ああ。」
そういわれて、宏斗は少しだけ反応を返した。
リリサは悲しげに去っていった。
「お前、女苦手なのか?」
宏斗はリリサのほうを見る。
リリサはすでに、別の友達と話していた。
教室の扉が開く。
「みんな座ってくれ。1か月ぶりでうれしいだろうが、今日から授業を再開する。」
授業終わりの鐘の音が聞こえる。
「はあ~。歴史の授業はつまんね~。」
「トロス、昼食食べに行こ。」
ゾラが誘いに来た。
「ああ、宏斗お前は?」
「俺は用事がある。」
「そうか、じゃあまた明日な。」
トロスたちが行ったのを見て、宏斗も教室を出た。
西棟のとある一室。
宏斗は扉をノックする。
「入れ。」
宏斗は中に入る。
「何しに来た。」
「シューイチさん、俺に剣術を教えてくれ。」
「お前に剣術?やめとけ、お前はハヴァールの血が濃い、剣術には向いていない。」
「母がいっていました。家には代々受け継いだ刀があるって。」
「ああ、あれか。悪いな、あれは別の奴にやったんだ。」
「え?」
「お前の母親が、イギに渡さなかったのは、魔法に才があったからだ。お前も意義と同様に、魔法に才があると思っているらしい。それに、俺とお前には随分と差がある。血の濃さだけじゃなく、経験の多さの違いだ。まあ今は、魔法のほうを磨け、剣術を教えるかどうかはそれからだ。」
「…そうですか。じゃあ、シューイチさんが使える魔法を教えてください。」
「それも無理だな。俺が使う魔法は、俺が独自に編み出したものと、俺の母親の相伝の魔法だからな。既存の魔法なら教えられるが、まだお前が習得できる段階じゃない。」
魔法大学の授業 普通の大学のように前期後期と分けられており、1年生の後期から自由選択になる。それまでの間は、決められたクラスで授業を受ける。
相伝の魔法 種族や一族によって独自の魔法があり、それを代々受け継いでいる。シューイチの母の一族ミオノワール家は、肉体を増強する魔法を持ち、かなり戦闘向きであるが、シューイチの母は戦闘に向いていなかった。
御坂家の刀 宗一の代から存在する刀。鎌倉以前の時代に作られた刀。所有者は、ダガールやシューイチらによって秘匿にされている。




