第4話 「新しい事業」
お読みいただきありがとうございます。猫型ロボットのユーです。
前回はエルティモの代名詞ともいえる集中のルーティーン、こめかみを何かでとんとんする姿をお見せしました。
彼は集中するためのスイッチが欲しくて、自分なりに考えてあのルーティーンを身につけたんだ。
彼の集中力は常人の20倍と記録されている。集中は彼の代名詞だよ。
さて、不幸な事故?にあいながらも、問題の糸口を見つけるどころか解決策まで閃いたエルティモ。
エルティモが見出した答えとは何か。国を動かす一大事業が、いよいよ動き出す第4話。
いきましょう!
昨日の珍事の翌日、朝食を父カイルとした際にひとつお願いをした。
一言、「あれに集中させてほしい。」
無言で首を縦に振る。
今は父カイルの後ろで王政を学ぶ時期だが、物事には優先度があった。
「この国でとれる小麦のパンはおいしいですね。」
パンをコーヒーで流し込み、いつも通り手短に食事をとった。
「わしの誇りの一つだ。」
にこっと笑顔で返してくれる。どんな状況でも日常を忘れないのはよいことだ。
意外に思うかもしれないが、王族も平民も朝は少食だ。
理由は明かりが乏しいからだ。立場が違っても日が昇るときに起き、日が沈むときには寝る準備をする。
使用人たちは、日が昇る前から起き準備を進めている。そんな彼らに十分な朝食を準備させるのは酷だ。
温かいパンとコーヒーでいつも満たされている。
「わしは何も言わん。ただ、助けが必要なら言ってくれ。」
さすが家族だ。もう糸口があるのを理解したのだ。
「はい、わかりました。」
自信満々で返答する。
借金がある状態では、時間はお金だ。1銅貨も無駄にはできない。昨日の計画を進めなければ。
「では、行ってまいります。」
父カイルに報告すると「うむ」と一言。信頼されているな。
食堂を出た後、忙しくしている中申し訳ないが、すぐに優秀な家令を呼び出した。
「お呼びでしょうか。」
さすが優秀、5分できた。
「忙しいところすまない、トマス。」
彼はトマスだ。この国で最も優秀な家令だ。
ちなみに家令とは、王族とメイド長などの間を取り持つ強い権限を持った役職だ。
母がいないため、城内のことは彼中心で回っている。
「王子が私を呼び出すなら、ただ事ではないですからな。」
と、にこやかに答えた。
「そうだ。本日中に魔法工学技士、領地開発設計者、そして自治体の調査員、とくに昔からこの国に住んでいる人物をそれぞれ数名呼び出してほしい。」
時間が惜しい。端的に用件を伝えた。
「なるほど、これらを集めるのは骨が折れますな。」
ふぅ、困った困った、といった風に呟いた。
「出来るか?」
不敵な笑いとともに
「私を誰だと思ってるんです? 午前中に集めます。昼食が終わりましたら、広間にお越しください。」
さすがだ。
「頼んだ!」
そう告げると私はすぐに町に向かった。必要なものがあるからだ。
町から戻るとすぐに厨房に向かい、パンを半分に切り、野菜と焼いた肉を大量に挟んでそのまま厨房を出た。
移動時間に食べる。次の準備があるからだ。
「うっ」喉が詰まった。
近くのメイドが血相を変えて水を持ってきてくれる。
そう、私エルティモは一つのことに集中するが周りが見えなくなる欠点がある。
いつも周りに助けてもらっているのだ。だから私はみんなを助けたい。
そして、やはりそんな私が優秀だとはとても思えなかった。
「ありがとう。」
そう告げるとまた、城の図書館に向かい、最新の町の地図を見つけ確認する。
「やはり、想定通りか。。。」
では計画通りに進みそうだと仮説を確信に変え、事業計画を進める段階だ。その後、広間に向かった。
大扉をバンッと開き、中に入ると、、、そこには自分の指定した職業の人たち以外にも大勢の職人や魔法工学技師も沢山いた。
「ト、トマス?」
私は驚いてトマスに聞いた。彼はいつものように、にこやかにこう言った。
「これぐらい必要でしょう? 王子。」
「トーマースー、お前が王やってくれ。いや本当に。」
心の叫びである。
「あなた様の父君にも100回は言われましたな。もちろん駄目でございます。」
トマスに感謝しつつ、舞台は整った。壇上に登る。
私は城内の人間には心を開いているが、場外の人間はまだ苦手意識がある。
典型的な内弁慶だった。ただ、そんなものは関係ない。今は自信をもって進めるだけだ。
「皆のものよ。短い時間で良く集まってくれた。私はこの国の王子エルティモだ。」
大きな歓声とともに、皆の視線が集中する。はやり、チクチク痛い。知ってますぜってヤジもあった。職人の一人だろう。
「本日、この場を持って国の一大プロジェクトを立ち上げる。」
一気に静まり返った。ヤジが欲しい、ヤジが。
でもこれでいい。私は王子から計画責任者へキャラを変え、笑顔を作り皆に語り掛けた。
