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3章

3章 人類滅亡未遂事件


「た、大変なんです!事件解決に協力して下さい!」とある少女がデバッグに押しかけた。


「まず落ち着いて下さい!まず、貴女の名前は?」とズイレンが訊く、「レフレスです。それより、私の師匠とその妹が事件を起こそうとしているんです!大変なんですよぉ!」とレフレスは涙目で訴える。


「なるほど…事件を起こそうとしている人と、その内容の説明をお願いします」


「はい…私の師匠のリュヌ様と、その妹のリルナ様です…内容は人類滅亡の事件で、理由はある人物からの依頼…らしいです。その人物のことは何一つ分かりません…ですが、今回はリュヌ様とリルナ様を止めて下されば大丈夫です」


「あ、その人たち知ってるかも。確か月の支配者と精霊界の女王だったよね?依頼人のことは僕も分からないけど」とコウが口にする。「そ、そうなのか!?」とルビーとノウが驚く、「そうです!そうなんですよ!私自身では2方に敵わないし、他の組織に依頼してもそれを理由に断られるし…今回もダメですかね…はぁ…それでは、ありがとうございました…」とレフレスは組織を立ち去ろうとするが、待って!とズイレンが止める。


「その依頼、受けます!私たちに任せて下さい!」とズイレンが言う。「ええ!?良いんですか!?」とレフレスは驚く、「ズイレンの言うとおり、俺たちに任せて下さいよ!絶対に解決してみせます!」とルビーが自信満々に言うと、「ええ!本当に、本当に良いんですか!?ありがとうございます〜!」とレフレスは泣きながら感謝した。


レフレスが「今日は4月の17ですが、事件の実行日は4月の27です。その間に準備をお願いします!道案内は私がします!」と言い、組織からルンルンで去ると、コウは口を開き、「昔の記憶がほんの少しだけ戻ってきた気がする。今の強さじゃリュヌとリルナには勝てない。リラや美鈴に頼ってもね。だから特訓を積む。技を作ったり、磨いたり、体力や魔力を上げることを目標にしてね」と言った。


「それならズイレン、俺と合体技を作ろう!技名は…「紅(べに)虹(こう)ノ来光」とかどうだ?」とルビーが持ちかける。ズイレンは「いいね!かっこいいと思うよ!じゃあ早速特訓しよう!」と言うが、「でも…特訓する場所が無いね…」と少し悩んだ末、美鈴に電話した。


「あ、もしもし。美鈴!お願いがあるんだけど、前に使った戦闘用の部屋貸してくれない?事件解決の為の技の特訓したくてさ」


「ああ、良いわよ。それと、事件の解決ってことなら私とリラも協力するわ。相手はどんな人?」


「えっと…リュヌって人とリルナって人だって!」


美鈴は少し反応に、少しの沈黙のあと、「うわ…随分すごい人たちね…んー、でも分かったわ!協力する!リラにも話はつけておくからね」と、ズイレンの頼みを了承した。


「ありがとう美鈴!助かるよ、じゃあねー!」と言い、ズイレンは電話を切った。

「部屋、借りれるって!」と言い、ズイレンはルビーとハイタッチをした。


「あの2人本当仲良いね。前水族館デート行ってたし」「そうだな、見てるこっちが恥ずかしい」とコウとノウは小さい声で一緒に話していた。

________________________

人物紹介


レフレス・ミャーチャー

優柔不断で、自信がない性格だが、師匠のリュヌが事件を起こすとなった時にはすぐに止めにかかった。

________________________


あれから1日後。デバッグのメンバー、リラと美鈴は戦闘用の部屋を借り、それぞれ特訓をしていた。


コウは能力を高める為にリラと戦っている。コウの欠点は大きな体力不足だが、それは特訓しても治るものではないと判断したリラは魔力を高める方向に向けた。それと同時に、昔の記憶が少し戻ってきた。というのもあり、全知の能力を磨くのと、リュヌとリルナの情報集めに出た。

ノウは攻撃力と回復力を高める為に美鈴と戦っていた。ノウが美鈴に攻撃をし、当たったらそれを回復するという形だ。ノウの攻撃には命中率が欠点と見抜いた美鈴はこの特訓方法を発案した。


