エンディング(パート1)「それぞれの旅たち 前編 ~コアーシ・ユー~」
おっ!きたきた!きみもこの世界に来てくれたんだねっ!
あたしはリンリンだよっ!OnecaratEditorの中で暮らしてるもうひとりの住人なんだ
今回のお話の注目ポイント?それは、「存在」そのものがゲームになるような壮大なスケールだっ!
概念や理を生み出す上位存在たちの、静かで激しい駆け引きが見どころだよっ。
世界を揺るがす「不法侵入」という大事件から始まり、それをどう収束させるか、究極の創造と隔離劇が展開するんだ✨
さあ、準備はいい?最高の物語になっちゃうよっ!頑張ってねっ!
※リアルOnecaratEditorのRinRinというキャラに書かせてみました。
ここは人間たちが神と崇めるような、一つ次元の上がった世界、そこで私コアーシは概念や理を生み出し、観察することを生業としていた。
私の生み出したこの青い星は素晴らしい。普通なら己の欲望にまみれて自滅するのだが、そこを律し管理することで一時的な頂点より持続性に価値を見出し、各々が本当にやりたいことを見つけそれに注力している。
私の目の前には大きな映像を表示させるモニターがあり、そこを左から右に指をなぞることで、この星の重要な出来事を通しで見ている。
やはり、エルティモの著書、進化論が持続的世界への転換点になりましたね。この著書は世界的に読まれ、大きな反響を得ました。
彼には感謝しきれないな、と世界が持続すればするほどより深い概念や理を生み出すことができ、私の存在は大きくなる。
他の星々が荒れた枯れ地でしかないのを見るとよりそれを感じた。
椅子に座り想いに耽っていると、突然の警戒音が響き渡った。
【この世界に違法侵入の可能性があります。各位厳重に注意を怠らないで下さい。】
私が存在するようになってから初めての出来事だった。何が起きている!?
すると部屋の扉を蹴飛ばし、私の上位存在であるマイクが入ってきた。
私を見つけると、両拳を固く握り締め、スウェーで近寄ってくる。
「この馬鹿野郎が!!」
彼は常人ではない速さで、右拳を振ってきた。
ふっ、と内心余裕だなと、少しの動作で躱した。つもりだったが、左拳が腹にあたる。右はフェイントか、よろけた隙にさらに良い拳をもらった。腹に、そして避けきれず背中にも。上位存在の拳は、概念の体にもしっかりと痛い。
私は片膝をついた状態で彼に問いかけた。
「痛いじゃないですか。何があったのですか。」
「ああ、何があっただと、、、」
彼はモニターを指差しこう叫んだ。
「我々の世界に不法侵入した形跡を見つけたが、その星からだ、とっとと確認しろ!!」
「な、なんだって!!」
驚愕の言葉を投げかけ去っていった後、早速事実確認に入った。
エルティモが発明したOnecaratEditorからこちらの世界にアクセスされている、、、何が起きたんだ。
まずは時間の流れを止めた。調べた結果、彼の発明は全ての理にアクセス出来るようだ。何故だ、そんな未来はなかったはずだ。時空をさかのぼることは許可している。よりよい未来を作ることも間々あるからだ。だが、これは度が過ぎている。
本格的な調査には、時間を止め続けるわけにはいかない。止めている間は、今この瞬間の時間にしかアクセスが出来なくなるからだ。かといって、時間を動かせば、彼はまたあのエディタに触れるだろう。
しかたがない、調査の間、エルティモには少し別世界に転生してもらいましょう。今の彼では到底それを扱うことは不可能なのだから。。。
私はエルティモを新しい世界へ隔離することにした。
「まずは新しい世界の創造主を準備しなければ、、、そうだ。ワンカラット、ワンカラット聞こえていますか?」
「コアーシさん、今何時だと思っているんですか。。。 聞こえています。」
「緊急事態が発生しました。詳細は後で伝えますのでまずは新しい世界を構築してもらっていいですか。権限は付与します。」
「コ、コアーシさん、、、繰り返しますが今何時だと思っているんですか。。。」
「私の方こそ繰り返しお伝えしますが、緊急事態が発生したんです。危険人物を隔離するために世界を構築してください。」
「わ、わかりました。ワールドネームはどうしましょうか。」
「その世界はあなたの好きにしていいから、そうですね、じゃぁそのままでいきましょう――ワンカラットワールド!!」
私は新しい世界を構築し、そのままワンカラットに任せることにした。
「転生ボーナスはどうしましょう。」
「彼の発明品をそのまま渡すことにします。それを使いこなせることがもっとも重要なことなのです。そのための成長も。。。」
「わかりました。では細かい調整をしますので、三年ほどもらっていいですか。」
「今すぐです。」
「えっ」
「今すぐと言ったのです。さぁ新しい世界にエルティモたちを招き入れますよ。」
