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第三章 10話 厄災の変質


その時、巨大なエネルギー放射が神代機兵達に襲いかかった


ドゴ〜〜〜ンンン!!!


奥の煙に霞んだ領域から……何かが、ものすごい速度で迫ってくる……


「もう……うるさくて、寝てられない!!」


サマエルと安祐美ガーディアン・ブルームの間に割り込んできた存在……黒い闘気を纏ったエリカだった


――体は、夜の体型


「あれっ……エルさんかと思ったら、ちょっと違う」


「サマエルと言います……記憶が戻ったような感じですかね?」


「えっ?そこは、疑問系?」


「アユミさんも、今日は、他所行き?」


「あっ!ここは、ほら、病室じゃないから……」


「ああ……?!」


「ご挨拶が済んだのなら……続きを始めますが?」


ザリエルは、わずかに眉をひそめていた。


どうやら、自分の空間で好き放題会話されている状況が、少し気に入らないらしい。


「いやいやいや!?」


「普通、もっと驚くところでしょ!?」


安祐美が、黒い闘気を纏うエリカを指差す。


「なんで昼なのに、そんなラスボスみたいになってるの!?」


「私も、よくわかんないんだよね〜」


エリカは、どこか眠そうに頭をかいた。


その全身からは、黒い粒子が絶えず漏れ出している。


周囲の空間すら、微かに歪んでいた。


『……なるほど』


低い声が響く。


エリカの背後。


黒い闘気が、人の形を形成してゆく。


『この領域……夜の理すら引き寄せているか』


「セレグさんっ!?」


安祐美が目を丸くした。


本来ならば、昼間にここまで明確な形で顕現できる存在ではない。


だが今のセレグは違った。


漆黒の闘気は、以前より遥かに濃い。


その姿は、まるで“夜そのもの”だった。


「ほぅ……」


ザリエルが、少し興味深そうに目を細める。


「面白いな……」


「まさか、俺の《ジャジメント・ガーデン》が、そこまで影響を及ぼすとは」


『笑い事ではないぞ、ザリエル』


セレグの声が低く響く。


『貴様……この空間の法則を歪めすぎている』


その瞬間――


ギギギギギ……


周囲の神代機兵達が、一斉に反応した。


赤い目が、全てエリカへ向けられる。


「えっ……なんか私、めちゃくちゃ狙われてない?」


「いや、どう見ても一番危険そうだからだと思う」

安祐美が即答した。


「ひどい」


エリカが少し頬を膨らませる。


だが次の瞬間――


ズドォォンッ!!


巨大な神代機兵が、エリカへ向かって突撃した。


「危なっ――」


安祐美が叫ぶ。


しかし。


エリカは、一歩も動かなかった。


その瞳が、静かに黒く輝く。


直後――


ドガァァァァンッ!!


神代機兵の巨体が、横方向へ吹き飛んだ。


「えっ……?」


安祐美が固まる。


神代機兵の顔面には、巨大な拳跡がめり込んでいた。


そして、その前には――


黒い装甲を纏ったセレグが立っている。


『……鈍いな』


その声と同時に。


黒い闘気が、一気に膨れ上がった。


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