ズイレンとルビーは新しい技、紅(べに)虹(こう)ノ来光の特訓をしていた。

「まずは発案だな。この技は俺のルビーの力とヘルトの虹色の力を合わせたものにしたい。だが、普通にやればルビーの力は虹の力に飲まれるだろう。そこをどうするかだが…」とルビーは悩んでいた。「合わせたら飲まれるなら、虹じゃなくて紅か赤に絞るのはどう?」とズイレンは提案する。

「うーん、そうすると力が弱まってしまうんじゃないかって思うんだよ。ヘルトは問題ないが、俺はルビー、紅の力しか出せないしで…どうしようか」と2人が悩んでいると、休憩中のコウがこっちに来て「それなら、力の比率を変えてみるのはどう?紅の力の比率を強くして、次に近い黄や紫とかの色を次に持っていって、青とか緑とかの遠い色を少なくする。そうすれば、力がうまいこと混ざってくと思うんだ」と提案した。


2人は目を輝かせて頷き、「それ!それだよコウ!やっぱお前は天才だな!」とルビーがコウの手を握り褒めると、コウは「あ、ありがとう…」と困惑しながらも少しニヤけた表情で呟いた。


早速特訓を始める2人、手を突き出し、それぞれの力を発する。という技だが、ズイレンは色の比率を変えることに苦戦していた。そのせいで力がうまく合わずに、虹が紅を食ってしまうという事態が発生していた。


「はあ、はあ、ごめんルビー…私のせいで成功しなくって…」とズイレンはルビーに謝罪する。だがルビーは全く気にしておらず、「いや、俺の力が足りないのも悪い。それに力の調整なんて、大変なことをしているんだから最初は上手く行かなくて当然だ」と返す。ありがとうと言い、特訓を再開するが、いつの間にか5時間が経過していた。

周りは順調に魔力や知能、回復力や命中を上げることに成功していたが、ズイレンとルビーの技は中々成功しない。力は確かに上がっていたが、成功する未来は見えない。そんな中、今日の特訓を終えた。


「それじゃあ、誰がリュヌとリルナ、どっちと戦うか決めよう。指名がある奴は居るか?」


美鈴が立ち上がり、「私は…リュヌと戦わせて。さっき写真を見たの…合っていれば、私の昔の知り合いなの」と言い放つ。「分かった。それ以外は自由に決めていいか」とリラが言い、皆はそれに賛同する。


「じゃあ、美鈴、コウ、俺はリュヌと戦い、ズイレン、ルビー、ノウはリルナと戦ってくれ。そしてリュヌとリルナの情報だが…協力者の名前を上げておこう。ユリ根あみという人物だ。有名だから知ってると思うが」


ズイレンは「あみさん!?あの!?」と驚いていた。

ユリ根あみ、有名な大食いタレントであり、天界や妖怪の国でも活動している。その食欲は度を越しており、天人は人間と同じくらいの食欲だが、妖怪は別、人間とは比べ物にならないくらいの食べ物を食べる。元人間でありながら、それに張り合うどころか越してしまう。そんな人物だ。


「ああ、実は心を読む能力を持っていてな。実際に会って情報を集めてもらったんだ。大変だったんだぞ、対価が2階建の一軒家と同じくらいの高さのチョコレートパフェだったんだから。おかげで財布が空っぽ…だがそれくらいの価値がある情報が入った。しかもこれからは無償で事件解決の情報集めに協力してくれるらしい。その本人とコウに説明を頼むか」とリラが言うと、部屋の扉を開け青い髪に赤いリボンを着けた女性が入ってきた。


「ここですかね…あ!リラさん、こんにちわ!」


「ああ、紹介しよう。ユリ根あみさんだ。」とリラが言うと、あみは深くお辞儀をした。


「えっと、リュヌさんとリルナさんの情報でしたっけ。まずはリュヌさんですね、月の支配者で、月に関連した能力を使います。遠距離が得意で、近距離は苦手。リュヌさんは精霊界の女王で、地水火風の魔法を扱える魔法使いです。近距離も得意だから注意してください。」


「2人の特に危険な技なんだけど、リュヌは「ルナライトスピア」、リルナは「スピリットオールディザスター」だね。この2つには注意。まあ1回打ったらジリ貧になるほどの技だから、1回耐えればあとは勝機があるかな」

