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【完結】異世界への招待状 おじさんはそれなりにがんばる  作者: りのぺろ
第八章 四大都市ザイリアの街

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第68話 氷の精霊とお護り

俺は街の観光は二の次とし、異様な雰囲気を放つ魔導都市ザイリアの冒険者ギルドで情報を集めた。そして街の中枢である水晶の塔の裏手から、地下へと続く隠し通路を発見した。

地下へと一歩足を踏み入れた瞬間、地上の管理された快適な温度が嘘のような、芯まで凍りつくような静寂と極寒が襲いかかる。街中では一度人型に戻ってもらっていたプリンだったが、この異常な寒さには耐えかねて、再びスライム形態の『断熱・発熱モード』になってもらい、俺の体にまとわりつかせていた。


あるじ、この先……空気の澱みが一段と強くなっておる。機械の油の臭いと、何か悍ましいモノの気配じゃのぅ」


獣人化して白い耳をピクリと動かしたヴァイスが、低い声で警告を発する。


「あるじぃ、ここ、地上の吹雪のときよりすっごく冷え冷えなのぉ~♪ ぷるぷるぷる☆」


「ああ、プリンの発熱モードのおかげで助かってるけど、この地下の寒さはちょっと異質だな。魔力がそのまま凍りついているみたいだ」


俺は、スキル『夜目』と『気配察知』を極限まで広げながら、一歩一歩慎重に進んでいた。 するとその時、前方の氷柱の影から、ピキピキと空間が凍りつくような音が響く。


『……だれ……? つめたい、お腹すいた……。ザイリアの地下、おじさんたちのせいで、なにも食べるものがないの……』


現れたのは、全身が透き通るような淡いクリスタルブルーに輝く、手のひらサイズの小さな女の子——『氷の精霊さん』だった。しかし、その表情は完全にエネルギー切れといった様子で、今にも消えてしまいそうに儚い。

「精霊……! しかもしゃべってる!? ってことは、やっぱり地下に何かあるんだな? 地下の不気味な心臓について、何か知ってるか?」


俺の問いかけに、氷の精霊さんは力なくうなずく。


『うん……地下のいちばん深いところに、すっごくおっきくて不気味な心臓(装置)があるの……。黒いおじさんが、それを変なトゲトゲ(触手)でいじめてて、まわりには生きてるのか死んでるのかわからない、いっぱいのお人形(改造人間)がいて……精霊たちのチカラも、ぜんぶ吸い取られちゃう……。もう、うごけないの……』


そこまで言うと、氷の精霊さんはその場にペタンと座り込んでしまった。このままだと消滅しかねない。


「……よし、ここは俺の『無限異世界ボックス』の出番だな」


俺はアイテム袋から、地球のコンビニで買い溜めしておいた「とっておき」を取り出した。


「ほら、これ食べて元気出しな。冷たいのがいいなら『冷え冷え高級バニラアイス』、それとも体が温まる『特製おしるこ缶』、どっちがいい?」


目の前に差し出された、地球産の魅惑のスイーツ。その瞬間、氷の精霊さんの瞳がキラーンと跳ね上がった。


『……っ!? なにこれ、すっごくあまくて良いにおいがする……! 氷の精霊だもん、アイスもいいけど、この、あたたかくて甘いお豆のスープ(おしるこ)がほしいっ!!』


完全に胃袋を掴まれた精霊さんは、差し出されたおしるこ缶に飛びついた。小さな手で缶を抱え、ハフハフと言いながら信じられない勢いで飲み干していく。


『んん〜〜っ! おいしいぃぃ〜〜っ! ぉ〜♪ ぽかぽかするぅ☆』


「ん~? あの子、プリンの喋り方のマネしてるぅ~? まぎらわしいなのぉ~♪」


プリンが頬を膨らませて抗争意識を燃やしているが、おしるこパワーは絶大だった。氷の精霊さんの体が、一気に眩い輝きを取り戻していく。


『ぷはぁ! ごちそうさまでした! お兄さん、すっごく良い人! お礼にこれあげる!』


そう言って、彼女が小さな両手で差し出してきたのは、凍てつく氷の魔力が凝縮された、美しく輝く結晶のブローチだった。


【アイテム:氷の精霊のお護り】を取得しました。


「おお、これが最後のお護り……!」


俺がそれを手に取った、その瞬間だった。 俺の懐から、これまで集めてきた【風の精霊のお護り】【砂の精霊のお護り】【炎の精霊のお護り】が、ひとりでに飛び出したのだ。

4つの結晶が空中へと浮かび上がり、互いに共鳴するように激しい光を放ち始める。 緑、黄、赤、そして青。4色の魔力の奔流が渦を巻き、一つに溶け合っていく。地下の寒気が一瞬で吹き飛び、空間そのものが祝福するかのように鳴動した。


キィィィィィン——!!


凄まじい光の破裂と共に、俺の手元に吸い込まれるように落ちてきたのは、まばゆい七色の光彩を放つ、究極のオーブだった。


【条件達成:全てのお護りが合体し、究極の『精霊のお護り』へと進化しました】 【システム報酬:全ステータス能力値に +20 の永久補正が適用されます】


「な、なんだこの溢れるチカラは……!?」


体の中から、今までにない圧倒的なエネルギーが突き抜けていくのを感じた。 思わず、頭の中で自分の『鑑定』ステータスを開く。


名前:村木京介ムクノキ

職業:Aランク冒険者【暗殺者を極めしテイマー】

称号:暗殺者を極めし者(能力微上昇補正)

装備:精霊のお護り(NEW!)、投げナイフ(0本)

LV:39

HP:243 ⇒ 263 MP:141 ⇒ 161

ATK:223 ⇒ 243 DEF:112 ⇒ 132 MAG:96 ⇒ 116 SPD:138 ⇒ 158


スキル一覧 鑑定、アイテム袋、夜目、不眠不休、テイマー、火魔法、オートマップ、無限異世界ボックス、能力3倍強化、暗殺者(隠密、気配遮断、気配察知、痛覚遮断、鷹の目、状態異常無効、超再生、転移:消費MP30)、剣術、体術、盾術、影移動、マップ共有、風遮断


「全能力がベースからプラス20……! これに『能力3倍強化』を掛け算したら、とんでもないことになるぞ……」


自分の引き締まった拳を見つめ、俺は不敵に笑った。これなら、どんな改造人間が相手だろうと影から一瞬で仕留められる。


「主、準備は整ったようじゃな。お主の影の中にいる子フェンリル達(13匹)も、いつでも飛び出せるようウズウズしておるぞ」


ヴァイスが鋭い牙を覗かせ、プリンもまた「ふんす!」と気合を入れる。


「よし、氷の精霊さん、案内ありがとう。ここからは俺たちの仕事だ。世界のシステムを弄んでるクソ野郎のハッキング、俺たちの『暗殺者』と『テイマー』の力で、根本からバグ修正デバッグしてやる!」


俺たちは、精霊のお護りの光を灯しながら、ザイリアの暗き地下深層、最終決戦の舞台へと足を踏み入れた。

ちなみに子フェンリル達は一時こちらに集合してもらった。

ヴァイスが通達してたようだぞ。つまり子フェンリル全員が今影の中に大集合しているという事だな。たまに数が少ないと思ってたら影移動で村に戻ってたりしてたみたいだぞ。

記憶がなさすぎて筆が進まないw


進まないけども、第1話と2話のテンポや表現を、ちょっと分かりやすくリライトしてみました!

もしよかったら、京介おじさんの始まりの物語をもう一度覗いてみてください。

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