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光界  作者: G0MA6GI


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運命

世界の融合が止まってからも、世界は混乱を極めた。

国連の本部は、崩壊に巻き込まれずに済んだが、世界の要人たちはすぐに、その困難に直面した。

いったい何が起きたのか、これからどうしていくか、話はまとまらず、お互いの不安のぶつけ合いとなっていた。

そんな時、議会の扉が勢いよく開いた。議長が何事だと声を張り上げると、警備員に囲まれながら、大柄な男が入ってきた。

「話をしようと言っているのに、こんな待遇を受けるとは。随分と追い詰められているようだな。」

「何者だ。」

言い知れぬ緊張感が、議会に広がる。

「私の名はダガール。ハルクヴァール魔法大学学長である。」

魔法という言葉を聞いた瞬間、その場は言葉を失った。

「魔法だと、こんな緊急事態に何をふざけたことを言っている?」

議長の疑問にダガールは、冷静に答える。

「理解できないのも無理はない。我々も混乱している。だからこうして、あなたたちと話し合いに来た。」

「ふざけるな!」

怒号とともに、発砲音が鳴り響いた。

焦りと不安からか、警備員の1人が、ダガールに向けて売ってしまったのだ。

「血迷ってしまうのも無理はない。しかし、この場は利己的に動いていいところではない。」

そういうと、その警備員から手も使わず、銃を奪うと、目の前で粉々に破壊して見せた。

それを見て、その警備員は失神してしまった。

「これで少しはわかったかだろう。そう悠々と話し合っている暇はないんだ。」


国連は、ダガールとの話し合いの末、魔法に関する理解と、その共有を約束した。

とあるビルの屋上、ダガールは復興に歩みだした街を見下ろしていた。

そこに1人の男が現れた。

「イギか、そちらは無事だったか?」

「ええ、日ごろから防御魔法の授業をしていた甲斐がありましたよ。」

「そうか、お前にはわかるんだろ、これをやったやつを。」

「…はい。しかし、いまだその素性はつかめていません。やはり、ハファイルさんを殺した者と同じだとは思いますが…。」

そう語るイギの顔は、怒りに満ちていた。

「イギよ、お前の怒りはわかる。お前の家族を殺したのも、そいつだということも。しかし、何の前触れもなく、いきなり世界を壊され、家族や友人をも奪われたのは、お前だけじゃない。私だってそうだ。」

イギはゆっくりと息を吐き、気持ちを落ち着かせた。

「わかってます。今は、そんな余裕がないことは。だから、奴は、俺が殺します。」

落ち着いたとはいえ、そのさっきは抑えられていない彼に、ダガールは告げる。

宗一(かれ)の血を頼ろう。世界に適応した彼の血なら、どうにかなるやもしれん。」

「まさか、確かに彼は魔法界においては例外的な存在ですが、彼の家族までもそのような可能性は考えられません。」

「わかっている。だが、手荒な手段だがお前にならそれができると私は思う。彼はこちらの世界に子供を残していたといっていた。ならば、その子孫は生きている可能性がある。」

「成功したとしても、世界が変わるとは思えません。」

「だとしてもだ。何もせずに、ただやみくもに突っ込んでいくだけでは無駄死にだ。お前にしか頼めない。頼むイギよ。」

イギは、深くため息をついた。

「わかりました。精一杯やってみます。」

そういうと、彼は去っていった。


ダガール 本名ダガール・ディボ・マルヘズ・セゴーテル。2000年前、魔法大学を創設、魔法に関する知識を広めた人物。

ハルクヴァール魔法大学 現ロシア南部に位置する。世界に5つある魔法大学のうちの1つ。攻撃・防御・回復の三転魔法のほか、結界魔法や構築魔法、防御魔法なども学ぶことができる総合魔法学科がある。

イギ 本名イギ・ハヴァール。防御魔法を専門とする、リストエイリッヒ魔法大学の学長。深紅の瞳を持つ。

宗一 本名 御阪宗一正蔵みさかむねいちしょうぞう。700年前、融合前の世界から転移してきた日本人。世界に適応し、圧倒的な力で、70歳ほどになるまで生きた。

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