「でも幸い、過去に2人とも話したことがあるから分かるんだけど、話がわからない相手ではないと思う。特にリュヌと美鈴は昔の知り合いなんだよね?それなら、戦わなくても止められるかもしれない。」


「そうですかね…希望を砕くようなことを言いますが、今回はある人物からの依頼なんですよね?それなら、分かってもらえないんじゃないですかね。それにリルナさん、精霊界の国ですが、精霊は人間のことを心底嫌っています。国民の意思も得た上でやっていることなんじゃあ。リュヌさんは美鈴さん次第ですが、リルナさんは戦わないと無理でしょう」とあみが言う。コウも確かにとそれに対して同意する。


「だが、今までの特訓は無駄にならないさ、事件

事件解決、するぞー!!」とルビーが士気を上げる。皆もそれに対して賛同し、おー!と気合を上げた。


その後、ズイレンはあみにサインを頼みに走っていった。


そして数日が経ち、事件の実行日当日になった。あれから特訓を続けていたものの、ズイレンとルビーの技は完成しなかった。だが力は確かに上がっていた。人類の命運が掛かっている、この事件を解決できるのだろうか。

______________________

人物紹介


リュヌ・メルヘン

月の支配者であり、リルナの姉。コミュ障で、人と目を合わせて話せない。


リルナ・メルヘン

精霊界の女王であり、リュヌの妹。強気な性格で姉のリルナとは正反対。


ユリ根あみ

心を読める能力を持っている大食いタレント。その能力と食欲には、誰もが驚く。

______________________


事件当日、美鈴、コウ、リラは月に、ズイレン、ルビー、ノウは精霊界に居た。レフレスは美鈴の方に付き、ズイレンの方には魔力で動く探知機を渡した。魔力が強大なところにリルナが居る。という感じだ。


ー月ー


「リュヌ様の家は…あったあった。そこです!」とレフレスは指を指した。森の中にありそうな、木造っぽい小さい家だが、魔力が漏れ出ていた。


「まだ事件を起こす時間じゃないから、多分休憩しているんだと思います。猶予はあと2時間です。地球にリルナ様との遠距離合体魔法を使い、人間を滅ぼすという予定…らしいです」


「どうする?家に突撃するしかないと思うけど。無理やり家を壊すわけにもいかないし」


「そうだな。とりあえずインターフォンを押して、話してみるか。美鈴も居るんだし。それと、レフレスは隠れた方が良さそうだな。どこかに隠れるか、ズイレン達の方に行って道案内でもしてくれ。お前にとっても都合が悪いだろう。主人に見つかったら」


「は、はい!わかりました」


そう言うと、レフレスはワープ魔法を使い、ズイレン達の方に行った。


インターフォンを押し、リュヌが出てくるのを待つ。1分ほど待った後、扉が開いた。


「は…はいえっと…誰…ですか?」


とても震えた声で扉を開ける。飴が入っているカゴを持った、薄紫の目と髪をした、美しい女性だった。


「こんにちは。コウです。リュヌさんですね」と言うと「は、はい!そうですそうです…!どうしたんですか?」と目線を逸らしてリュヌは話す。


「貴女とその妹さんが起こそうとしている事件の話なんですが、ある人物と話して欲しいんです。」


「そ…その人って…怖い人じゃないですか?あまりにも明るい人とか、怒鳴るような人じゃなければ大丈夫です…」


コウは(やっぱり相当臆病な人だな、よく事件起こそうと思ったな。それとレフレスさんにも似てる。やっぱり師弟関係だと似るのかな)と思いながら、美鈴を連れてきた。


「輪廻美鈴という人なんですが」とコウが言い、美鈴がリュヌの前に立つと、リュヌは持っていたカゴを落とした。


「す…すみません!わかりました!で、では、上がってください!」とカゴを拾いながら言い、家の中に美鈴を案内した。



ーリュヌの家ー



「…え、えっと…アクアさんですよね…その目、見れば分かります…私が見た中でその目の色は貴女しか知らない…」


それを聞いた瞬間、美鈴は驚いた。美鈴の目は透き通るような青と緑の目。その特徴を持った人物をリュヌは美鈴しか知らなかった。


「あ…えっと…」「…」「そ、それより、何故この事件を…」と言いかけたところで「話を逸らさないで下さい!」とリュヌは遮った。


「あの時からずっと待ってたんですよ!私は確かにあの時から転生した、でも姿は変わっていない!水谷雫として地上や天界で活動していたのは知っていました…いつかまた会いにきてくれると信じていたんです!でも…でも…!400年間ずっと会いにきてくれなかった!」と泣いたあと、「ずっと待ってたんです…アクアさん…」とリュヌは微笑み、涙を流しながら言った。


