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3.土地神さまと女子高校生

すべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

 __土地神さま(コハル)はあることを閃いた。

 

 ***

マヤを探すためにさまよっていたこの数日間で、コハルはある光景を目撃していた。小学生が集団下校をしている姿である。

 「今の子どもたちのカバンって、凄くカラフルなのね…車みたい。」コハルは独特の感想を抱きつつ、子どもたちの近くを歩いて着いていく。

 集団の中で一番幼い男の子、恐らく小学校1、2年生ぐらいだろうか。学校に慣れてきたであろう時期、かなりテンションがハイになっている様子だった。おもむろにランドセルに結ばれている防犯ブザーを取り出し、「これをくらいなっ!」と謎の決め台詞を放ってピンを抜いた。


 ピピピピピピピピピピピピピピピピ!!!


 「「ぅわっ!???」」鳴り響くブザー音、コハルは耳を抑えて何事かと目を見張る。

 「ちょっと!だめだよ!!」高学年ぐらいの女の子が声を上げて、男の子を叱った。

 「これは…防犯ブザーは、「不審な人物」とか危険なことが起きたときに助けてって知らせるために鳴らすものだから、いたずらや遊びで使っちゃだめ!」

 「うっ、はぁーい。」注意されて凹んだのか、男の子はしおしおと返事をした。

 その様子を、コハルは見ていた。

 ***


 コンビニの前で、小学生たちが最新のカードゲームについて話し合っていた。「ぶっかだか」とか「てんばいやー」というコハルにとって聞いたことのない単語が行き交っていたが、今はそんなことを気にしている場合ではない。男性たちに絡まれている女の子を助けなければ。

 「ちょっとこれ借りるわね!ちゃんと返すから!」

 コハルは念力で、小学生のランドセルから『防犯ブザー』を拝借する。そして、それを制服を着た女子高校生の背後に忍ばせて……ピンを抜いた。

 

 ピピピピピピピピピピピピピピピピ!!!


「「どぅわっ!?????」」突如鳴り響くブザー音に、男性2人はたじろぐ。女子高校生も状況を呑み込めておらず、驚いている様子だった。そして周りを見回し、コハルの方へも視線を向けた。その時だった。

 「えっ?今…」

目が合った??いや、そんなはずがない。でも、まさか。

 「大丈夫ですか!」

ブザー音を聞いてコンビニの店員さんが駆けつけてきた。

 「っ!!ちっ!!つまんねぇー!ノリ悪すぎだろ」謎の捨て台詞を吐いて、男性2人はそそくさとその場を立ち去る。

 女子高校生の後ろには、防犯ブザーが落ちていた。

 「えっ、あれ私のじゃん!!落としたっけ?気づかんかった~!」

持ち主の女の子が拾いあげて、またカードゲームの輪に戻っていった。

 「えーと、大丈夫そうなら僕は戻るんですけど、大丈夫ですか?」

 「あ……はい。大丈夫です。すみません、ありがとうございました」

 コンビニ店員さんも店内へ戻った。女子高校生は足早にその場から離れようとしている。が。

 「まって!!」コハルが後ろから声をかける。女子高校生は振り返らない。

 「おねがい!!まって!!あなた、視(・)え(・)て(・)る(・)わよね!?」

 女子高校生は無言で下を向き、歩く。コハルは諦めず話しかける。こんなに情報を得られるようなチャンスはもうない、そう思ったから。

 歩いていくうちに、人気のない道に出た。

 「お願い、人探しを手伝ってほしくて…。マヤを探しているの…」

 それを聞いた女子高校生は足を止め、立ち止まる。

 「マヤ……」 

 

 そう呟き、コハルの方へ振り向いて、目を向けた。


 「それって、上守(かみもり)マヤ?」


 __女子高校生は、そう、コハルに問いかけた。


 

読んでいただき、ありがとうございます!

少しでも良いなと思ってくださった方、興味を持ってくださった方がおられましたら、詩村とっても嬉しいです!!

応援していただけるように、詩村のペースで楽しく頑張ります!よろしくお願いします~!

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 ついに見える人が出てきましたね。 神様の存在を信じるかどうか見ものですね(*'▽')
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