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勇者はだれ?  作者: 臥亜


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闇優勢 ――王の失墜

空が割れる。


王の純光裁定が再び発動する。


無数の光刃が降り注ぐ。


魔族の軍勢を貫き、闇将軍を焼き払う。


だが――


魔王は、笑っていた。


「……それで終わりか?」


光が届かない。


魔王の周囲だけ、世界の法則が歪んでいる。


純度の概念が崩されている。


王が目を見開く。


「ありえぬ……!」


魔王が鎌を振るう。


闇が“光を侵食”する。


光刃が黒く染まり、王へと反転する。


爆発。


王が初めて、吹き飛ばされた。


地面に叩きつけられる。


王都の城壁が崩れる。


民衆が息を呑む。


聖騎士団が動揺する。


「王が……押されている?」


魔王がゆっくり歩く。


一歩ごとに地面が黒く変色する。


「光は脆い」


鎌が振り下ろされる。


王が防ぐ。


だが――


光翼が、一本砕けた。


王が膝をつく。


「私は……世界を正す存在だ」


魔王が冷たく言う。


「正しさは、強さではない」


闇が収束する。


魔王の背の闇翼が巨大化する。


黒き王冠が顕現する。


これは――


本気。


終末侵食・第二形態


空間そのものが闇に侵される。


王の純光結界がひび割れる。


王が叫ぶ。


「光よ、応えよ!」


だが応答が弱い。


共鳴者たちが苦しんでいる。


純度が揺らいでいる。


世界そのものが、


“光一極支配”を拒絶し始めている。


魔王が王の喉元へ鎌を突きつける。


「均衡を壊したのは、お前だ」


王の瞳が揺れる。


初めて、迷いが宿る。


その瞬間。


闇が一気に膨張する。


王の光翼、残りも砕ける。


王が地に落ちる。


地面に大穴。


王都が震える。


絶望の光景


聖騎士団が動こうとする。


だが闇の重圧で膝をつく。


魔王が王の胸を踏みつける。


「光は選別する」


「俺は包み込む」


「どちらが“王”にふさわしい?」


王が血を吐く。


「私は……世界の秩序だ」


魔王が鎌を掲げる。


「ならば、壊す」


刃が振り下ろされる――


その瞬間。


リュカが叫ぶ。


「やめろぉぉぉ!!」


光と闇の間に飛び込む。


衝撃波が爆ぜる。


レオンも着地する。


「二人とも、やりすぎだ」


魔王が目を細める。


「来たか、混ざり者」


王も息を荒げながら言う。


「……お前たちが、最後の歪みだ」


王は瀕死。


魔王は優勢。


戦場は闇色。


世界の根源へ続く暁色の裂け目は、


さらに広がっている。


リュカが剣を握る。


胸の奥で、


聖剣と闇が同時に震える。

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