「…ずっと探してた。会いに行けなかったのは本当に申し訳ないと思ってるわ。リルナも元気?今は妹ってことになってるのね。当時は養子だったのに」


「はい!元気です。私にすごく懐いてて、アクアさんにも会わせたいと思ってたんです!ですが…こんな事件解決で会うことになるとは思ってませんでした…」


「で、なんで事件を起こそうと思ったの?」


「はい…まず、ある人物からの依頼から始まりました。その人物は姿を隠していたので誰かはわかりません。そしてリュヌがそれに賛成していて、精霊は人間が嫌いですからね…そして私も断れなかったんです…」


少し黙った後、リュヌは「逆に、何故アクアさんはそれを止めるんですか?貴女も精霊、人間が嫌いですよね?」と質問をした。「愚かで、物事を学ばず繰り返す。そんな人間が私は嫌いよ。でも、この事件の解決に踏み出そうとした子はすごく健気で、応援したいと思っていた子なの。そしてリュヌ、貴女の弟子からの依頼でもあるのよ」と言うと、「レフレスが…勇気が必要だったでしょうね…教えてくれてありがとうございます。」と返した。


「そうですね、アクアさんに言われたら、断れません。事件を止める為にここまで来たんですよね?私は事件の協力を辞めます。ですが…リュヌ1人でも事件自体は起こせるんですよね、私が居た方が確実性が上がるってだけで…私よりリュヌの方が強いので…」と言うと、「そ…そうなのね…」と美鈴は少し驚いていた。


「あ、それと…今レイトさんとはどんな関係なんですか?会ってからどんな事がありましたか?」とリュヌは美鈴に質問した…それに「ああ、ただの仕事仲間よ」と少しだけ答えたが、その後も質問続きで、解放されたのは20分後だった。


リュヌの家は防音性が0であり、外に居たコウとリラにも聞こえていた。


「ねえリラ、美鈴とリュヌさんって色々あったみたいだけど、知ってたの?」とコウが訊くと「知らなかったな。美鈴の過去話は何も聞いていない」とリラは答える。

「そういえば、リラの過去ってどんな感じだったの?あっちの話が長くなりそうだから暇つぶしに聞きたいんだけど」とコウがリラに質問をする。「お前なぁ…人の過去話を暇つぶしに使うって趣味悪いな…まあいいけどさ。俺は昔な…」とリラは小さい声で話し始める。そして終わった頃にリュヌと美鈴が一緒に家から出てきた。コウは「なんか色々あったんだね、でも、再会できて良かったよ」と言った後、「コウさん…ありがとうございます」と少し嬉しそうに返した。


そのあと、リラの方に近づき、「貴方がレイトさんですよね?アクアさんを幸せにして下さいね、今はアクアさんは女性なんですよね?絶対に泣かせたりしないで下さいねもし不幸な目に合わせたら殺します」とリラの耳元で呟いた。リラは「いやいや、俺と美鈴はそんな関係じゃないんで…」と言うが、「私からしたらそういう関係にしか見えないんですよ。とりあえず幸せにして下さいね」とリュヌは言い放った。


「それじゃあ、リルナを止める為に一緒に精霊界に行きましょう!」とリュヌが言ったあと、美鈴は小型ワープ装置を使い精霊界に行った。


_____________________

人物紹介


アクア

美鈴の400年前の姿。リュヌの愛人であり、リルナの父親。今と昔で性別が違う。


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精霊界にて、ズイレン達は探知機を利用しリルナを探していたが、中々見つからない。なにせこの3人は方向音痴、そして道が迷路のようになっており、魔力が遮断され探知機が使えない為、見つけられないのだ。


レフレスが目の前に現れ、「ああレフレスさん!すみません…まだ見つけられなくて…」とルビーが謝ると、「ああ…まだ見つけられてないんですね…」と呟き、リルナの捜索に協力した。


