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第31四半期「『英雄』たち」

ご活躍をいのれ、人事よ、今後の益々の

ご健勝、ならびにご盛栄、ならびにご多幸を、たとえこのたびは

のぞまない結果となろうとも

かれらヒョウガの志願者たちの









明太子美味きキューシュゥ星の 主婦フェーミィが娘 マーテルは

炊事洗濯掃除に育児の 執拗き因習をのがれ

ヒョウガへ入隊 雄々しき酒乱どもの戒めにそむいて。

つかのまであった その手から筆記用具のすべりおちるまで ヨシアキは

地価高騰せしバブリィ星の 名高き実業家 ツツミのひとり息子だが

ヒョウガへ入隊 札束の 雨をきらって。鉄槌の お辞儀にくだかれる

そのときにも 悔いはなかった ヤーシィは エイギョー星の出 かの星では

赤子も乳を 口八丁にねだる その口の かたさを買われてヒョウガへ入隊

万歳を さけびながら潰されていく 圧迫面接に トウジロウの

故郷(ほし)は地球だが ヒョウガへ入隊 青い星は 見かけほど慈悲深くはなく

挨拶の 弾丸はかれを 望みの場所へと ひきさらっていく フクゾエの

母星はカブシキ星 株主が 運航をきめ 暦をさだめる

その恩恵に あずかることもなく ヒョウガへ入隊 差しだされた

粗茶は地獄の 煮え湯だった マリアは木星の 低価格チェーンレストランの

創業者の娘 そのさだめに押しひしがれて ヒョウガへ入隊 廊下の果てに消えた

ビョンチョルは ヒョウガへ入隊 水星で 何不自由のない暮らしではあったが

その不自由のなさに 追いつめられて。降りそそいだ、頭上から

名刺の刃が。タカノリは ミナトク星 女子ばかりが 珍重されるその星にあって

骨格いかつきかれのこころは だれよりも乙女であった

ヒョウガへ入隊。

口紅を ぬりなおす間にも襲撃は やむことはなかった。ヒューゴーの 生まれは

静心なきタドウ星 日ごとに四季のめぐるこの星で せわしなさに飽いて

ヒョウガへ入隊。その人事は かれに躊躇なくもたらした 永遠の安らぎを

コウシはチェダー星の ハムスター 食べて寝るだけの 毎日に飽いてヒョウガへ入隊

もう二度と寝食に こころをくだくことはない サマンサの ふるさとのマドウ星には

科学はなく ホウキで空をとぶ その魔才にめぐまれず ヒョウガへ入隊

あこがれの空へと 飛びたっていった。無数の小惑星から成る 

グントウ星の ジェームスは その いずれの星にも住みかねて ヒョウガへ入隊 

なきがらは かれの母星によく似たすがただった 

桃色の 雲におおわれしマドロミ星 その星でたわごとを語れないものは

さげすまれる 幻想知らずとして。 まさにその 幻想知らずのドーリエは

ヒョウガへ入隊 たわごとの

ひとつのかたちにすぎぬと知る この人生も

死に場所を もとめてさまよう ホーロー星 そこの出のトミオは ヒョウガへ入隊

ひとえに 命の惜しさゆえ。

討議ならぬ闘技のすえ 無念に散っていく。出しきれぬアイデアをかかえながら。

天王星のツクモは――。


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