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光界  作者: G0MA6GI


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17/32

家族、友情、仲間

「よお、ずいぶん顔色悪いな。」

見上げると、オルトルが空に浮いている。

「この状況ならそうなるのも仕方ないか。」

ヴァームラスはダスタールに向け攻撃を仕掛ける。

「フォルターナ!」

ダスタールの目の前で、強烈な雪煙が立つ。

そこには、ヴァームラスの腕を抑える巨人の姿があった。

「な、なんで…。」

「男がくよくよすんなよ。」

「抑えてろー!」

オルトルは大槌を手元に呼び戻すと、からだを大きくそらし構える。

「俺たちが長く生きてこられたのは運もあるが、それだけじゃあ魔法のない時代は生き残れなかった。ただ長生きしてるわけじゃないんだよ!」

大槌をふるうと、ヴァームラスの半身が吹き飛んだ。

ダスタールは大量の血しぶきを浴びて、その場にへたり込んだ。

その目の前に、オルトルが降り立つ。

「大丈夫か?腰、抜かしたみたいだが…。」

ダスタールは何も言えず、ただうつむいたまま口を閉ざしていた。

「俺も、若かった頃はよく怖いことから逃げていた。魔法なんてなかったから、火を起こすのも水を飲むのも、自分たちでやらないといけなかった。虐げられたことを俺は恨んじゃいない。母が同じだったように、俺はお前らを恨んだことは一度もない。みんな初めてのことには怯えるもんだ。俺ですら、イヂゴ大戦の時は怖くて何もできなかったんだ。それに比べれば、さっきあったことは小さなことかもしれない。生まれて初めてで臆することがないなんて、悪魔じゃないんだから。お前もまだまだこれからだ。失ったものばかりに目をやってると、新しいことが得れなくなる。生きてりゃ間違うことなんていくらでもある。問題はそれをどう活かすかだ。」

オルトルは右手を差し出す。

「血のつながりがなくても、信じられなくても、俺はお前たちの味方だ。」

ダスタールはオルトルの手を握り、立ち上がる。

「すまない、不甲斐ない私のせいで。」

「気にすんな。」

「ところで、あの悪魔はどこに行ったのかしら?」


取り残された宏斗とゾラは、2人の強さに感嘆していた。

「魔法なしであんな強さなんて…。」

「私じゃ手も足も出ないわね。」

話している間に、背後に迫る影に2人は気づいていなかった。

「危ない!」

ゾラは反射的にそれに気づくと、とっさに宏斗を庇う。

「はあ…、はあ…、うっ…。」

宏斗が気づいたころには、ゾラは左目から大量に出血していた。

「お、おい。」

「くそが、邪魔すんじゃねえ!!」

引き返してきた悪魔が、再び宏斗を襲おうと仕掛ける。

瞬間、巨大な魔力の揺らぎと殺意が全身に走る。

両者の間に雪煙が立ち込める。

悪魔は空を見上げる。

そこには、怒りの形相で睨むシューイチの姿がある。

「くそっ、またかよ。」

悪魔は姿を消した。

「大丈夫か?」

「俺は…、でもこいつが。」

宏斗はゾラの顔をシューイチに見せる。

すると、シューイチは傷口に手を当て魔法を唱える。

『テルファルスレイ』

ゾラの左目は眼球まで治った。

(1回の回復魔法!?シューイチさんはこんなことまで…。)

「見えるか?」

「あれ?私左目をえぐられたんじゃ。」

「俺が魔法で治した。ところで、オルトルはどこにいる?」

フォルターナ 本名ボースアル・フォルターナ・ディ・ヴァランタナ。オルトルの妻。イヂゴ大戦を生き延びた巨人。正確には人間と巨人の間に生まれた子。体長6メートル。

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