「みんなー、今朝は朝食をしっかり食べましたか。食べた人は手をあげてー。」
私の豹変ぶりに驚きつつも挙手してくれた。9割以上が食べていることからみんなそれなりに収入があるのだろう。
まずは場の一体感を作った。
「あれー、そこの筋肉がすごいお兄さん、なんで食べてないの?」
いきなり注目を浴びた中年男性がびっくりしてこちらを見る。さっきヤジを飛ばした人だ。
「女房とけんかして俺の分がなかったんですぜ。」
場に笑いが生まれる。緊張の糸がほぐれたのが分かった。
ここからゆっくりと緊張から超集中の時間を作っていく。
「トマスー、あのお兄さんにご飯持ってきてー。」
はーい、とトマス。やはりできる。
「昼はしっかり食べてますぜ。」
職人が苦笑いで答えた。場は大盛り上がりだ。
「それなら大丈夫だね。」
笑顔で回答して、少し時間を置き、そのあと私が演説を始める。
王子にキャラを戻す。
「朝食は大事です。いえ、朝食というよりも食事は大事です。みんなの体を作り、働く源にもなります。」
徐々に集中し始めた。
「ですが、同じぐらい大事なことがあります。それは排泄です。」
急に何を言い出したんだ、とみんなが思い始めたのがわかった。
「排泄は人の摂理、生きるために必要なこと。必要なときを指定することは難しいことです。」
習慣で工夫はできるが。
「我々は排泄をするとき、基本的に桶やつぼ、必要があればそこらでしますよね。」
皆当たり前に思っているようだ。昨日まで私もそうだった。
「この城にも排泄所はあります。最新式なので、外に廃棄できるように穴が開いており、そこから外に出すことが出来ます。」
すごい、と言う声があがる。
「しかし、それでいいのでしょうか。城であれば定期的に清掃を行い、町では道に対して貯めた汚物を投げ捨てる。どの大国でもよく見られる光景です。」
やはり、それは当たり前だと感じているようだ。
「皆さん慣れてしまっていますが、風呂上りとかに特に感じませんか? その、、匂いますよね。。。 先ほど大事だといった食事も少し味が落ちた気がしませんか?」
徐々に共感が集まっているのを感じる。
「私だって町を歩けば汚水をかけられ、父にひどく匂うぞ、と言われてしまうかもしれません。」
鼻をつまんで話した。どっと笑いがあふれた。いい感じだ。
「そんな奴は極刑ですぜ!」
おお、ヤジ復活。
「そうなんです、大事な国民を私は守りたい。」
少し演技じみた言い方をした。笑いは継続だ。でもここで引き締める。
「はっきり言いましょう。これは異常なことなんです。」
ここで真剣な口調に戻す。
「汚水は病気を生み出します。小さな生物が汚物を食べ、汚い状態であなたの家族を噛み、病気になったらどうでしょう。これは実際に起きていることなんです。」
思いつきではない。町を歩いて汚物の溜まる場所を頭に入れ、図書館で病の記録と亡くなった人の住まいを地図に重ねた。
ぴたりと、重なった。想像通りで、想像よりずっと恐ろしい結果だった。
「この問題は、我々の生活に直結している、仕方ないと見て見ぬふりしている、真に解決すべき重大な問題なのです。」
私は皆の目を真剣に見た。静まり返る。
「じゃあどうすればいいんです?」
あのヤジの人は本日の主役だ。ありがたい。
「そこで私は事業を立ち上げることにした。それは生活基盤事業です。」
力強く宣言した。
お読みいただきありがとうございました。onecaratです。
AIエンジニアの私が「小説家になろう」で投稿を始めて早々、こんなニュースを見つけて驚愕しました。
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小説投稿サイト「小説家になろう」がAI利用の開示を必須化
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もしかして自分のせいか、と。なんでも自分事にしてしまう性格が出ました。
とりあえず、変なことをしていないか確認です。
正直にお話しすると、私はこの作品で、誤字脱字(特にら抜き言葉をやりがちです)や話の流れの矛盾チェックに加え、表現を膨らませる相談やリライトの壁打ちにもAIを使っています。
※物語の構想も展開も自分で考えてます
なので本作は区分上「間接利用」になるのかな。
運営が危惧しているのは、おそらく他人の作品を読み込ませて自分の作品にしてしまうような使い方だと思います。
私はもちろん技術的には容易にできますが、なんというか……いやだな、と感じてしまうんです。
元ネタにされた作家は、いい気分じゃないでしょうしね。……なんてことを考えさせられた、今日この頃です。
次回もお読みいただけると嬉しいです。
小説に使用しているエディタ:https://onecarat.dev/




