悪い事はするもんじゃない
「まあ、病気にならない云々はキメラになるから、だったんですけどね。泣き疲れて眠って、気付いたらキメラにされてました。赤毛に赤茶色の目だったのがすっかり違う色になってて混乱しましたし、何歳分か大きくなってるし、人間を食べるし、殺されても死なないし、他に居る妹は殆どが人間らしい知性が皆無な愚キメラですし」
酷い詐欺でした、と妹猫は表情変化が薄いながらもぽこぽこ起こる。
露店に売っていた本が気になったとかで購入した主様がカフェに入って腰を落ち着け読み始めた為、妹猫の話をじっくり聞くことが出来たのだが、随分と何というか、ハードだった。
酒飲んで気付いたら変な空間居て放り出されてよくわからんままキメラになった私が恥ずかしいじゃないか。
何ならそのまま主様が性癖ド真ん中過ぎて大興奮してたくらいだぞ。
「キメラの説明を聞いたら一回殺されてますし、その時点で好感度ダダ下がりですよ。スールさんが恐怖の権化に見えました。知らない内に屋敷に連れ帰られてましたし。でも逃げようにもキメラとしての生き方は人里との共存難しいし、眷属だから居場所バレますし」
「あ、ああー……」
「その上、お姉ちゃん呼びしないだけで躾けられるんですよ!? 私は痛覚があるから痛いのに、ごめんなさいって言ってもやめてくれなくて、ちゃんと言えないと駄目だよって優しく言うのに全然優しくしてくれなくて!」
「何も知らないまま聞いたらエロいセリフなのになあ……」
実際は拷問染みた調教というのが背中をヒヤリとさせてくる。
主様にされると考えたらご褒美だし、巨乳枠である自称姉にされるのもわりとご褒美に思えるが、問題は痛覚だ。
私は激痛系の痛覚が皆無だからそう呑気していられるけれど、もし通常通りの痛覚でやられたら痛いとかそういうレベルじゃ済まないだろう。
寧ろ治るからこそ何回でも新鮮な痛みをプレゼントされるという地獄。
……それがこんな少女にってなると、なあ……。
本来なら近隣住民の方々が協力して守るくらいの年齢だろうに。
丁度地球でも流行病のアレがソレだったので、流行病での全滅系は背中や内臓がヒヤリとしてしまう。
「……飽きた」
突然、黙々と本を読んでいた主様がパタリと本を閉じてそう言った。
「主様、読み終わりました?」
「いや、まだ中盤だけれど、この文体と登場人物に飽きた。他に売られていた本も買っておけば良かったな」
つまらない本であるかのようにその本を見下ろした主様は、その本をこちらに放り投げて溜め息を零す。
ソレをキャッチして袋に仕舞い、ふと疑問が湧いた。
「もしかして主様、本を読んだりする時って気が向いた時に読むって感じです? 文体とかに飽きたら他の本、みたいにフルコースを摘まみ食いするみたいな」
「殆どそういう感じだね。読み切るまではそれなりに時間が掛かるけれど、暇つぶしには良いからよく利用するよ。時々、本を読むという行為自体に飽きる時もあるかな」
「成る程!」
とてもわかりやすい言い分だった。
……人間的な食事の時も、何個か頼んで気が向いただけ摘まむって感じだもんな……。
今居るカフェで頼んだのもそうだったが、飽きた食べ物は私に寄越されるので何ら問題は無い。
寧ろ主様の唾液やらが付着した完全なる食べ掛けとか食べ残しとかをいただけるとか凄いご褒美。
そんな素晴らしいご褒美がいただけるなら一週間ワンとしか言わないようにとかいう命令でも大喜びで聞くレベルなのに、当然のように施されるという事実。
いやあ、私の恵まれっぷりがとんでもないな。
本当に前世の私はどれだけの善行を成し遂げたんだろう。
異世界転移を繰り返して色んな世界を救いまくったりでもしたんじゃなかろうか。
