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銀世界の執行者  作者: 亀丸
6/7

『死王』オルド・ワーデン

更新まで間隔が空いてしまいました



 

 

  男が去った後、竜武達は想定外の大物の登場に驚きを隠せず、その場から動けずにいた。


「『死王』、か…」


「またとんでもない奴が出てきたわね」


  2人は顔を見合せ、互いに苦笑いを浮かべた。



  『死王』オルド・ワーデン。

 

  その世界に関わる者は皆、その名を1度は聞いたことがあるであろう大物。

 

  欧州を拠点とした組織の幹部であり、武闘派だが、決して頻繁に動くわけでは無い。

 

  そのため、彼が何故このような場所に居たのか、その理由を竜武と雹華は測りかねていた。


「一体何が起きてるってんだ、まったく…あんなのが出てくるなんて聞いてねえぞ」


「それは私にも分からないけど、いると分かったなら慎重に行かないとね」


  雹華の言葉を聞き、竜武の脳裏をよぎったのは、数か月前に起きた魔導テロのニュースだった。

 

  数人のテロリスト達が街を1つ代償にして大規模な魔術災害を起こそうとしていることが発覚、それを防ぐためにいくつもの組織や大勢の魔闘士が動いた。


  そんな中、世界情勢を揺るがしかねない、と重い腰を上げて出向いたワーデンの放った魔術がその街を消しかけたのだ。


  街を守りテロを防ぐために動いた者が、逆に街を滅ぼしかけたというこの騒動はニュースで何度も取り上げられた。

 

  そのせいか、竜武は割と最近の出来事として記憶していた。



「確か、あの騒動の後発表した声明だと…」


「『少々力加減を間違えた』だったかしら」


  独り言のように呟いた自分の言葉の先を雹華が続けたことに驚き、そちらを振り返った竜武だったが、彼女は疲れたようにため息をついて苦笑しつつ続けた。


「どうせ、この前の事思い出してたんでしょ?」


「ああ、そうだよ」


「力加減のミスで消されかけた人たちからしたら、ほんと、たまったもんじゃないわ」


「そんなレベルのやつが何でこんなとこに…」


「「はぁ…」」


  話を続けていくうちに、事の重大さに憂鬱な気持ちになり、竜武と雹華は2人して大きなため息をついた。


「…とりあえず、こいつどうにかしねえと」


「…?!やっば!出てきたのが大物すぎてその人の事すっかり忘れてた…」


  世界有数の超大物危険人物との遭遇で頭の中から消えていたが、ここには傷ついて倒れている一人の男がいるのだ。

 

  それを思い出した2人は慌てて彼を背負い、近くの病院へと連れていった。



 ----


  竜武と雹華が慌てて家を飛び出して行った裏で、彼らを見送った晃と霧音は静かに話をしていた。


「ねぇ、あの子達のことだけど、どう思った?」


「そうだな…筋は悪くないし、慣れれば相当なレベルの魔闘士になるとは思うが、如何せん圧倒的に経験が足りんだろ。」


「そうじゃなくて!…ってそれもそうだけど、2人の仲の話よ!」


  失礼。若干1名、静かではなかったが気にしないことにする。


「は?何言ってんだお前こんな時に、…まあ悪くわねえんじゃねえか?俺の息子だし。おんなのひ…」


「そうよね!いい感じよね、あの2人。進展してないはずがないわ!なんたって私と晃の子供なんだし。」


 


  霧音の問いに、いきなりだし、しかもこの場面でする質問なのか?という疑問を禁じ得ない晃だったが、割と考えて答えてはいた。


  しかし、その質問の答えをしっかりと聞かないうちに自己完結し、1人で盛り上がる霧音。


(悪いな竜武、俺にはこいつの妄想を止められそうもねえよ…)

 

  本人の預かり知らぬ場所でどんどんハードルが上げられていくことに、晃は心の中で竜武に謝っておくことしか出来なかった。




 ----


 

  竜武達が怪我人を抱え、病院へ急いでいるのと丁度同じ頃、少し離れた取り壊し予定のビルの屋上に1つの影が降り立った。


「予定通りことは済んだのですか?」


  その影はビルに降り立つとすぐ、誰も居ないはずの空間に向け声をかけた。


「少々予想外の展開になってな、逃してしまった。」


  影の声に反応するように空間が歪み、虚空からオルド・ワーデンが現れた。


「まさか!?…貴方が取り逃すなど、笑えない冗談ですね。…何者なのです、その『予想外』とやらわ。」


  影は、ワーデンが標的を取り逃したことが心底信じられない、といった口調で彼に質問を続けようとした。


「さあな。私にも分からん。…だが、感じたことを言うとすれば、場馴れはしていないが、既に相当なレベルに達していること。そして、この先の局面によっては、必ずしも我らの敵になる訳では無さそうだと言ったところか。」


  言い終わった彼の顔には、楽しそうな笑みが浮かんでいた。


「今回は退屈せずに済みそうだ。」


「勘弁してくださいよ…まったく…」


  ワーデンに楽しげな声をかけられ、影は呆れと疲れを含んだ声で返事を返し、ため息をついた。


  その姿を横目で見つつ、ワーデンは先程の戦闘での違和感を思い出していた。

 

(あの氷の盾…その前に放たれていた魔力とは質が違ったな。あれは、あの男のものと似て…まさかとは思うが……まあ、その確認もしておくか。)


