第五章 11話 白花の戦場
ドバァァァァァァァッ!!
別荘の壁を突き破り、
超巨大の〝悪魔の薔薇〝が姿を現した――!
「うわぁぁぁっ!!」
安祐美が、思わず後退する。
それは、もはや植物ではなかった……
巨大な肉塊のような根。
脈打つ赤黒い花弁。
そして、中心部には――
まるで〝目玉〝のような巨大な核が存在していた……
『ふふっ……』
ローズ・デモニカが、嬉しそうに微笑む。
『この子が、この庭の主よ♪』
『可愛いでしょう?』
「いやっ!! ぜんっぜん可愛くないからっ!!」
その瞬間――
ギュルルルルルッ!!
超巨大のツタが、大地をえぐりながら迫ってきた。
「きゃぁぁっ!!」
ガーディアン・ブルームが、白い花弁を展開する。
ドガァァァァンッ!!
巨大な衝撃。
周囲の木々が、一斉に吹き飛んだ……
(うわわわっ!! 力強すぎるっ!!)
「パルミアっ!なんか分かる?」
(あれ、多分……この辺の魔力を吸って成長してるっ!!)
「ええぇっ!?」
その時だった。
『アユミ殿!!』
シルバニア・ウォークが、槍を構えながら叫ぶ。
『あの中央核!!』
『あれを破壊すれば、止まるかもしれません!!』
「う、うんっ!!」
安祐美は、巨大な薔薇を見上げた。
しかし――
「どうやって近づけばいいのよぉっ!!」
無数のツタ。
空を覆う花弁。
さらに、周囲では魔族達まで襲いかかってきている……
完全な防衛網だった。
すると――
(アユミっ!!)
(わたしに、少し身体の制御を貸してっ!!)
「えっ!?」
その瞬間。
ブワァァァァッ!!
白い花弁が、ガーディアン・ブルームの周囲で渦を巻く。
「わわっ!?」
(いっくよぉぉぉっ!!)
ドシュゥゥゥゥッ!!
無数の白きツタが、一気に地面へ突き刺さった。
次の瞬間――
ガーディアン・ブルームの身体が、空へ射出される。
「きゃぁぁぁぁぁっ!!」
『なっ!?』
ローズ・デモニカが、初めて驚きの表情を見せた。
白き花装甲が、夜空を舞う。
そのまま――
巨大薔薇の中心核へ突撃した。
『止めなさいっ!!』
無数のツタが、迎撃へ動く。
だが――
『道を開けろぉぉぉっ!!』
ゴールディア・ウォークが、戦斧を叩き込む。
ドゴォォォォンッ!!
黄金の衝撃波が、ツタの群れを吹き飛ばした。
さらに――
『デッド・ハウンド隊!! 援護しろ!!』
魔物軍団が、一斉に前進する。
その隙を――
ブルームは、突破した。
「これでぇぇぇぇっ!!」
ガーディアン・ブルームの両手へ、白い花弁が収束する。
(アユミっ!! やっちゃえぇぇっ!!)
「ブルーム――」
白き光が、夜空を染め上げる。
「フラワァァァァァ・バーストォォォォッ!!」
ドガァァァァァァァァンッ――!!




