↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げ足道場 外伝 ~昔々、山奥の道場で~  作者: 真宵 駆
◆第一章◆ 仙人の眠る場所

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/634

◆51◆

「煙に巻かれた様な気分です。消防車だけに」


 ヴァルゴは、大して面白くも無さそうに軽口を言って、話を続けた。


「しかし、その消防車のたとえ話に乗るならば、まだ内戦という大火災は、完全に鎮火していないのが現状でしょう。小さな火でも、何かの拍子に大きな炎となる恐れがあります。現場に消防車を据えつつ、消火活動に専念する事は、対応としては間違ってはいないと思いますが。少なくとも火が消えない内は、コンクリートミキサー車は要らないでしょう」


「たとえ話は、話の本質を見誤らせます」


 ヴォーンが真面目くさった顔で言う。


「最初に言い出したのはあなたです」


 ヴァルゴはその発言に淡々と突っ込む。


「ではもう少し、たとえ話で続けましょう。火災の中には、水を掛けてはいけないものがあります。化学工場などで、水と反応して爆発的に燃え上がる物質を扱っている様な場合です」


「確かにその場合は、消防車の放水は役に立ちませんが」


「役に立たないどころか害です。それと同じく、私が大統領になる事で、旧政府派、反政府派の残党が、大人しくなるとは到底思えません。却って火の勢いを強める結果にしかならないでしょう。私は彼等にとって不倶戴天の敵ですから」


「ふむ。では、火が自然に収まるまで、黙って見ていろと言うのですか?」


「このような火災の場合、水でなく乾いた砂を撒いて消火する方法があります。燃えるのに必要な酸素を遮断する訳です」


「今回の話に当てはめると、どうなります?」


「彼等の活動を抑えたいのであれば、まず国の復興を第一に考えるべきです。民心を安定させれば、テロを引き起こす者達は、その隠れ家と大義名分を失います。彼等は基本、混乱の中にその居所を見出す輩ですから」


「なるほど」


「この目的の為に、私より大統領に適した人物を知っています」


「誰です?」


「私が民間救助隊にいた時の上司、ミディ・フェロンです。現政府においても復興事業に協力して、地道に成果を上げています」


 ヴォーンの十八番、「面倒事の丸投げ」が始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。