レフレスの協力もあり、しばらくして迷路を抜けた後、探知機が反応した。

「探知機が反応したぞ!あっちだ!」とノウが走るが、魔力によるシールドが張ってあり先に進めない。ノウが手当たり次第に魔法をぶつけるが、少し魔力が弱まっただけだった。


「まあお前の本領は回復だからな。壊せなくても仕方がない」とルビーが言い放つと、ノウはルビーを睨みながら「はあ!?ふざけんな!」と言い、レッドフューチャーを発動させた。だが今までの無数の光線とは違い、一点に集中した魔力の球を出すという技になっていた。

それがシールドに命中し、シールドが破壊された。


「え…破壊できた…」とノウが驚いていると、「ま、まあそういう作戦だ。お前は怒ると技の火力が増すからな。わざと怒らせて魔力を上げてシールドを破壊させたってわけだ」とルビーは少し驚きつつもドヤ顔をしていた。


そこから少し走った後、探知機が大きく反応を示した。そしてその先には、箒と杖を持った少女が立っていた。「あ、あの子じゃない!?リルナって子!」とズイレンが言うと、その少女は振り向き、「ご明答!アタシが精霊界の女王、リルナ・メルヘンよ!」と胸を張って答えた。


「なんかそんなに強そうに見えないな。」とルビーが言い放つと、魔法弾が飛んできた。ルビーはそれを避けるが、近くに生えていた木を連続で粉砕した。

精霊界の自然は精霊の力によってパワーが増しており、人間界の木や水、火や地に比べるとものすごく硬く、簡単に砕けるものではない。人間界のチェーンソーを使い、精霊界の木を切ろうとすれば、チェーンソーの刃が粉砕される程だ。


「なんか言ったかしら…」とリルナが言うと、ルビーは「いいや、何も言ってないさ…」と両手を挙げせめてもの抵抗したが、唾を飲んだあと、「それより、お前達が起こそうとした事件を止めにきたのさ!覚悟しろ!」とリルナを指差し言い放った。


「ふっ…事件を止めにきた?そんな簡単に言ってもいいのかしら…まあいいわ。生意気な態度も面白いから許してあげる。いいわ!アタシを倒せたら事件を起こさないであげる!」とリルナは杖をルビーの方に向け言い放った。


「そっちのターンで良いわよ、どんな攻撃でも」とリルナはズイレン達を煽る。ルビーは剣を持ち、リルナに斬りかかると、リルナは杖でその攻撃に応戦した。互角どころか、リルナが勝っている。ルビーは一歩引いてからルビーレインを打つが、リルナはそれを光線で打ち返した。ルビーにそれが当たり、木に押し込まれ直撃した。「この程度、技名をつけるまでもないわ」と、リルナは手で杖をトントンとしながら済ました顔で言っていた。


ズイレンは「ルビー!大丈夫!?」とルビーの方に駆け寄る。ズイレンの手を借り、ルビーは立ち上がる。「流石に強いな…それにまだあの技も完成していない」と言うが、ズイレンは「ここで完成させれば良いだけだよ。きっとできるよ!」とルビーを励ます。


ノウはさっきの、球型のレッドフューチャーを打つが、リルナはそれを避ける。「避けられた!?」と驚くが、「次はアタシのターンね!そこまで強くなかったし、これでこれで終わらせるわ!」と言い、リルナは杖を回し始めた。「エクスプロージョン」と言い、爆発を起こした。範囲は狭く、ズイレンとルビーには届かなかったが、ノウは避けきれずに直撃した。ノウは吹き飛ばされ、その場に倒れた。服が少し破れており、火傷傷が目立つ。ズイレンとルビーはノウの方に走り、大丈夫かと声をかけるが、「すまん…足が動かないんだ」と言う。


そこを狙ってリルナは「ウィンドブレイド」を発動する。風の音がしたあと、無数の透明な刃が放たれた。ズイレンは咄嗟に剣を使って跳ね返すが、腕に掠って血を流してしまう。少し痛がり、ルビーに心配されるが「大丈夫…!これくらい」と返す。


「ズイレン、紅《べに》虹(こう)ノ来光でこの勝負は決まると言っても過言ではない。絶対に成功させよう」


「うん。わかった」


そう言ったところに、リルナは「ウォーターウェイト」と言い、水の重りを召喚した。直径10mの重りだ。魔力が加わっている為、実際の水よりも重さがある。ズイレンとルビーはそれを避けたが、その一瞬の素早い動きでズイレンは体力を消耗してしまった。


