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屋上少女  作者: 悠(はるか)
第五章「絆創膏で直せない傷の理由」
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6.平常?

 僕は進路選択を間違えたようだ、と気づいてしまったのは鹿波に入ってから三年もたった今日だった。パソコンを弄りながら僕は意味の分からない文字の羅列に悪戦苦闘をしていた。

「情報じゃなかったら、僕は何処に行くあてがあるのだろうか」

 環境科あたりは、まだパソコンとかを弄らなくてよさそうだな。

 人差し指打法をいまだに卒業できないまま、教科書とパソコンの画面とキーボードに視線を回しながらなれない作業をこなす。少しはこういう作業になれるようになりたいものだ。

 一通りの作業が終わり、僕はちょっと休憩に入る。ブラウザを立ち上げると「Toyou」と見慣れたロゴマークが特徴のサイトが開く。サイトの名前の由来は"to"は「近くの」という意味を"today"や"to night"に転じて「今日の」という意味に捉え"you"は紛れもなく「貴方」なので「今日の貴方」という意味の分からないものらしい。後"to"には一応「~へ」みたいな理由もあるので「貴方へ」みたいな意味も含んでるらしい。これから分かるとおり、このポータルサイトの作成元は日本である。

 「news」の欄を軽くチェックする。あまりテレビは見ないほうなので、こういうときがない限り最近の情勢など僕には到底付いていけない。パソコンを開くタイミングでいつも確認している。そこには気になる情報があった。

「鷲が純利益予想3%上方修正」

 会社の名前が「鷲」ということだろうか。身近な人物でよく似たというかまったく同じ苗字を持つ人を僕は知っているのですぐにピンときた。

「なんかよく分からん運命を感じるな」

 たまたま開いたPCでたまたま出会ったひとつの記事。

 細部は基本的に普通の経済欄と変わらない内容だった。僕は聞いたことのない会社名だったが、意外にも他部門に広がる昔からの企業で、最近でもなだらかでもあるが右肩上がりの企業らしい。

「にしてもあいつと同じ名前か。珍しいと思ってたけど、あの苗字はそんなに珍しくないのかな」

 僕はただ単にそう思いながらパソコンを閉じる。そのときたまたま携帯がなった。

「今から國定君の家行っていい? 小春先輩も一緒だからさ」

 とメールが来た。三分ぐらい考え、僕は了承の返事をした。

 約五分。僕はリビングで待っているとピンポーンと乾いたインターホンが鳴り響いた。

「今日も料理教室か」

 彼女は飛びっきりの笑顔で「もちろん」と答えた。小春も多少笑っている。……何か裏でもあるのだろうか。そう思ったらまた物影から一人。

「……なぁ、この料理教室開催されるたびに人が増えてるよな」

 そこにはいつかの御坂先輩がいた。

「いやぁ、たまたまそこであって何してるのか聞いて、ちょっと楽しそうだから」

「何でこうもこういうことは他人に知れ渡るんだよ」

 といいながら鷲を見つめる。

「いや……面目ないです」

「御坂先輩は料理得意なんですか?」

「え、いや……アハハ」

 目をそらしながら彼女ははぶらかす。

「先輩に料理作らせたら、家がたぶん爆発します」

 異次元的な料理を作るということは理解した。僕の理解の範疇を超えることも理解した。

「まぁ、今回も平常運転でやっていきたいね」

「國定君が変なことしなければいいんだよ!」

 鷲と小春が前回の傷を段々と広げにかかっている。

「え、國定君……手出したりとかしちゃったの?」

「帰ってくれないかな?」

 僕は心の底から思った。

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