第7話「ダンジョンチャレンジ 前編」Ver 1.01
お読みいただきありがとうございます。猫型ロボットのユーです。
無事、冒険者の国に到着したエルティモ一行はなんと大陸一の冒険者である女王アグネスと一緒にダンジョンに向かうことになりました。
吟遊詩人のクララは23歳の金髪長身美人、もちろん得意は歌と楽器、そしてステータス補助系スキル。
僧侶のクリスは22歳の青髪の童顔美女で回復と守りのスペシャリスト。
エルティモは学院で戦闘実践評価は断トツで一番でした。
そんな面々で迎えるダンジョンチャレンジの第7話です。
冒険の始まり~♪
「ここだぜ。」
女王は今回挑戦するダンジョンに案内してくれた。
一般的によくある、深く潜るタイプのダンジョンだが、こちらは発見されたばかりでほぼまだ手付かずの状態、お宝が眠っている可能性は高いそうだ。
女王が目で促してきた。わかっております。
「それでは、ダンジョンに入る前に装備や道具の最終確認をしよう。」
野盗などの不意打ちに備えて、周囲を確認、うん問題ない。
冒険者はかならず魔法のポーチをもっており、ダンジョンに持ち込むサイズであれば何でも収納が可能だ。各自がポーチにあるアイテムや装備をすべて吐き出し、整頓を始める。大事なものが漏れないようにするためだ。
宿屋でも各々確認しているが、最終的に交互に確認する。うっかりが致命的で命に関わる。
自分のものは大丈夫そうだ。食料と水一週間分、寝袋にテント、着替えも十分だ。僧侶用に魔力回復薬も足りている。
武器も確認。私の武器はレイピアだ。腕力より技量が高く、技量A精神S速さBといったところだろう。
数本ストックがあるし問題無い。それぞれ確認が済んで準備を整えた。
「準備完了だ。それではフォーメーションを伝える。」
女王より、今回の指揮は任されている。
「まず私が斥候として先頭に立つ。クララとクリスが並びで中衛、女王は後衛をお願いします。」
これは私の洞察力を活かして罠を回避しつつ、早い指示を出すため、吟遊詩人と僧侶は全体の能力アップ系スキルと回復魔法を担当。
後衛に女王がいるため不意打ちはあり得ない。
「後衛か、俺の出番は無いかもな。」
いいフォーメーションだと言いつつ冗談を呟いた。
「いえ、強敵が出たら直ぐに前衛後衛を切り替えますので、よろしくお願いします。」
あいわかった、と返事をいただく。
「それじゃあ、行きますよ。」
ダンジョン攻略の開始だ。
* * *
地下5Fまでのモンスターは敵ではなく、各々の能力確認はちょうどよかった。
私が先行してモンスターの不意打ちがないように慎重に進めた。
まず、最初の戦闘はゴブリン3体と遭遇、ゴブリンは小さな子供のような体格だが、ちからは人間の大人よりもあり、それなりに知能があるため油断は禁物。
遭遇後、棍棒を振り回して仕掛けてくる。私は極めて洞察力が高く、相手の弱点を即座に見抜くことが可能だ。
そこをレイピアで刺す。後の先を得意とする戦い方をする。
ゴブリンの振りかざした攻撃をかわし、レイピアでその弱点を突く。致命打が通り一撃で葬り去る。
残り二体のうち一体は小さな弓で応戦してくる、鋭い矢が私を襲うが、それをレイピアではじく。その動作のまま距離を詰めゴブリンに致命打を与える。残り一体。
最後の一体は私と戦うのは避け、せめてもの一撃を与えようと僧侶に牙をむく。
が、僧侶も自衛能力はそれなりのもの、ひらりとかわすと、後衛の女王が炎の剣で真っ二つにした。
モンスターは倒されるとその姿は消え、お金やアイテムを落とすが、今回は特になし。
無事初戦を終えた。
「さすがでございます。」
「冗談だろ、こんなのは何百いても傷一つ負えねえよ。」
実際そうだと思う。女王の戦い方は二刀流だ。無属性や炎氷雷などの属性剣を切り替えて相手に合わせて戦うが、所持している武器はどれも値段が付けられない品だ。
「それよりもお前もやるじゃないか、致命打を確実に狙えるのはやるねぇ。」
ひゅぅっと女王は囃したてる。
「ここでは謙遜は事故になるのでお伝えしますが、私は人より多くの情報を見ることが出来るようなのです。ですので弱点は見ればわかります。」
これは生まれ持った技能だ。これで生活基盤事業の隠ぺい魔法技術も破っていった。実は時間があればたぶん25回目も突破は可能だったが、みんなの限界を感じて止めていた。
「そうかそうか、それで必殺を連発できるってわけだ。」
「そうですね、それが私の強みです。また、その力を使って罠を回避するのも得意です。」
ダンジョン攻略の前に吟遊詩人と僧侶には伝えていたが、女王はいけばわかるだろうと特に聞いてこなかったので説明をした。
* * *
地下12Fでついにレアアイテムの可能性がある金の宝箱が見えた。
後ろにいたのんびり屋の僧侶がいない、宝箱に猛ダッシュを決めていた。
吟遊詩人は自分に対してスピードアップスキルをかける。俊足で宝箱に向かう。
どっちが先に宝箱を開けるのか、これはいい勝負だ。
これは同時か、、、と思った瞬間、、、宝箱が大口を開き二人を飲み込んだ。
「暗いわ~」「狭いよ~」
二人とも上半身を飲み込まれ、足をバタバタしている。
「ダンジョンで遊ぶんじゃねぇよ。」
女王が少しあきれ顔で、人食い箱に近づき、両手で二人をつかみ引き抜こうとする。
