表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光界  作者: G0MA6GI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/35

開幕

 不気味な笑みを浮かべながら、屋上を歩く男。その後ろから、息を切らしながら追いかけてきた人物が、男に怒鳴った。

「待てっ!!」

 その声に分かっていたかのように、男は笑いかけながら振り返った。太陽に照らされ、濃い影ができたその顔は、悪に満ちていた。

「君なら気づくと思っていたよ。グレイス君」

 その言葉に戸惑うことなく、グレイスは男に問いただす。

「なぜだ・・・なぜ彼らを殺した!?」

「君なら私の計画に賛同してくれると思ったのだがね…」

「計画・・?」

「そうだ。この計画は世界を大きく変えることができる。この世を平和にすることができるのだよ」

「いったい何を言っているんだ?!」

 淡々と話す男に、あきれたように質問するグレイス。しかし、帰ってきた言葉はまるで幼稚な妄想のようであった。

「平和のためには犠牲がつきものさ。彼らもその一端になったのだよ」

「理解できない。平和を願うものが自ら平和のために死という礎を築こうとするだなんて…あり得ない!!」

「理解できないのも仕方があるまい。君と私では生きた時間が違いすぎる」

「そうじゃない!平和のための犠牲は偶然によって引き起こされるものだ!それをあんたは・・・」

「その通りだよ」

「・・・は?」

「まったくもってその通りさ。しかしその偶然も今必然となる」

 グレイスは感じ取った、最初からあったこの男の異色さが、先ほどまでとは違う何かになっていたことを。

「700年前。とある男を殺して手に入れた魔法だ」

 グレイスが感じ取った違和感は、すぐに男から発せられた。彼はすぐに身構える。しかし・・・

「もう始まっている」

 その言葉と同時に、グレイスの足元が吸い込まれるように沈み、次の瞬間地面が破裂した。正確には、世界が開けたといえるだろう。彼の体は空中に放り出された。下には、先ほどまで彼らがいた地球、しかし、その様相は魔法の世界とはかけ離れた、現代の世界であった。

(この魔法は禁忌の・・・まさか奴が)

 グレイスは、男を見ると、不敵な笑みを浮かべながらこちらを見ている。

「気づいたかい?平和のために新たなる世界を築く。そのための魔法だ」

「いったいいつからこんなことを…」

「そんなことを考えている余裕はないだろう」

 グレイスは指摘されて気づいた、下に見える世界が先ほどまでいた自分たちの世界と融合し、崩壊しかけていることに。彼は少しばかり葛藤した末に、男を見逃し世界の崩壊を食い止めることに注力し始めた。しかし、彼が魔法を唱えようとしたところ、あることに気づいた。北から、大量の黒い物体が接近していた。よく見るとそれは、悪魔の大群だ。

「まさか!?悪魔とまで手を組んでいたのか?!」

「彼らは私の大事な家族たちだ」

 男を見ると、すでに悪魔に連れられており、悪魔がすぐ目の前まで迫ってきた。グレイスは、防御魔法が間に合わず、左わき腹をえぐられてしまった。

「さあ後は君次第だ。世界の命運は君に託された。さらばだ」

「くそ・・・」

 えぐられた箇所を抑えながら、グレイスは再び葛藤した。世界の崩壊を止めるのが先か、悪魔たちを止めるのが先か。そして、彼は自らを犠牲に賭けに出ることにした。

『ヴァハーレイ』

 彼が魔法を唱えると、超巨大な防御壁が現れた。そして・・・

『イスロノエールカルティッシエン』

グレイスの体から、無数の枝が生え始め、彼の体は日本の東京に着地し、巨大な樹へと変化していった。

彼の犠牲のおかげか、世界の崩壊は止まった。

魔法 5千万年前、とある力の衝突によって発散された自然エネルギーによって生まれた。

禁忌魔法 世界に四つあり、5つある魔法大学のうちの4つに封印されていたが、約700年前、その1つが奪われてしまう。その過程で、そこの学長及び、300人の生徒が犠牲になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