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(ファーブラ・フィクタイズム1)【クイドクアム・アケルウス】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編24/【義仁】を追って。

 【義仁】達が旅立ったと知り、動き出す者が居た。

 無事に、【百花少女】の手術を終えた【夢魅】である。

 【夢魅】も14歳となっていた。

 14歳とは思えないほど色気を醸し出している。

 彼女は眼鏡を装着した。

 伊達眼鏡である。

 眼鏡を装着した彼女は、

「わぁ~、驚いちゃった。

 へぇ~、そうなんですかぁ~。

 凄いですねぇ~」

 と言ったおっとりした口調になる。

 文学女子と言った面持ちとなる。

 彼女はくのいちでもあるため、表情や仕草を変えるのはお手の物だ。

 これは【百花少女】としての能力ではなく、くのいちとしての技量である。

 猫を被った彼女は【義仁】を追うため旅の支度をした。

 【義仁】の行く先を先回りして、さりげなく彼の好みの女性に【百花少女】の能力を使って身体を変えていき、ほくそ笑む。

 それが彼女の新たな楽しみとなる予定である。

 幸い、彼女は仕事(殺し屋)と【神依】から貰った多額の軍資金があるため、働かなくても暮らせる身分となっていた。

 だから今後は自分の好きな事のために時間を使う。

 それが彼女の選んだ生き方だ。

 だが、彼女は裏の仕事をしているので同僚から逃げることは許さないと追っ手も襲ってくるだろう。

 それらを撃退する事も忘れていない。

 つい今し方も追っ手を返り討ちにしたばかりだ。

 凄腕の殺し屋としての力は全く衰えていない。

 むしろ冴え渡っている。

 【夢魅】は、

「待っていてね。

 私の【ご馳走】・・・」

 と言って舌なめずりしそうなのを我慢する。

 今はお淑やかな女性を演じている。

 だから、それを崩す訳にはいかない。

 彼女は、一人旅を楽しむ旅人。

 そう言う設定で行動する。

 こう見えて身持ちが堅い方である。

 素肌を相手が生きて居る状態で見せるのは、【義仁】だけ。

 勝手に彼女の大事な所を見ようとする者にはこの世と決別してもらう。

 そう言う女性である。

 【義仁】に嫌われながら、【義仁】の為に生きる女性。

 それが【夢魅】である。

 彼女もまた、【義仁】を追って、旅立ちの時を迎えたのだった。

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