上級冒険者になろう
「ソウジ様とエレン様なら、特別な依頼をこなしてもうすぐ上級にまで上がれると思いますが、どうなさいますか?」
「上級に、ですか?」
「はい。共有される依頼の数が増えるのは元より、報酬も、そしてその他諸々の待遇もまた上がります。ギルド指定の宿であれば、一定期間内の宿泊が無料になったりなどの特典もございます」
「み、魅力的だ……!」
「はい! 是非、ご検討ください!」
ギルドのお姉さんにここ一番の笑みでプレゼンされ、俺はもう少し頑張って「上級冒険者」とやらになるのも悪くないと思っていた。
目立つのを嫌い、なるべく軋轢を生まぬよう立ち回ってきたところだが、冒険者に多少の知り合いは増えても、それだけ。傭兵団と冒険者の間に繋がりができるようにも努力したが、未だ「特別」とまで言えるようなパイプは構築できていないし。
あるいはその特別な関係の構築のためには、もう少し高いハードルを越えなければならないということなのかもしれないけれども。
上級冒険者は、言ってみれば地域の、あるいはどこかの金持ちの用心棒に雇われることは結構あるらしい。つまり、それだけの信用を勝ち取れる地位だということでもある。
上には上がいるらしいし、上級の上にもまたいくつか冒険者の等級があるらしいが………ぽっと出の俺とエレンができる中で最善と言えるのは、このまま冒険者としての地位を上げていくことだろう。
ここまで割と無難に、トントン拍子で来れたことが怖いくらいだが、行ける所まで行ってしまおうというのもある。鉄は熱いうちに打て。勢いのあるうちに進もうか。
「エレン、上級になってみようと思うんだけど、どうだろう」
「いいと思う!」
エレンは目を輝かせて頷いた。
変わらず傭兵団の方も忙しそうだし、俺達のような腕の立つガキが、傭兵団の活動の一環として冒険者として成り上がるのも悪くない。このまま行ける所まで行ってしまおうか。