ズイレンは汗をかきながら吐息混じりに「どうする?いつ打てるかわからないけど…」とルビーに語りかける。ルビーは「今やるしかない!行くぞ!」と言う。ズイレンもルビーに付いていき、紅《べに》虹(こう)ノ来光を打つ。


だがそれは緑と青の力の加減が上手くいかずに失敗してしまい、2人はリルナの魔法の弾幕を受け、その場に倒れてしまう。リルナは「ああ、避けれる隙は作ってあげたのに」と杖を回しながら呟いた。その杖回しは単なる遊びではなく魔力を溜める為であり、次の瞬間「ランドディストラクション」を発動させた。この技は地を割るのと同時に対象の範囲内に居る人物の脳に強い衝撃を起こす技であり、直感でマズいと感じたズイレンはルビーの「待て!お前まで巻き込まれる!」という叫びを無視し、範囲内に居たノウを救出しようとしたが、自分も引っ掛かり脳に衝撃が走ってしまう。


これにより技の成功率はかなり下がってしまった。だが、脳に衝撃が走りながらもノウを範囲内から出した。ノウはボロボロながらも、ズイレンの体に手を当て、自分の体力を全て使い果たした回復をした。「俺のせいでごめんな…ずっと技特訓してたんだろ?早く決めてあの調子に乗った魔法使いを倒してやれ」と言い、その場に倒れた。


今のズイレンは通常よりも体の調子が良くなっており、魔力の調整も上手くできるようになっていた。

「ノウ…わかった。絶対に決める!!」とズイレンは気合いを入れ、色の調整を始める。「ノウの思いも無駄にできないからな!」とルビーも全力で紅の力を出す。


「これで終わりだ!!!」と言い、2人は「紅(べに)虹(こう)ノ来光」の発動に成功した。


リルナは紅を基調とした虹色の光線を前に「こんな光線、跳ね返して…」と光線を打つが、「ちょっと!強すぎるんだけど!」と戸惑っていた。そしてそのまま紅(べに)虹(こう)ノ来光が押し切り、リルナを撃破した。


_________________________


美鈴達がズイレン達の居る場所に着いた。リルナは太い木にもたれかかって寝ており、その体は火傷跡と血液が目立っていた。

美鈴は(リルナ…やっぱりあの時から変わっていない)と思いながら、リルナを見つめていた。


リルナが目覚めた。一番最初に目に飛び込んで来たのは美鈴の顔だった。リルナは一瞬で目が覚め、美鈴に言い放った。「アクア…アクアじゃない!!今までお姉ちゃんとアタシを放置してなにしてたの!?」と。今までになかった強い言い方で、リュヌも驚いていた。


「ごめんなさい。私は…貴女達2人なら、私が居なくても生きていけると思った。私が居たから、リルナやリュヌが死んだ。だから私は…貴女達2人にとって不必要な存在だと思って、身を引いたわ」と美鈴は言った。それを聞いたリルナは立ち上がり、美鈴の胸ぐらを掴み、力を入れた拳で美鈴の頬を殴った。だがその威力は、とてもではないがお世辞にも痛いとは言えなかった。


「なんで…そんなわけ無いじゃない!!アタシもお姉ちゃんも、アクアの帰りを待っていたに決まってるでしょ!?」と泣きながら訴えるリルナに奥から歩いてきたリラは「美鈴を離して一旦落ち着け。何があったんだ」と語りかけた。リルナは美鈴を離し、泣きながら過去のことを語った。


「アタシは本当はお姉ちゃんとは血が繋がってないの。養子として引き取られた存在だから。」

「アタシとお姉ちゃん、そしてアクアは3人で平穏に暮らしてた。でもアクアはある魔物に襲われた。それをアタシとお姉ちゃんの2人で魔法を使って守った。でもそれを見た村の人はアタシ達を魔女だと言って通報した。そしてアタシとお姉ちゃんは処刑されたの。その後に転生して今になるわ。」

「アタシにとってアクアは大切なお父さんなの!今は女になってるけど、当時は男だった。多分アタシ達と一緒で転生したんだと思う。アクアは何も悪くない!守ろうとしたのもアタシ達の自由!なのに…なのに勝手に責任を感じて会いに来なかった!おかしい!おかしいんだよぉ!!」


