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新たなる世界を君と共に  作者: 園崎茶々
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第三十八話 VSドラゴン

「にげ、に、に」

「行くぞ馬鹿ども!」


腰が抜けたのか、みっともなく地面に落ちた腰が震えて上がらない。その腰から伝導するように全身がガタガタと震え、絞り出した声も言葉にならなかった。しかしディアークは立ち上がり、俺とセシルの首根っこを掴んで後ろに飛び退いた。


「きゃっ!」

「うおっ!」


しかし相手は此方に突進してくる。それを何度もディアークは俺たちを引っさげたまま避けているが、それも時間の問題だ。着々とグリーンドラゴンに距離を縮められ、ついに牙がディアークの足元を掠める。


「うわーーーまずいまずい!!!!二人とも!手ェ離すからちゃんと着地して向かっていけよ!」


ディアークがそう言えば、木の枝に飛び移りながら辺りを見渡している。少しでも開いている場所を探しているらしいのがわかるが……


「うそうそうそ!!!!!」

「むりむりむり!!!!!」


正直ほっぽり出されてもどうしたらいいか分からない。俺とセシルは叫んで拒否するが、空き地の直前まで来ればディアークの瞳がこちらを向く。


「無理じゃねえ!やれ!」


そう言われた途端、無慈悲にもディアークは俺とセシルから手を離した。


「きゃあああああ!!!!」

「うわあああああ!!!!」


ゴロゴロと地面を転がるも、なんとか起き上がって剣を抜く。セシルは受身が取れなかったのか頭から草むらに突っ込んでしまったようだ。ディアークは槍を振りかざし、勇敢にもグリーンドラゴンへと向かっていく。ザクりと額を突き刺し、血飛沫が舞う。


「今だ、首狙え!」


ディアークが突き刺さった槍をぐりぐりと押し付ければ、グリーンドラゴンは痛みに悶えその場でバタバタと暴れ出す。セシルは草むらから急いで起き上がり、鞄から本を取り出すと急いでページを捲り、目を走らせている。


「え、援護魔法を……えと、えと。あーーっと……」

「まずいまずい!この!」


俺も剣を構え直し、暴れているグリーンドラゴンに向かって走り出す。


「レ、レスト!」

「うおおおおおお!」


セシルが呪文を唱えれば、グリーンドラゴンは突如として現れた光の輪拘束される。俺はそのまま、グリーンドラゴンの首に向かって剣を振るう。ざっくりと首の端が切れ、血が吹き出していく。


「ぐ、ガア!」


グリーンドラゴンが更に暴れ出す。かなり効いているようだ。


「お、これはいけ……」


いける。そう思って剣を握る手に力が入る。しかし


「グアァァアアアアッ!!!!」


突然の巨大な咆哮。全員がそれに吹き飛ばされ、次はセシルだけでなく諸共草むらに頭から突っ込んだ。そこを狙ってか、グリーンドラゴンが頭を叩きつけてきた。その勢いに、また全員吹っ飛んでいく。まずい。これはダメだ。

俺は吹き飛ばされながら、同じく吹っ飛ぶセシルとディアークを見ながら叫んだ。


「戦略的撤退ーーーー!!!!!!」



______________



「はぁ……はぁ……」

「し、死ぬかと思った……」

「お前、もっと踏み込まないと」


なんとかグリーンドラゴンから逃げ、離れた草むらで腰を落ち着ける。ぜぇはぁと荒い息を整えていれば、ディアークがやれやれと俺の肩を叩いて突っかかってきた。


「うるせー!てかだったらお前がやれよ!」

「俺剣嫌いだもーん」


余計なこと言いやがって。わかってるっての。しかもやれと言えば嫌いだと言い放つ。イラついた俺はディアークの方に掴みかかる。


「何をー!!!!」

「あぁー????」


それに対しディアークも掴みかかってきて、取っ組み合いだ!となったところでセシルに本で頭を叩かれる。


「ちょっと、騒がしい!逃げてきたのに見つかったらどうするの!?」


ぷりぷりと怒るセシルは口元で人差し指を立て、静かに、と合図している。


「う……まぁそうか」

「けっ。で、あれどうするんだよ」


セシルの言う通りだ。ディアークから手を離し、その場に座り込む。ディアークも同じく座り、両手を頭の後ろに回している。


「うーん……さっきのでちょっとはダメージ入ったっぽいから、もうちょい?」

「かなぁ。でも俺じゃあのふっとい首切れないよ?」

「弱くね?お前勇者だろ」


体力ゲージが見えれば楽なんだろうぁと思っていればまたディアークに喧嘩をふっかけられる。実際切れないのだからどうしようもないし、俺が弱いせいなのだが、それはそれとして言っていいことと悪いことがあるだろう。こいつめ。


「あぁ?ナメクジ全裸に言われたくないんだけど!?」

「なんだ?やんのか?」


俺とディアークの間にバチバチと閃光が飛ぶ。睨み合っていれば、セシルが呆れたように声を漏らした。


「ちょっと、喧嘩しないでよ」

「「だってこいつが!」」


互いに指をさしあい、またもや取っ組み合い直前にまで至る。こいつ一回ぶっ飛ばさないとわからないだろ。指されている指に手をかければ、ディアークも同じようにしてくる。セシルが止めようとしてくるがお構いなしだ。


「あれ?人間、こんなところでなにしてんの?」


「え?」

「ん?」

「お?」


聞きなれない声が突然前から聞こえてくる。驚いて全員で其方を向けば、全身黒ずくめの誰かが立って此方を見ていた。

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