「新しい本を買っても良いが、この町にも飽きたから移動でも」
「じゃあ私達の屋敷に来る?」
「ヒッ」
いつの間にか戻って来ていた自称姉が、妹猫に後ろから抱きついてそう言った。
知らない間に背後を取られてまたいつでも首を抑えられる体勢にされた妹猫の顔は完全に引き攣っていたが、対照的に自称姉の方はにこにこ笑顔だ。
……さっきの妹猫の話を聞くと、この笑みに対して得体の知れなさを感じちゃうんだよなあ……。
わりと最初から不穏な笑みではあったけれど、妹猫の話からすると人間らしい倫理観が皆無というのが垣間見えて、温かみのある笑みだからこそ尚の事恐怖が湧いてくる。
子供を保護して安心させてよしよし、からの殺害でキメラ化をさらっと当然のようにやっている前科があるので、本当、人間味は相当薄い。
それならまだ最初から歩み寄りを見せない主様の方が安心感に満ちてるレベルだ。
……いや、主様は主様で好青年モードがあるから駄目か。
人懐っこさがある大学生みたいなノリの好青年モードだけを見せられたら、確実に騙される。
うーむ、こうして考えるとキメラって中々ヤバいな。
「自称姉、用事は終わったのかい?」
「もーバッチリ! 私の事を知ってるけどお得意様扱いで一切踏み込まず、でも良い子は確保しつつ、それでもって他の奴隷商とのパイプを繋げてくれてる仲良しな奴隷商が居るから、その人にお願いして探してもらったの!」
「で、処分を?」
「元々下っ端みたいなものみたいだから、大きめな奴隷商に要求された相手側は下っ端一人を手放す事にしたみたい。一応は売って貰ったって扱いにしたし、向こうとしては取引先を失わずにお金がゲット出来て良かったんじゃないかな?」
従わなかったら相手側の店ごと全滅させるつもりだったけどねー、と自称姉はにこにこ笑顔のまま妹猫の小さな手をもにもにしつつ言う。
ぬいぐるみの手を捏ねながら言うようなテンションで凄い事を仰られるなあ。
「……あの、ス」
「お姉ちゃん」
「……お姉ちゃん」
妹猫の呼び方に真顔で訂正を入れた自称姉は、お姉ちゃん呼びにすぐさま破顔した。
「うん、なあに?」
「その、私を連れて行こうとしていた方は」
「大丈夫! 心配しなくても、もう何も出来ないから! ビラロちゃんは何も怖がらなくて良いんだよ!」
言い、うりうり、と自称姉は妹猫に頬擦りをする。
可愛い可愛いとペットを愛玩するように、妹を可愛がる姉のように。
「ビラロちゃんを私から奪おうとしたヤツを食べたりなんてしたくないし、別にまだお腹も空いて無かったから、そのままお友達に頼んで奴隷にしてもらったんだー。お金で買ったって扱いだから所有権は私にあったし、あとはその所有権を奴隷商のお友達に渡すだけ!」
「キミは案外陰湿だから、その程度で済ますとは思えないけれど」
「諦観者ちゃんってば陰湿だなんてひっどい! 私はいつでも妹の為を思ってるよ!」
「どうだか」
ハ、と主様は首を傾げて悪辣に笑う。
一見すると友人相手なら楽しくお喋りするタイプに見えるが、実際は違うのだろう。
何か、雰囲気がそういう感じじゃない。
少年漫画とかで悪役の幹部達が会議で揃い踏みしてる時の、蹴落とせるなら蹴落としたいと思ってる者同士でネチネチやるああいう感じの雰囲気だ。
うーん、治安悪いゾーンをギリギリ抜けた場所のカフェだというのに、空気が悪党の会議室。
「主様がそう思うんなら多分実際そうなんだろうなって思うんだけど、自称姉は何やった感じ?」
「人前ではショストラって呼んでくれて良いよ、変態ちゃん。あ、でもビラロちゃんをビラロちゃんって呼んだら例え他の人の眷属であっても殺しちゃうから、カッツェちゃんって呼んであげてね?」