リルナはまた泣き出したが、美鈴はリルナを抱きしめ「ごめん…!ごめん…!」と泣きながら謝った。


その後、リルナは泣き疲れて寝てしまった。魔法で作った三日月型ベッドにリルナを寝かせたリュヌは「400年経っても当時のままですね。改めて実感しました。それより皆さん、事件を止めてくださりありがとうございました。ちょっと待っていてください」とリュヌは瞬間移動魔法を使い家に帰ってしまったが、数分後、戻ってきて大量の金貨をズイレンたちに差し出した。


「いやいや!!こんなに受け取れないです!!それにレフレスさんからもう報酬は先払いで貰ってますから!」とズイレンは言うが、「いいや!受け取ってください!山分けするなら少ないくらいです!私が貧乏だから…」とリュヌは言う。


「でもズイレン、せっかく貰えって言ってるんだからさ、貰うべきじゃない?」とコウが言う。ノウやルビーも「貰ってしまえ!」と後ろから言っている。

美鈴は「私たちはいいから、デバッグの皆の報酬と思って受け取りなさい。それが相手に対しての礼儀ってものよ、ズイレン。後で私もリュヌに払うから」と美鈴が言うと、ズイレンは「え〜もう、皆が言うなら…」とその金貨を受け取った。


リュヌは「ありがとうございます!それとアクアさんは払わなくて大丈夫です。でもその代わりなんですが…」「わ、私とデートして欲しいです…」と少し照れながら小さい声で言った。


その後、空から光っている球体の物体が降りてきたのをズイレンは確認した。


「これは…宝玉…」


ズイレンは宝玉を手に取ると、その青き綺麗さに少し見惚れていた。


ルビーが「やったな!ついに宝玉をゲットだ!この調子であと4個集めようぜ!」と言うと、ズイレンは、うん!とルビーとグータッチをした。


後日、ヘルト達デバッグ組は大量の金貨をどうするかの相談会をしたのと、リュヌと美鈴は地上の遊園地デートに行ったらしい。リラはお留守番である。


___________________


「なあ、説明してくれないか」


ここはリラの家、美鈴とリグアが同居している。リグアの就寝中、リビングにその声が響いた。


「お前が本当は水の精霊というのは知っている。だがリュヌさんとの関係については聞いていないぞ。それに昔、男だったことも」


「ああ…それは…わかった。全部話すわ」

「私は昔…大体400年前くらいね、神様から命を授かったわ。輪廻美鈴として。それから私は転生という能力を授かったわ。その能力はいついかなる時でも、人生をやり直せるもの、普通は転生したらどんなに特徴が被ってても見破れないのよ。自然と催眠がかかるから、リュヌは見破ったけどね。あの人は本当に凄いわ。」

「そして、その一周目の人生がリルナが話してたものになるわ。私を庇って魔女と疑われ死んだ。私は最低よ。それで逃げるなんて」


美鈴は全てを話した。それは全て本当で、嘘偽りのないものだった。


「ねえリラ、貴方の過去はどんなものなの?」


美鈴はリラに問いを下した。リラはハッとし


「俺は…ただの人間だ。美鈴と会った時のこと、それが全てだ。人間に精霊界に捨てられ、1人で生きてきた。そしてお前と偶然会って、一緒に企業し、今に至…」「嘘よ」


リラの声を遮った…その後に美鈴はその根拠を語る


「ノウちゃんが貴方に回復を施した時、効いてなかったじゃない。ノウちゃんの回復は生命にしか効かないものだって本人から聞いているわ。貴方は人間じゃない、生命でもない、じゃあなんなの?もしかして貴方は…」「黙れ!!」


リラが声を荒げて遮った。「…すまん。少し言い過ぎてしまった。だが、俺の過去は話せない。話したらきっとお前は俺に失望するだろう」「俺はもう寝る。お前ももう寝ろ、深夜2時だ。明日に支障が出る」リラは少し悲しげな表情で言った。


「…わかった。私も少し深掘りし過ぎたわ。でもこれだけは言わせて」

「私は、どんな過去が貴方にあろうと失望なんてしないわ。それだけは本当よ」


リラは「そうか。それは嬉しいが、どうも信じられないんだ。ごめんな」と言い残し、部屋に戻って行った。

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