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センガ老人の葬儀を明日に控え、遠方からの弔問客が続々と村に到着する。
リコルドに少し遅れて、チマー夫妻も寮を訪れた。
「ついに、あのご老人も逝かれましたか。下手をすると、私共の方が先になるかと思っていましたが」
七十代後半にさしかかったフート・チマーが、あまり洒落にならない事を言う。
「遠い所からお越し頂いて、ありがとうございます、フートさん、タッシェさん。お二人共、お元気そうで何よりです」
そう言って、ギィは老夫婦を棺のある管理人室に案内した。
「いやいや、どうも日に日に体調の衰えを感じます。息子夫婦は良くしてくれますが、寄る年波には勝てないと見えますな」
フートはそこで言葉を切って、少し笑い、
「もっとも、こんな弱音を吐いていたら、センガさんに笑われてしまうでしょうね」
部屋に入り、棺に横たわるセンガに、
「センガさん、あなたいい死に顔をしておられますなぁ。私共もあなたの様に、最期は苦しまずに、眠る様に死ねたらいいなと思いますよ。あやかりたいものです」
と、しみじみとした様子で語り掛けた。
フートに限らず、高齢者達がセンガの棺の前に立つと、お別れの挨拶が、いつの間にか、自分達の「ぽっくり往生祈願」になってしまう傾向が見られた。
他に「健康長寿祈願」、「ボケ封じ祈願」も大人気だ。