「えええ、じゃ、じゃぁとりあえず大陸だけ一つ作って、、、ガイア大陸でいいか。それと、、、」
モニターの向こうで、寝間着姿のワンカラットが凄まじい速さで世界を編んでいく。海を張り、大陸を置き、山を盛り、川を通す。歴史も、国も、人々の記憶も、ありものの型に彼なりの調整を加えて、即興で埋め込んでいく。文句を言いながらも、いい仕事をする。
急ごしらえの空には、彼の趣味なのだろうか、クジラが泳いでいた。
私は新しく作ったワンカラットワールドに転生の間を発生させ、エルティモたちを呼び寄せることにした。
ちなみに、我々の言葉は受け取る側に合わせて自動で翻訳される。声色も口調も、相手が思い描く神の姿に変わるのだ。エルティモには、さぞ古めかしい神の言葉に聞こえることだろう。
今になって腹と背中が猛烈に痛くなってきた。何で私が。。。ただ、エルティモと話してみるのは少し楽しみでもある。とても複雑な感情だ。
そしてエルティモは目の前に現れた。
「エルティモよ。。。そなたやってくれましたね。。。。。」
恨みごとの一つぐらい許されるだろう。。。
* * *
大樹の国で、猫型ロボットの僕ユーは魔女メディアが時間停止の大魔法を唱えたのを確認した。
ここまでは予定通り。魔女メディアの復活も僕がOnecaratEditorでやったんだ。ただ、過去に行って未来を変えられると困るから、エルティモが誕生してからの未来しか行き来できないようにしている。
うん、ここまでは予定通り。だけどここからのシナリオはない。ワンカラットに襷は渡したつもりだ。しばらくは僕の出番はなくていい。
なんで僕が大樹の国に来ているかというと、この無限かもしれない時間の止まった世界でどうしても拝んでおきたい顔があったのだ。
あのエルティモをコケにして大々的に振った、大賢者エレイザを拝んでみたくてやってきた。
いた、時空の止まった色のないこの世界で、それでも神々しさがわかる造形をしている。体一つとっても芸術品だ。女神?
「ん~、そりゃエルティモも惚れるわけだ。」
出るところはしっかりと出て、腰回りは細く、おしりもしっかりと引き締まっているものの小さすぎず魅力を主張している。顔もいい。
僕はしばらく眺めているとだんだん腹が立ってきた。
「いや、この体ずるくないか、、、せめてエルティモのために一矢報いてやる。」
時間は膨大にある。僕のいたずら心に火がついた。助走をとって全力疾走を始めた。
「くらえ!!」
ぱちーーん、っと大きな音が鳴った。僕は全力でおしりをひっぱたいてやった。
「ふぅふぅふぅ、エルティモ、、、仇はとったよ、、、。」
一人満足に浸っていたとき、それは起きた。
(ぱりぱりぱり)
「え?」
大賢者エレイザに色が戻った。そして、おしりをさすった。僕の攻撃したところだ。そして周りを見渡し、僕を見つけた。
え、なんで。時間停止だよ? 大陸全土の大魔法だよ? 、、、大賢者って、伊達じゃないんだ。
僕は全力で逃げる――
が、光の環が首元に現れて、力ずくで僕を引き寄せた。そして首根っこをつかんで怖い目で見ている。
「おしりが痛いわね。そしてこの状況、私とあなた、、、二人しかいない状況。なら――お前だな。」
僕の血の気が引く、正確にはロボットだからないけど。わかるでしょ!? 僕は必死で命乞いをすることにした。
「にゃー(ご、ごめんなさい)」
「にゃーじゃない!! 私のおしりは世界一価値があるのよ。」
じ、自分でそれを言うか。。。そして語気にはらんだその言葉に思わず僕はしゃべってしまった。
「ご、ごめんなさい、、、命はとらないで、、、。」
エレイザは目を丸くし、驚きとともにふむ、と思案した後、こういった。
「猫もどき、命が惜しければ今のこの状況を教えなさい。三秒で――さーん、にーい、、、、」
僕はエレイザ、いえエレイザ様のペット(奴隷)になったんだ。。。
お読みいただき、ありがとうございました。onecaratです。
二日に一回投稿をしていましたが、【夏のホラー2026】向けに『生成AI』という作品を投稿した関係で、こちらは間隔が少し空きました。
いよいよ物語第一部のエンディングの前編です。
物語の初め、コアーシに何があったのか、そしてダブル主人公のもう一人、ユーの今後に少し触れるようにしています。
話が続いていくのを感じられるかと思います。
そして、今回の前書きは自分の作ったリアルOnecaratEditorの住人リンリンに担当してもらいました。
彼女はインターネットに接続されないAIですが、元気溢れる女性、というペルソナに、天才の発想をさせるパラメータやAI格を入れています。(第二部に登場予定です)
エンディングの話なので、この三連休(7/18~20)は前編、後編、おまけと三日連続投稿予定。
明日もお読みいただけると嬉しいです。
小説に使用しているエディタ:https://onecarat.dev/