「成る程通常使用ネーム……っていうか自称姉すらも変態呼び!?」
「変態ちゃんの人名知らないし」
「ジージエです!」
本名は四季だけれど、そっちで名乗るのはやめろと言われて主様につけられたのがこの名だった。
纏足(偽)でもあるので、誤魔化すならオリエンタル大陸系の名前が無難だろうと言われたのだ。
一般人で偽名使用は違和感が凄いけれど、実質異世界転生みたいなもんだしハンドルネームと思えばわりといける。
「ま、誰かに紹介したりする時くらいしか人名なんて使わないから、変態ちゃんって呼ぶけどね」
「ううむ……まあ私もその呼び名は元々使われてたから慣れてるし、究極言うと自称姉は巨乳だから良いか。で、何やったの?」
「片目潰して喉焼いて手の指合計三本切り落として両足の健駄目にして二度と立ち上がれなくしてあげただけだよ?」
「コッワ!」
しかも地味にダメージがエグイヤツばっかりだ。
足を切り落とすのではなく物理的には残していたり、両目では無く片目で済ませていたり、腕を切り落とすのではなく指を少し切り落とすだけだったりというのは、うん、あの、日常生活に支障が出まくるヤツですね。
完全に潰されていても支障は出るだろうが、絶妙に補助を得にくい感じに仕上げている。
指が一本足りないだけで物を掴む力が相当減るんではなかったっけか。
「しかもその挙句奴隷として売られたのか、あの筋肉が足りない兄ちゃん……」
「実質労働も何も出来ないから、使い捨て目的でしか買って貰えないだろうねー。奴隷って基本的に欠損してると売れにくいから。お皿とかだって欠けてたら普通は廃棄だし、売ってても中古品だし、殆どタダ同然の扱いでしょ?」
「わかっててやる辺りがエグいんだよ!」
「まあこの辺は奴隷貿易が栄えてるし、そういうのが好きっていう変わった人が買うんじゃない?」
買われず衰弱死しても良いしね、と自称姉は妹猫を抱きしめたまま鼻歌でも歌い出しそうな程ご機嫌な顔で言ってのける。
誘拐も人身売買も許されざる事だとは思うが、何だろう、この、因果応報と言い切れない感覚は。
……正義の行いってわけじゃないからかな……。
因果応報ではあるんだろうけど、天罰とか裁きとかそういうアレじゃないんだろうなって感じだ。
良くない事をするともっとヤバい何かに引きずり落されるんだなあ。
……アジア系だと仏教メインだから悪人は地獄で裁かれる系だけど、ヨーロッパとかだと悪人は地獄へ落ちてそのまま誘惑されまくってズブズブデロデロ系だっけ。
悪魔の所業ってきっとこういう事を言うんだろう。
悪魔というか、キメラの所業だけど。
「……主様、この町は教会が立派としか聞いて無いんですけど、奴隷貿易も栄えてるんです?」
「貿易が栄えているところ、特に海に面しているところは奴隷貿易が盛んだよ」
「教会があるのに?」
「教会っていうのは自分のところの信者以外は拒絶する傾向にあるから、異端者イコール人間以下の獣扱いさ。ペットの売買を教会が取り締まるだなんて、変わった事を言うんだね」
「成る程!」
「おや」
頬杖をついていた主様は、意外そうに目を瞬いた。
「キミはそれなりに文化圏が違うところの出身だから、もう少し違う反応をするかと思ったけど」
「異文化が凄いとは思いましたけど、目を細めてチラリと八重歯を見せるように笑う主様が最高に色っぽくてえっちだったし格好良かったのでもう何でも良いかなって思いました!」
「相変わらず意味がわからないな」
見込みがあると思ったけど違ったか、みたいな感じで一気に呆れた表情をされてしまった。
「まあ、不愉快にならない程度で予想外の反応を返してくるのは良いけどね」
