表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~  作者: 深楽朱夜
第020部 みんなで楽しむのが祭りです/邪神と鬼人は舞い狂い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1381/1418

第098話 festival:59≠父よ子よ子らに祝福を26

第097話 festival:58≠父よ子よ子らに祝福を26

タナトスがブチ切れている中、こちらは《墓守》が奮闘していた。

「流石は《アタラクシアの青》と言ったところか、化け物共を無傷で捕獲か」

「魔人が3人、この状態を維持するので精一杯だ」

「承知しました」

「これで話が進みますわね」

「ふう、怖かった」

「では、フゥさん、今回の貴方の目的(・・)は?」

《墓守》が《骨剣》で3名の魔人の動きを絡め取り動きを封じ、その手際の良さをコーデルリングは素直に称えた。

蒐集家が改めてキリスタ…の姿をしているフゥに声を掛ける、もうキリスタは震えている訳でもなく被っていたフードを取り指に嵌めていた指輪を引き抜くと……そこには気弱そうな魔人の青年では無く無邪気にニコニコご機嫌に笑うフゥがいた…。


「……」

「つめたっ!おい、タナトス!いきなり…って」

「回復薬です」

「こんな掠り傷くらいで必要ないから」

ブチ切れたタナトスが氷結魔法を発動させ、3名の魔人を丸ごと氷漬けにした上でウォルゾガに回復薬の瓶を放りウォルゾガがグローリーに回復薬を振り掛ける。

「治らないな、タナトス、万能薬をくれそれかレグの回復札を」

だが噛み後や爪痕に抉られてしまった傷は全く治らない、ウォルゾガは首を傾げタナトスに追加を頼むが……その混乱に乗じてソカとニルが空間を裂きグローリーを2本の剣で貫き、タナトスはウォルゾガをそこから引き剥がした。

「ぁ……」

「父さん!」

「てめえら!」

「ふざっ!よくも!弟を!」

グローリーが小さな声を上げ目の光が失われて行く、イザラとイデアが激昂しメシュレラは不調を抱えながらジキニ達を睨みつけ、ソカとニルに襲い掛かるが上空からニルとソカとグローリーに結界を張る。

「そこの新しい魔王の隙を作るのに余計な手間を掛けましたが概ね計画通りです」

「い、いやああああ!グローリーさんっ!」

『グリちゃん!』

ラビが静かに告げ、ニスムが激しい悲鳴を上げ舵と燈火が叫ぶ。

「うぇ……うぇええええええええん!うええええええん!うええええんっ!!!」

「な、ナビヤちゃん!?」

その声にカーテスの腕の中のナビヤが激しく泣き出す、まるで助けを求めるように……。


遠くで赤子の泣く声がする、それが徐々に近くなっていく、泣いてはいけない、すぐに側に……。

「っ…」

「どうかしたのか?」

「何かあった?」

「メルフェゴール?なんかあったのか?」

『なんだ?おかしいぞ』

「なんだろう」

《龍皇国》よりも遥かに離れた遠い大陸を統べる《テレンシオ統一帝国》の地下、いつも通り白い装束に身を包む魔人メルフェゴール、そして《カテラント帝国》にあるダンジョンから超長距離転移によりこの国へとやって来たドゥ、犬、グステナ、数外個体魔王のチキとインクがメルフェゴールの反応にどうかしたのかと周囲を探る。

地下とは言えないような広大さを誇る場所、その見事な大樹の下の大きな根の上座り幹に凭れるように眠っている男の前の方をメルフェゴールは見つめる、落ちて来る葉はいつも通り男の身体に吸い込まれ……。

「お父さん!?」

「まさか…目が……覚めたのですか?ファズラファール……」

ゆっくりと目を開き男はふらりと立ち上がりインクとメルフェゴールが驚愕する、ドゥ達も驚き見ていると顔を上げゆっくりと口を開く。

「子供たちが苦しんでいる、行かねばならない」

「だ、だめ!お父さん!そんな事したら!」

「今の貴方では……それにその身体では……」

「行かせて欲しい、すまない。また必ず帰って来る」

「っ……」

インクが男…メルフェゴールがファズラファールと呼んだ男の胸元に飛び込み縋り、ファズラファールはインクの頭を優しく撫でて微笑む、インクは涙交じりにファズラファールの顔を見上げた。

「子供ってグローリー達があぶないって事か」

「メルフェゴールさん、俺からも頼む!行けるなら助けてやってくれ!」

「助けてやってくれ、俺達も行きたいが…」

「すまない、君たちを運べる程の余力は無い。だが向こうへ着いたら必ず君達の事は伝えると誓おう」

ドゥ、犬、グステナも助けてやってくれと頼む、ファズラファールは頷きインクは友人達の言葉と弟が困っているのならと離れ難い父親から一歩離れた。

「……分かりました」

『俺も手を貸すぞ、ここで世話にはなっているからな』

「ありがたい、数外個体魔王殿」

メルフェゴールはファズラファールの固い意思に折れチキもまた世話になっているからと手を貸す、ファズラファールは頷き宙に手を翳し空間に渦巻き、メルフェゴールが自身の収納空間から白い弓矢を出しその渦に向って矢を構えた。

チキは頭の上のヒヨコを地面に降ろし渦に自分の空間魔法と転移魔法を重ね掛けし安定を図る、メルフェゴールが渦の中心に矢を放つ。

「その矢が彼らへの道標となりましょう……ファズラファール……頼みます。ですが……」

「メルフェゴール様、感謝します。また……」

「お父さん……」

メルフェゴールが言葉を呑み込みインクの肩を支え渦に進むファズラファールの背中を見送る、グステナ達もまた静かに見送りながらもグステナが小さく『メンルェト』…と呟いた…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