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第五章 5話 果物戦士、再来……プラム・エリカ見参


――エリカは、疲れて眠っていた……


静かな病室。


窓の外では、夕暮れの光がゆっくりと街を染めている。


薄暗い室内で、エリカは小さく寝返りを打った。


「んっ……」


最近、色々なことが起こりすぎていた。


父――篠山天新。


白新。


バルサ。


そして、自分の中で少しずつ変わり始めている何か……


いったい、何が正しいんだろう……


誰を信じればいいんだろう……


エリカは、ぼんやりとした意識の中で、静かに自問自答を繰り返していた。


その時だった。


コンコン……


病室のドアが、軽くノックされる。


「エリカちゃん!……いる?」


聞き慣れた声。


「あっ……アユミさん……」


エリカは、ゆっくりと体を起こした。


安祐美は、袋入りのジュースを片手に、のんびりと病室へ入ってくる。


「なんか……お疲れみたいね?」


「調子悪い?」


「ううん!……大丈夫」


「ちょっと、考え事してただけだから……」


エリカは、薄暗い室に明かりを付けた。


「そっか……」


安祐美は、ベッド横の椅子へ腰掛けた。


「まあ……色々あるもんね」


「お父さんのことも、大変みたいだし」


「うん……」


エリカは、小さく頷いた。


すると安祐美は、ふっと優しく笑う。


「でも、エリカちゃんって、結構しぶといから大丈夫よ」


「ふふっ……なにそれ♪」


「褒めてるのよ?」


「え〜〜……微妙〜」


少しだけ、病室の空気が和らいだ。


その瞬間――


ポンッ!


突然、空中にパルミアが現れた。


『あれっ……エリカ!』


『あなた、天界フルーツの精神体ができてるわよ!』


「えっ……何それ?」


エリカは、きょとんとする。


『この間、天界フルーツを食べたでしょ?』


『あれ、量産型じゃなかったみたいね』


「えっ……どういうこと?」


『う〜んと……簡単に言うと、パルミアみたいな存在が、エリカの中にもできてるってこと!』


「ええ〜〜っ!!」


エリカは、思わずベッドの上で飛び跳ねた。


「どこ!? どこにいるの!?」


キョロキョロと周囲を見回す。


『ああっ、わたしみたいな妖精型じゃないのよ』


『エリカの中に存在してるタイプなの』


「ええっ……でも、誰も話しかけてこないよ?」


『そりゃ、みんながみんな、わたしみたいにベラベラ喋るわけじゃないもの』


『ただ存在して、力を貸すタイプもいるのよ』


「へぇ〜〜……」


安祐美が、興味津々に身を乗り出した。


「それって、どうなるの?」


『たぶん、エリカを守ってくれるわね』


『指示すれば……ガーディアン化できると思うわよ』


「えっ!」


安祐美の目が、一気に輝いた。


「それって、パルミアのガーディアン・ブルームみたいなやつ!?」


『まあ……そんなかんじかな?』

パルミアは、フワフワ漂っている……


「ええ〜〜っ!! すごいじゃない!!」


「エリカちゃん! ちょっと変身してみせてよ!」


「ええっ!? こんなところで!?」


「誰も入ってこないわよ!」


「もし誰か来ても、コスプレって言えばいいしっ!」


「ええっ……それは、それで変じゃない?」


エリカは、困ったように頬を赤くする。


「パルミア……どうしたら変身できるの?」


『えっ?』


『別に……頭の中で“ガーディアン化したい”って思えばいいんじゃない?』


「へぇ〜〜っ……」


安祐美が、完全に目をキラキラさせている。


「エリカちゃん! やってみてよ!」


「ええ〜〜っ……やだよぉ……」


エリカは、恥ずかしそうに顔を隠した。


――その瞬間だった。


ピカァァァァッ!!


「ええ〜〜〜っ!!?」


突然、エリカの身体がまばゆい光に包まれる。


「な、なにこれぇぇっ!!」


「何も、頼んでないよぉ!!」


髪がふわりと浮かび上がる。


紅い光が、病室の中を駆け抜けた。


「うわぁぁっ!! すごっ!!」


安祐美は、完全にテンションが上がっている。


そして次の瞬間――


光が、弾けた。


そこに立っていたのは――


蒼を基調とした、美しい装甲をまとったエリカだった。


『なんか……精神体、喜んでいるみたいよ♪』

『……プラムって名前らしい♪』


果物戦士……


プラム・エリカ、見参!





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