「基本的に思考回路のパターン決まってるんで主様が慣れたら予想通りの反応しかしなくなると思います! 主様への好感度は常に上限突破で更新してますが、それはそれとして主様最高! っていうのが基礎にあるので!」
「へえ」
完全なる他人事みたいな反応いただきました。
何か道端に大きい石が転がってるな程度の温度しか無い目にゾクゾクしてしまう。
急に興味を失ったりする、この感じが堪らなく最高なのだ。
お猫様に手のひらで転がされる奴隷達ならばこのマゾ思考を理解してくれると思うが、大体ああいう感じの喜びである。
振り回されるの最高です。
「変態ちゃん、本当に変態ちゃんなんだね。ビラロちゃんの教育に悪いものを見せてほしくないんだけどなー」
「まあそこは個性って事で良いじゃん!」
「諦観者ちゃん、本当にコレ連れ歩くの?」
「気は利くよ。着せ替え人形としても使えるし、使用人としても使える。少々どころじゃなく変な手つきが不愉快だけど、それにさえ目を瞑れば手間が少ない」
「うーん、諦観者ちゃんのそういうトコ私でもちょっとどうかなって思う」
まあそういう性格だから諦観者って呼び名だもんねえ、と自称姉は頷いた。
「ソレで、どうする? うちの屋敷に来る? 諦観者ちゃんが知ってる前に比べて妹が三人増えたから紹介したいな!」
「減ったのは?」
「七人減っちゃったから、ビラロちゃん足しても五人……」
興味が無いといった表情で問う主様に、自称姉はしょんぼりした顔でそう返す。
「ごめんねビラロちゃん、家族が減っちゃって」
「知性が無い彼女達の面倒を見るのは好きじゃないですし、妹の数が少ない分だけスールさんが私に時間を作ってくれるので少ない方が良いです」
「お姉ちゃん」
「…………お姉ちゃん」
「うんうんビラロちゃんは良い子だね! よくできました! それにすっごく可愛い事言うんだからこの妹はもう! お姉ちゃん嬉しい!」
うーん愛玩が超一方的。
まあ妹猫自身、自称姉と一緒に居る事は嫌いじゃないのだろう。
……なら止めなくて良いか!
もし本当に恐怖しかないというなら、今みたいな事は言わないだろう。
恐怖もあるが、独り占め出来ないという嫉妬もあるらしい。
複雑な妹心だなあ。
まあ、複雑な妹心というか、少し言い方を変えるとストックホルム症候群とかDV被害者に見られる依存とかああいう系という可能性もあるけれど、私には関係無い事である。
妹猫が貧乳で自称姉が巨乳な時点で、私がどちらかの味方をするなら自称姉というのは確定してしまっているわけだし。
「……それで主様、自称姉の屋敷って?」
「パレット大陸にある小国と小国と大国の丁度中間に存在している屋敷で、積み木屋敷と呼ばれてるね。積み木細工のように適当なデザインかつカラフルで、通りすがりに見る分には面白いよ」
にっこりと貼り付けた笑みで言ってから、すん、と主様の顔から表情が失われる。
「室内は酷いけど」
「酷いって言い方が酷いよ! 私は妹たちが寂しくないようにしてるだけなんだから!」
「その結果が赤子や幼児向けの内装で埋め尽くされた空間というのはどうなんだい? 客間までそんな状態だから、正直行きたくない」
「確かにそうだけど、私としては諦観者ちゃんが来てくれると助かるんだよー」
「は?」
主様の眉が怪訝そうに歪められる。
「何をさせる気だ」
「周りが山だから、屋敷をちょっと出ると道が繋がってるんだよね。で、そこを通りすがる人を襲うのが殆どなんだけど」
「時々今回のように遠出して適当なのを食い漁ってるようだがな」
「遠出する時は可愛い妹になってくれそうな子が奴隷商に居ないか確認する為だもん!」
あと頻度高いと討伐隊結成されちゃうし、と自称姉は唇を尖らせた。
