第五章 8話 突入日
――それから、3日後。
ついに、別荘への突入日となった。
決行時間は、深夜12時ちょうど。
なぜ、今日なのか――。
その理由は、単純だった。
今日は、満月だかららしい。
なんでも、満月の夜は、魔物達のテンションが上がるとの事だ。
……なんとも、適当な理由だった。
とはいえ、今回はオーク兄弟側が、魔族相手に戦えるだけの数の、魔物を集めてくれた。
その条件として、
「決行日は満月」
という話だったので、こちらも従う事にした。
そして今――。
エリカ達は、別荘が見える丘の手前の広場へ集まっていた。
周囲には、武器を持った魔物達の姿も見える。
どうやら、この辺りの魔物達は、普段から魔族にしいたげられているらしい。
だからこそ――今回の襲撃には、かなり乗り気だった。
「今夜こそ、借りを返してやるぜ……!」
などと、あちこちで物騒な声が聞こえてくる。
一方――エリカ側。
本来は、エリカとセレグの二人だけで動く予定だった。
だが――
なぜか、安祐美とパルミア。
さらに、サマエルまで参戦していた。
「エルさんは……なんで来てるんですか?」
エリカが、少し困った顔で尋ねる。
「えっ? だってこの前……一緒に戦った仲じゃないですか♪」
サマエルは、にこやかに微笑んだ。
「いや……それは、そうなんですけど……」
「天使って、夜中でも活動できるんですか?」
「あっ、その為の人間体なんですよ♪」
そう言って、サマエルは、その場でくるりと回って見せる。
「そう……そうなんだ……」
なんとなく納得するエリカ。
「まあ、無理はしないでくださいね?」
「はい♪ この状態でも、少しぐらいなら戦えますから」
「お気になさらず♪」
(セレグ……この人、本当に大丈夫かな……?)
(まあ……そこまで本気で動くつもりもないだろう)
セレグは、冷静に返した。
その横では、安祐美とパルミアが、なにやら小声で打ち合わせをしている。
――そして。
時刻は、まもなく12時。
丘の向こうには、不気味なほど静かな別荘が見えていた。
「………………」
なんだか、少し不安だった。
……まあ、なんとかなるでしょ。
多分――。




