第105話 festival:66ファズラファールから/ 第01話《××××××》偏 みんなの在り方・選択・邂逅・他者の在り方ⅰ
第105話 festival:66ファズラファールから
崇幸達主導の元で名すら消え逝こうとする国への救援に向かっている中、グローリー宅で朝食を終えこちらも手伝いに行こうと準備を始めていたカーテス達にファズラファールが声を掛けた。
「先に言うべき事がある、数外個体魔王のメンルェト殿と話しがしたい」
「分かった、お父さん。メンルェトの所に行こう」
「頼む」
「ぼ、僕も…」
グローリーは頷く、やっと会えた父親と離れ難い兄のチコもファズラファールの手を握りカーテス達に声を掛け《ウワムス国》へと向かった。
「私に用とは?」
「じーじ」
「だっこー」
「じー」
「ここにも孫がたくさんいる…みんな可愛いな…」
グローリーの転移でやって来た図書館の裏庭、キッフやアコミア、エスティア達はすでに手伝いに向かってはいるが、メンルェト、ヒスンスと魔人の子供達がいてファズラファールの顔が綻ぶ。
メンルェトはその様子を眺めつつ、自分に用があるのでは?と思いながら仕事を片付けていく、オジガトも救援に向かい留守番として政務をヒスンスと片付けて行く。
「そうだ、貴方に言っておかねばならない事がある」
「はい」
「私は《テレンシオ統一帝国》という大陸1つをまとめ上げた国からこの大陸へ長距離転移を行った。そこにグステナ殿、ドゥ殿、犬殿、チキ殿が現在いる、ダンジョンから飛ばされたのだろう?皆元気にしている、私が眠っている場所でよくメルフェゴール様達と話しをしていたからな、伝えられて良かった」
「なんですって」
「そうなの?」
「随分遠い場所へ転移してしまいましたね、グステナ様」
ファズラファールは孫達から目を話しメンルェトに視線を向けてグステナ達の現状を伝え、メンルェトがぴくりと面を上げた。
グローリーもヒスンスもダンジョンで行方不明になっていたグステナ達の所在が分かりほっとする、急ぎ弟のイーノキィとオジガトにもヒスンスがラインし、メンルェトもほっとした表情を浮かべた。
「いつも貴方やこの国を思っている様子だった、私が此処に来る前に必ず伝えると誓ったから伝える事が出来て良かった」
「ありがとうございます」
「《テレンシオ統一帝国》にはおそらく貴方の両親もいる、フゥ…あの時いた4千年前の魔人フラウカント・ニトラ殿の子であり皇帝のミロスラー殿もいらっしゃる。そして…私の伴侶の父…《聖者の魔人》メルフェゴール・ジュピトナー様も」
「おじいちゃん……」
「そうですか、両親とやらの事は別として……その国には1度行くべきでしょうね」
「ですが《テレンシオ統一帝国》はここからかなり遠いですね、空を行く船がありますから行く事は出来そうですね」
ファズラファールにメンルェトは礼を言い、自分の両親らしき存在もと言われメンルェトは平静を予想が内心困惑していた。
グローリーにとっての祖父も、魔人フゥの実子までいるとなれば行かない訳には行かないだろう、ヒスンスがそう簡単に行ける場所では無いと言いつつ現状、グローリーの魔人の子供達がいる外神がいた大陸へ向けての航行は進んでいるのだいつかは行くだろうとは思うが大分先になるだろう。
「いつか、行きます。あちらも気長に待っているでしょう、報告ありがとうございます。感謝します」
「ああ、伝えられて良かった」
グステナの現在地が分れば後は会いに行くだけだ、いつか《アタラクシア》の果ての果てでも必ず再会を果たそうとメンルェトは心に決めた……。
第01話《××××××》偏 みんなの在り方・選択・邂逅・他者の在り方
「うわ、こりゃまた見渡す限りの森、ジャングルだな」
「あのすごい大きな穴に向かって水が流れていますね、滝なのかな」
「ゲームぽい」
「生命反応が極端に少ない」
「はい、植物とわずかな生物しかいません。この規模の森に反して生物の数が少なすぎますね……神はいるんでしょうか」
《異空鳥》の窓から見下ろす大地には隙間なく木々が生い茂り、森というよりは密林のような雰囲気の世界だった。
蒼夜が興味津々に眺め、見物に来た櫂浬は森の中心部に空いた巨大な穴と其処に向かって落ちて行く水を見つめ、懐記はゲームとかに出て来そうな森に見たままの感想を告げ、佳月は生命反応の薄さと森の密度が合っていないと観察し、外神もこの世界に神はいるのかと疑問を抱く。
「ま、降りて探検すれば分かるだろ。面白そうだぞ木とか持って帰る」
「そうだねーどこで降りる?」
「………下に停める場所は無さそうなので、転移で降ります。先に僕が見て来ます。みなさんはここに…」
「俺も行く。ん、あの辺何かある」
「はいはい、俺も俺も」
「行くわ」
密集した森に《異空鳥》を降ろせる場所は無さそうなので転移で降りると決め、佳月が気になるところを指す、全員頷き先ずは外神達で其処へ向かう事に決めた。
「次から次へと……」
「ふむ、この世界が不完全過ぎる理由はこれか。それに空間のねじれ方も歪じゃ」
「ききき」『これでは会話も成立しない、そしておかしな点がいくつもある』
「もう我々は手一杯ですよ」
「どうするなのです?」
「とりあえず……あやす」
神々が外神達が着いた世界の《神の庭》とも繋がり挨拶をと……だが、相手はそれ所では無く全員またかと頭を悩ませる。
「双子神…その上赤ん坊か……」
白い空間の中巨大な地球儀のようなほぼ緑の球体が回る空間にいたのは泣いている双子の赤子、神々は困惑し頭を抱えた……。