  男が去った後、竜武達は想定外の大物の登場に驚きを隠せず、その場から動けずにいた。


「『死王』、か…」


「またとんでもない奴が出てきたわね」


  2人は顔を見合せ、互いに苦笑いを浮かべた。



『死王』オルド・ワーデン。

  その世界に関わる者は皆、その名を1度は聞いたことがあるであろう大物。

  欧州を拠点とした組織の幹部であり、武闘派だが、決して頻繁に動くわけでは無い。

 

  そのため、彼が何故このような場所に居たのか、その理由を竜武と雹華は測りかねていた。


「一体何が起きてるってんだ、まったく…あんなのが出てくるなんて聞いてねえぞ」


「それは私にも分からないけど、いると分かったなら慎重に行かないとね」


  雹華の言葉を聞き、竜武の脳裏をよぎったのは、数か月前に起きた魔導テロのニュースだった。

 

  数人の魔導テロリスト達が街を1つ代償にして大規模な魔術災害を起こそうとし、それを防ぐためにいくつもの組織や大勢の魔闘士が動いた。


  そんな中、重い腰を上げて出向いたワーデンの放った魔術がその街を消しかけたのだ。


  街を守りテロを防ぐために動いた者が、逆に街を滅ぼしかけたというこの騒動はニュースで何度も取り上げられた。

 

  そのせいか、竜武は割と最近の出来事として記憶していた。



「確か、あの騒動の後発表した声明だと…」


「『少々力加減を間違えた』だったかしら」


  独り言のように呟いた自分の言葉の先を雹華が続けたことに驚き、そちらを振り返った竜武だったが、彼女は疲れたようにため息をついて苦笑しつつ続けた。


「どうせ、この前の事思い出してたんでしょ?」


「ああ、そうだよ」


「力加減のミスで消されかけた人たちからしたら、ほんと、たまったもんじゃないわ」


「そんなレベルのやつが何でこんなとこに…」


「「はぁ…」」


  話を続けていくうちに、事の重大さに憂鬱な気持ちになり、竜武と雹華は2人して大きなため息をついた。


「…とりあえず、こいつどうにかしねえと」


「…?!やっば!出てきたのが大物すぎてその人の事すっかり忘れてた…」


  世界有数の超大物危険人物との遭遇で頭の中から消えていたが、ここには傷ついて倒れている一人の男がいるのだ。

 

  それを思い出した2人は慌てて彼を背負い、近くの病院へと連れていった。



 ----


  竜武と雹華が慌てて家を飛び出して行った裏で、彼らを見送った晃と霧音は静かに話をしていた。


「ねぇ、あの子達のことだけど、どう思った?」


「そうだな…筋は悪くないし、慣れれば相当なレベルの魔闘士になるとは思うが、如何せん圧倒的に経験が足りんだろ。」


「そうじゃなくて!…ってそれもそうだけど、2人の仲の話よ!」


  失礼。静かに『場違い』な話をしていた。(主に霧音が)


「は?何言ってんだお前こんな時に、…まあ悪くわねえんじゃねえか?俺の息子だし。おんなのひ…」


「そうよね!いい感じよね、あの2人。進展してないはずがないわ!なんたって私と晃の子供なんだし。」


 


  霧音の問いに、いきなりだし、しかもこの場面でする質問なのか?という疑問を禁じ得ない晃だったが、割と考えて答えてはいた。


  しかし、その質問の答えをしっかりと聞かないうちに自己完結をしている霧音を見て、晃は苦笑するしかなかった。


(悪いな竜武、俺にはこいつの妄想を止められそうもねえよ…)

 

  本人の預かり知らぬ場所でどんどんハードルが上げられていくことに、心の中で竜武に謝っておくことしか出来なかった。




 ----


 

  竜武達が怪我人を抱え、病院へ急いでいるのと丁度同じ頃、少し離れた取り壊し予定のビルの屋上に1つの影が降り立った。


「予定通りことは済んだのですか?」


  その影はビルに降り立つとすぐ、誰も居ないはずの空間に向け声をかけた。


「少々予想外の展開になってな、逃してしまった。」


  影の声に反応するように空間が歪み、虚空からオルド・ワーデンが現れた。


「まさか!?…貴方が取り逃すなど、笑えない冗談です。…何者なのですか、その『予想外』とやらわ。」


  影は、ワーデンが標的を取り逃したことが心底信じられない、といった口調で彼に質問を続けようとした。


「さあな。私にも分からん。…だが、感じたことを言うとすれば、場馴れはしていないが、既に相当なレベルに達していること。そして、この先の局面によっては、必ずしも我らの敵になる訳では無さそうだと言ったところか。」


  言い終わった彼の顔には、楽しそうな笑みが浮かんでいた。


「今回は退屈せずに済みそうだな!」


「勘弁してくださいよ…まったく…」


  ワーデンに楽しげな声をかけられ、影は呆れと疲れを含んだ声で返事を返し、ため息をついた。


  その姿を横目で見つつ、ワーデンは先程の戦闘での違和感を思い出していた。

 

(あの氷の盾…その前に放たれていた魔力とは質が違ったな。あれは、あの男のものと似て…まさかとは思うが……まあ、その確認も含め明日から面白くなりそうだ。)


「1度戻りましょう。」


  いつまでも動こうとしないワーデンに痺れを切らし、影が声をかける。


  突然強い風が吹き、それに溶け込むように2人の姿は消えていった。








 

次の投稿はそんなにかからないと思います。


何度も書き直していたら、文字数が多くなってしまいました。



ここから作品に関係ない話


fgoで武蔵が出ない!水着はすんなり出たのに!どうして来てくれないんだ武蔵…


あと沖田さんをそろそろピックアップしてくれませんかね?



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