プロローグ編08/【我白 義仁(あがしら (ぎじん/)よしひと)】について03
【義仁】は戦災孤児だ。
だから何も無い天涯孤独の身だ。
だが、【神依】に楽しみ方を教わった。
何も無かったが、【神依】の提示した楽しみをスポンジの様に吸収した。
【神依】は、自分が提示したもの以外も楽しめる様になれと言ったが、それは既にある。
可愛い女の子(や女性キャラクター)を推すと言う事だ。
これだけは、【神依】にも負けていないと自負出来る。
【姫愛夢】も可愛いものが大好きだった。
女の子、小動物、アクセサリー、そういったものだ。
だからそう言うものを応援したり収集したりしようと思っている。
何も無かったからこそ、今では何でも欲しい。
そう言う欲望が芽生えていた。
幸い、【神依】からも太鼓判を押されたのが知識は無かったが地頭の良さと創造力、想像力、発想力、応用力などだ。
これに知識が加われば、鬼に金棒だと言われて居る。
何かを楽しむにもまず知識がいる。
物を知らなければ、それに秘められている楽しみにも気づかない。
だから、楽しむための知識というものは必要だ。
何もない奴は自分で楽しむ方法を知らないから強盗や殺人、いじめなどをやってそれを楽しい事だと錯覚する。
ギャンブルも似た様なものだ。
危ない橋を渡らなければ楽しめないのは本物の楽しみじゃ無い。
それが【神依】の持論だ。
【義仁】もその教えを守ろうと思って居る。
今の【義仁】に必要なのは楽しみを得るための【知識】と楽しみを運用するための【資金】だ。
本来、13歳では働けないが、特別に、破格の値段で、【義仁】は、【神依】の元で、アルバイトをさせてもらう事になった。
その間、1年間弟子入りもする。
つまり、【暖花】の兄弟子と言う事にもなる。
訳あって、【暖花】に面会する事は禁じられているが、妹弟子と姪弟子(妹弟子である【暖花】の弟子)2名の存在は何となく、【神依】の口から聞かされていた。
噂によると【暖花】は、【義仁】と同い年らしいが、【妹弟子】の【妹】と言う言葉がまるで亡き【姫愛夢】を思わせて何となくくすぐったかった。
【姫愛夢】は死んだとは本気で思っていないが、【暖花】達の事も会えたら可愛がってやろうと思っていた。
そんな彼にはどういった運命が待ち受けているのだろうか?
【義仁】は、何も無い状態から次々と力や物を得ていく事になる。
一つ目は、【御役得帳】だ。
【キャラクター・データ・ステッカー】を見つけて、そこに記録されている【キャラクター】の力を使える様になっていくはずである。
だが、【神依】が指摘する様に、誰かの真似だけでは【義仁】は大成しない。
真似事から初めて彼なりの自分を見つけて行く人生を歩む事になるだろう。
彼が本格的に動く事になるのは、独り立ちする14歳になってからだ。
それまでは、【神依】の元で自分磨きをしていくことになる。
彼はまだ何も無い。
彼について語れるのは今は以上となる。




