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第五章 20話 蒼炎覚醒


白新の目が、怪しく光った――。


その瞬間。


ズゥゥゥゥゥ……


空気が、重く沈む。


いや……違う。


空間そのものが、押し潰されるように歪み始めていた。


「っ……!」


エリカの身体が、急に重くなる。


呼吸が苦しい。


ガーディアン・プラムの結界が、ミシミシと悲鳴を上げていた。


「どうした?」

「その程度かね?」


白新が、静かに歩いてくる。


その姿には、隙がない。


圧倒的だった。


「くっ……!!」


エリカは、無数のツルを放つ。


ドバァァァァァッ!!


しかし――


「遅い」


白新が消えた。


次の瞬間――


ドゴォォォォォォンッ!!


「きゃあぁぁぁっ!!」


エリカの身体が、壁へ叩きつけられる。


部屋全体が揺れた。


「がっ……!!」


「怒りだけで、私を倒せると思ったか?」


白新の声が響く。


「キミは、まだ未熟だ」


「黙れっ!!」


エリカが、再びツルを放つ。


今度は、床一帯を覆うように。


しかし――


ブワッ!!


白新の周囲から、黒い衝撃波が放たれた。


ツルが、一瞬で吹き飛ぶ。


「っ!?」


その直後――


白新の姿が、目の前に現れていた。


「えっ……」


ドゴォォォォォォンッ!!


腹部へ、強烈な一撃。


「がはっ……!!」


エリカが床を転がる。


呼吸が出来ない。


視界が揺れる。


「これが……現実だ」


「キミの父は、それを理解していた」


「違うっ……!!」


涙が、床へ落ちた。


「お父さんは……あんな風に壊れてないっ!!」


「壊れた?」


白新が、静かに首を傾げる。


「彼らは、自ら未来を選んだだけだ」


「ふざけないでぇぇぇぇっ!!」


エリカが叫ぶ。


その瞬間――


ドォォォォォォンッ!!


天井が、爆発した。


「っ!?」


凄まじい衝撃。


瓦礫と煙が吹き荒れる。


その中から――


漆黒の騎士が降り立った。


『どうやら……間に合ったようだな』


「セレグっ!!」


『悪いな……少し、手間取った』


セレグが、白新を睨みつける。


『随分と……好き放題やってくれたみたいだな』


「ほう……」

「ナイトがきたか……」


白新は、余裕の笑みを崩さない。


『エリカ……立てるか?』


「うっ……うん……」


エリカは、ふらつきながら立ち上がった。


だが――


身体が重い。


さっきのダメージが、想像以上に大きい。


セレグも、それを察した。


『……このままじゃ、押し切られるな……』


「えっ……?」


『――では、やるぞ!』


その瞬間。


セレグの身体が、黒い粒子へ変化してゆく。


『今の俺達なら……もっと先へ行けるはずだ……』


ドバァァァァァァァッ!!


漆黒が、エリカの身体へ流れ込む。


「っ――!!」


凄まじいエネルギーが駆け巡った。


――そして漆黒が……蒼い装甲へと変化してゆく……


装甲の隙間から――


蒼い炎が噴き出した。


ゴォォォォォォッ!!


蒼炎が、嵐のように吹き荒れる。


白新が、初めて目を細めた。


「……なるほど」


「それが、新たな段階か……」


エリカが、ゆっくり顔を上げる。


その瞳には――蒼炎が揺れていた。


「行くよ……セレグ」


『ああ――』


次の瞬間。


ドゴォォォォォォンッ!!


蒼い閃光が、白新へ一直線に突撃した――。





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