Interlud2
雪羽の細腕には幾つか赤い筋が走っている
それでも、赤嶺は鞭を奮った
「なぁ、あと何回だっけか?」
「よん…じゅう…に……かい……です」
雪羽は掠れた声で回数を口にした途端赤嶺はまた、夢中で鞭を振るう
一撃ごとに赤筋が増え、痛覚が研ぎ澄まされる
だが、この前のリョウに比べれば大したことはない
これくらい耐えれる
だけど、痛いから昔のことを少しだけ思い出そう
雪羽が子供の頃苛められたことがあった
当時から勇者であったため、そんな連中とっちめることなど赤子の手をひねるがごとくであるが、それをやると規約違反で大人に怒られるからただ、耐えるだけでいい
耐えるだけで───
「君たちは恥ずかしくないのかな」
教室の端で苛められていた雪羽だが、いつも前の少年にはイライラしていた
──なんで、助へんのや!
いや、普通女の子虐められてたら助けるだろう
現にクラスの善良なる男子は助けてくれたりするのだ
だが、目の前の少年は本を読みながらそう言ったのだ
「ねぇ?多勢に無勢で君たちは恥ずかしくない?…って聞いてるんだけど」
そして、ついに連中のひとりがその男子の肩に掴みかかったがその手を払って読書を続けていた
耐えきれなくなったそいつは罵声を浴びせながらその男子につかみかかった時には先生が来てそいつは滅茶苦茶怒られていた
あと、姉さんにこてんぱんにされたんだっけか
懐かしいな
「…リョウ」
鞭打ちの最中遂にポツリと呟いた
「彼氏の名前かよ!」
一発顔面に入ってしまい、唇が切れた
そして、次の一撃が入る前に分厚い鉄の扉が音を立て、破壊された
「呼んだ?」
そこに、リョウがいた




