第五章 9話 果物戦士VS悪魔の薔薇
エリカとセレグは、攻撃してくる魔族達をしりぞけ、別荘内に潜入した
サマエルは、割と立場を理解していて……魔物達の後方支援にまわると、自分から告げてきた
安祐美とパルミアは、合体して、ガーディアン・ブルームとなり、魔族と対峙している
オーク兄弟は、全体を指揮しながら、安祐美達と共に、魔族に対峙した
別荘への侵入は、エリカとセレグのコンビに委ねられた。
――夜の別荘地帯。
そこは、すでに〝戦場〝と化している。
ドォォォォンッ!!
巨大な爆音が、森の中へ響き渡る。
『押し返せぇぇぇぇっ!!』
ゴールディア・ウォークが、巨大な戦斧を振り下ろした。
黄金の衝撃波が、大地を削る。
魔族達が、まとめて吹き飛ばされた……
『左翼、崩れるな!!』
『デッド・ハウンド隊!! 前へ出ろ!!』
シルバニア・ウォークが、大槍を掲げながら叫ぶ。
その周囲では、無数の魔物達が魔族と激突していた。
オーク。
ゴブリン。
デッド・ハウンド。
さらには、大型魔獣まで混ざっている……
以前の、ただ暴れるだけの魔物達ではない。
統率されていた。
夜の戦場を、生き抜く軍勢へと変わっていたのだ……
だが――
『くっ……数が多すぎます!!』
魔物の一体が叫ぶ。
別荘側から、次々と魔族が現れていた。
空には、翼を持つ悪魔達。
地上には、異形の兵士達。
まるで、この別荘そのものが〝魔界の城〝のようだった……
その時だった。
ズズズズズズ……
「えっ……?」
地面が、脈打つ。
次の瞬間――
ドバァァァァッ!!
無数の赤黒い薔薇が、大地を突き破った。
「うわぁぁぁっ!!」
魔物達へ、薔薇のツタが襲いかかる。
拘束。
吸収。
そして――侵食……
『ぐああああっ!!』
『気をつけろ!!』
『コイツら、生きてやがる!!』
薔薇は、まるで獲物を求める蛇のように動いていた……
『チッ……』
ゴールディアが舌打ちする。
『後衛が危険だ!!』
『アユミ殿!! 援護を!!』
「まっ、任せてっ!!」
その瞬間――
ブワァァァァッ!!
白い花弁が、夜空へ舞い上がった。
ガーディアン・ブルーム。
花装甲をまとった安祐美が、前へ出る。
背後では、巨大な花弁状のマナが展開されていた……
『咲きなさいっ!!』
ドガァァァァンッ!!
白き花弁障壁が、魔物達を包み込む。
赤黒い薔薇が、弾き飛ばされた。
『おおっ!!』
『助かったぁぁぁっ!!』
魔物達から歓声が上がる。
しかし――
『ふふっ……』
妖艶な女の笑い声が響いた。
別荘の屋上。
そこには、赤黒いドレスをまとった女が立っていた……
長い黒髪。
狂気を含んだ笑み。
そして、その背後では――
巨大な〝悪魔の薔薇〝が脈動している……
『可愛い子達を、いじめないでくれる?』
『せっかく育てたのに……』
「うわぁ……なんか、すっごく嫌なタイプ来た……」
安祐美が、思わず顔を引きつらせた。
すると女は、ゆっくりと両手を広げる。
ブワァァァァッ!!
その瞬間、無数の悪魔の薔薇が一斉に開花した……
赤黒い花弁が、夜空を埋め尽くす。
『わたしは、ローズ・デモニカ……』
『この庭園の管理者よ♪』
『ねぇ……あなた達も、綺麗な養分にならない?』
その瞬間――
無数の薔薇ツタが、安祐美達へ襲いかかった。
「来るっ!!」
ガーディアン・ブルームが、両手を広げる。
白き花弁が、夜の戦場へ解き放たれた――!