ワードの全部に犯罪性があり過ぎる。
「とにかく、そうやってたら商人も結構な確率で襲っちゃったの! 基本的にはお肉以外どうでも良いけど、盗賊がやったみたいに見せる為には商人系の荷物は回収した方が良いでしょ? 面倒だからあんまりやらないけど」
「まあ、そうした方が人為的なものに見えるだろうからね」
実質人為的な事件ではと思うが、野生動物に食い殺される事件とも言えるので判定が難しい。
キメラ、分類としては魔物扱いで人権無いだろうし。
「でも商品とかって私よくわかんないし、妹たちのお洋服やおもちゃがあれば良いから、倉庫を圧迫するだけで邪魔なんだ。本とか服とか布とか魔道具とか適当に倉庫に詰め込んでるから、欲しいのとか売れそうなのとか持って行ってくれない?」
「ふむ……まあ、パレット大陸には行くつもりだったし、暇潰しになりそうなものがあるかを確認するのも良いか」
「わーい! もう室内にあるの全部持ってっちゃって良いからね! 元々お部屋は多いし足りなくなったら適当に増設したりもしてたけど、倉庫部屋がもう五つになっちゃって困ってたの! これでスッキリする!」
「全室確認し終えてなくても飽きたら帰るよ」
「それでもちょっと減ったらそれで良いの! 本当に邪魔だったし、私のお家の雰囲気に合わないものばっかりだったし!」
「……子供向けのデザインで統一された部屋に合うような物ばかりを運ぶ商人が居る方がどうかしてると思うが」
主様のボソッとした呟きには思わず頷いた。
ついでのように運んでるならまだしも、それがメイン商品ですっていうのはどうなんだろう。
そういう子供向けのヤツって、現地で作って売られてるイメージだし。
……というか、もしかしなくとも主様がご贔屓にしていたらしい服屋の人を仕留めたのって自称姉じゃ……?
主様が特に気にしていないようなので、そのくらいはキメラ間じゃよくある事なのかもしれない。
疑問の段階なら主様だって聞くだろうけど、聞かない辺りからすれば多分確信した上で聞かないを選んでるんだと思う。
「じゃあ、船の手配でもするかな」
「何で?」
立ち上がった主様に、自称姉がこてりと首を傾げた。
「私は翼で空飛べるし、ビラロちゃんは私が運ぶし、諦観者ちゃんは雷になればネイチャー大陸からパレット大陸までなんて簡単に移動出来るでしょ? 変態ちゃんはよくわからないけど、死ぬのを前提にすれば諦観者ちゃんに連れて行ってもらえるんじゃないかな」
「死ぬの前提!?」
「だって電撃耐性無いでしょ? 無いなら電撃移動中の諦観者ちゃんに触ってたら黒焦げになるだろうし」
でも、と自称姉は続ける。
「変態ちゃんなら別に良いんじゃない?」
「確かに主様に物のように扱われるのは嬉しいし激痛とかに関しては痛覚死ぬから問題無いけど!」
「そもそも僕がそんな面倒な事をしたくない」
「でも諦観者ちゃん、お船に乗ったら一時間で飽きるって言ってたよね? 良いお船に乗っても三時間は掛かっちゃうよ?」
自称姉の言葉に、主様は不満げな顔で口を噤んだ。
「あと人間向けのお船って手続きしてからちょっとの間待たされるよ」
「空路で行こう。どうせ積み木屋敷までは多少の距離があるんだ」
即座に意見を変更した主様がこちらへと視線を向ける。
「出来るね?」
「はい! 主様に快適な空の旅をお届けします! あと気が向いた時とかに頭をちょっと踏んづけてもらえると私のテンションが上がります!」
「確かに退屈な時には気晴らしくらいになるけれど……」
真正面から言われると何だか嫌だな、と冷たい目で見られた。
溜め息まで吐かれたのでめちゃくちゃ興奮する。もっともっと!




