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異世界雑草食堂 〜誰も食べないものを、俺は喰う〜  作者: レモンティー


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10/11

終章:裏方の席

◆ 王都・雑草供給局

「次の承認は?」

「もう通ってる」

「誰が?」

「……現場判断だ」

官僚は書類を見ながら肩をすくめる。

「またか」

でも誰も止めない。

止める理由がない。


◆ 名前のない日常

配給所。

列は整っている。

記録もある。

だが――

その中央にいたはずの“発案者”の名前は、どこにもない。

誰も探さない。

必要がないからだ。


◆ ミアの現在

「次、ここね!」

ミアは地図を広げる。

もう少女ではない。

現場を回す側になっていた。

「この区画、昨日少なかったから優先ね」

周りは自然に従う。

彼女は“仕組みの一部”として動いている。


◆ リナの位置

「全部うまく回ってるわよ」

リナは帳簿を閉じる。

「逆に怖いくらい」

「何が」

「誰も“中心”を気にしてない」

「それが正常だろ」

「ええ。正常すぎるのが問題なの」


◆ 裏方の席

その日。

王都の片隅。

小さな作業場。

誰も注目しない場所。

そこに俺はいる。

鍋の前。

草を選別しているだけ。


◆ 誰も気づかない不在

「最近、あの人見ないね」

「そういえば」

「まあ、どこかでやってるだろ」

それだけ。

会話は終わる。


◆ 主人公の現在

「なあ」

ミアがたまに来る。

「まだやってるの?」

「やってるよ」

「ずっと?」

「まあな」

それだけの会話。


◆ 役割の変化

かつて:

・発案者

・中心人物

・責任者

今:

・現場の一人

・調整の補助

・名前のない役割


◆ 世界の状態

雑草供給網は安定している。

拡張もされている。

争いは減った。

飢えは縮んだ。

そして――

誰もそれを“誰かの功績”とは呼ばない。


◆ リナの最後の言葉

「ねえ」

「結局さ」

「あなた、どこ行ったの?」

俺は笑う。

「ここにいるだろ」

「それが問題なのよ」


◆ ミアの理解

「でもさ」

「いないと困るよね」

リナは少し間を置いて答える。

「いるのよ」

「でも“見えない形”でね」


◆ 最後の仕事

その日も鍋をかき混ぜる。

草を干す。

仕分ける。

誰も見ていない。

でも誰かの明日の食事になる。

それだけで十分だった。


◆ 世界の扱い

・英雄 → いない

・中心 → いない

・名前 → ない

それでも回る。


◆ エンディング

夕方。

配給所の明かり。

列の向こうでミアが手を振る。

リナが帳簿を閉じる。

誰かが笑っている。

その全部の外側で――

俺はただ、鍋の火を見ている。


◆ 最後の一文

「世界は、誰かが回している」

「でも、その誰かは、もう必要とされないくらいでちょうどいい」

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