エピローグ
■ エピローグ:リナ視点スピンオフ
「私はあの人を理解していたと思っていた」
リナは記録帳を閉じる。
「でも違った」
彼はただ“草を食べる人”じゃなかった。
「世界の意味を、組み替える人だった」
薬師としての知識は役に立った。
だがそれ以上に重要だったのは――
「“これは薬か、食料か”という境界線が消えたこと」
リナは静かに笑う。
「結局、全部ただの“資源”だったのね」
そして、ペンを走らせる。
【食料学:第1章 雑草革命】
「未来の人たちが困らないように」
彼女は、記録者になった。
■ エピローグ:ミア成長編
「ねえ、今日も来たよ!」
小さな声が響く。
かつての看板娘は、今――
配給所の責任者になっていた。
「ここはね、子供優先なんだよ」
昔のような怯えはない。
目の前の人間を見て、判断できる。
「お腹すいてる人、手上げて」
列ができる。
それを、彼女は一人でさばかない。
「みんなでやるの」
彼女の周りには、人がいる。
かつて救われた側が、今は支える側だ。
「私ね」
ミアは呟く。
「“食べられる世界”って、こういうことだと思う」
■ エピローグ:雑草神話
やがて、その物語は語られるようになる。
「昔な、草を食べる男がいてな」
「それが世界を変えたんだと」
「バカな話だろ?」
だが、子供はこう聞く。
「その草、今もあるの?」
大人は笑う。
「あるさ。どこにでもな」
風が吹く。
草が揺れる。
それはもう“雑草”ではなかった。
誰もが知っている。
誰もが使える。
誰もが当たり前に食べるもの。
そして、誰も気づかない。
かつてそれが――
“世界を変えた原料”だったことに。
■ 最後の一文
「飢えは消えたのではない」
「ただ、“選択肢になった”だけだ」