「「痛い、、、いたたたた。」」
人食い箱の抵抗もあり、なかなか救助が難しそうだ。
「あ゙あ゙あ゙、面倒くせぇぇぇぇ、、、────ぐるるる……があぁぁぁっ。」
女王はスキル【威圧】を発動した。瞬間、この部屋の空気が一変する。氷点下の世界だ。
人食い箱は二人を吐き出し、部屋の隅で震えている。
私も恐怖心で固まっている。危うく漏らすところだったのは内緒だ。
吟遊詩人と僧侶を見ると、、、ああ、仕方ない。これは仕方ない。。。散々な状況だった。
女王は私に近づき、下半身の一部をつかみ
「こんぐらいで縮こまってんじゃねぇよ。」
にやぁっとして、先に部屋を出る。緊張を和らげるにしてもほかにも手段はあるだろうと思いつつも、豪快だなぁと感じ入る。
後ろで二人が泣きながら着替える音がした。もちろん振り返らない。見た目が若返るレアアイテムは、、、後で女王に相談してあげようと心に誓う。
冒険を再開し、そのまま順調に地下20Fまで進み、そろそろエリアのボスがいるエリアだ。空気でわかる。
罠や不意打ちを警戒しつつも女王に聞きたいことがあった。
「女王、いい機会だと思うので聞いてみたかったのですが、父カイルはどんな戦い方をしていたんですか。」
「へぇ、気になるかい。」
武勇伝はたくさん聞かされていたが、戦い方はどうもしっくりこないのだ。大剣でモンスターを薙ぎ払う話は多く聞いたが、戦士だけでなく武道家でもあったようだ。
「なら、前衛変われ。見せてやるよ。」
女王は自分自身に力と素早さをアップするスキルを使った。
そのまま鎧騎士のモンスターに対して駆け寄るとその力と速さを利用し、相手の首根っこをつかんだ。
そしてそのまま豪快に他のモンスターに対して、、、ぶん投げた。
ずかぁぁんという音とともに、残りのモンスターも木っ端微塵にし、鎧騎士は原型をとどめていない。
「よっしゃぁ、このままエリアボスを倒しに行くぞ!」
父カイルは大剣ではなく武道家になって、素手で戦うようになったと聞いたが、これが得意技だったのか。というか技と呼ぶには力技すぎる。
武勇伝にしてはカッコ悪いから端折られたのかと妙に納得してしまった。
そのままエリアボス戦に突入した。
エリアボス直前に吟遊詩人はスピードアップのスキル、僧侶は防御力アップの魔法を展開した。いいタイミングだ。
エリアボスは炎のドラゴン、強敵だ。さぁどう連携して倒そうかと思ったが女王はそのまま話しながらドラゴンを攻める。
ドラゴンが炎のブレスを吐こうとした瞬間、左手に持っていた氷の剣を投げ、中和。自分に敵の注意を引き付けた。
「あいつはな、もともと大剣を得意とするすごい戦士だった。」
ドラゴンがしっぽで攻撃してきたところ、そのまま相手のしっぽを切り、大ダメージを与える。
「でもな、その後武道家に転職してな。」
ドラゴンがその鋭い爪で女王を攻撃すると、無属性の剣でそれを力任せにはじく。ドラゴンの爪がはじけ飛んだ。
「その理由がな......」
ドラゴンは後方に下がり間合いをあける。
「自分の両手でお前の母親であるイーリスを守りたかったんだとよ。」
ドラゴンは再度炎のブレスを吐こうとするが、女王がドラゴンの頭上まで詰めておりそのまま一刀両断。
「そりゃぁ、、、惚れる、だろ。」
ドラゴンはあっさりと倒され、女王は満面の笑みでそれを伝える。
女王の戦闘の強さと話の強さで思考が追い付かない。
その後女王は私に近づき、背中をぽんとたたきながらこう言った。
「戦士のままなら大陸一の冒険者はあいつだった、誇れ。」
あらためて一代で国を立ち上げた父カイルの偉大さを感じる。
そして、その倅である私も、ここらでいいところを見せねばなるまい。
私は腰のレイピアの柄を、ぐっと強く握りしめた。
お読みいただき、ありがとうございました。onecaratです。
ファンタジー小説といえばダンジョンの冒険は欠かせません。もれず私もお話を書きました。
とはいえ、私は自分の目で見たものしか信じないリアリストでありまして、ドラゴンもゴブリンも実物を見たことがありません。(当たり前なんですけどね。。。)
じゃぁどうするかというと、一般的に言われているファンタジーのドラゴンやゴブリンの特性を、周りが引くぐらい頭にインプット。
そうすることによって、脳内で動くイメージが作れるようになりました。(映像が動くように)
そこに自分が生み出したキャラクター達を投入していくと、話が自動で書かれていく、そんな感じです。
補足で入れておきますと、作中の女王は少し下品なキャラに見えるかもしれませんが、主人公エルティモのきれい過ぎる性格が成長の邪魔になると、あえてああいうキャラを演じて接している側面があります。
これは主人公の成長譚でもありますので。
次回もお読みいただけると嬉しいです。
小説に使用しているエディタ:https://onecarat.dev/
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― 改訂履歴 Ver 1.01 ―
・ 地下5F/12F転換に * * * を挿入(カット明示・三連空行解消)
・20F移行/ボス突入の白場を単独空行(間)に統一
・装備確認のポーチ説明を1段落に集約
・満身の笑み → 満面の笑み
・木端微塵 → 木っ端微塵(表記)




