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てぃーえすすいみんらいふ  作者: ぬい葉
第二章:人類との共存

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第十七話:エルフ

「ありがと、イニティーさんのお話、聞いてて楽しかったよ~」


「こちらこそ。長々と失礼しました」


 ある程度寝ている間の歴史は知ることができた。


「この後どうしようかな~」


 神として信仰されちゃった以上、迂闊には動けない。

 気を紛らわす為に櫓上から外の景色を見るも、愉快そうにしているエルフたちが見えるばかりで、却って自分の行動が重いことを実感してしまった。


 こういう時はあれしかない。


「少し寝よう」


「神殿に戻られますか?」


 すかさず聞いてくれるトンカゲ。

 トンカゲは将来、執事服を着ていそうだ。


「うーん、そうだね~。でも見られながら寝るのは恥ずかしいから、仕切りとか欲しいなぁ」


「仰せのままに、準備させます」


 そうしてネヨウは神殿に戻り、仕切りとついでに、贅沢だが櫓のと同じ布団も用意して貰って、その日は眠りにつきましたとさ。


 ちなみに村長には「お祭り楽しかったよ」と言っておいた。




「おはよう~」


 「わー」とあくびをしてネヨウは目覚めた。


 薄い木でできた、素朴な仕切りをどかして布団から出る。


「女神ネヨウ様のお目覚めだぁ!」


「……うるさい」


「ハッ、失礼!」


 お目覚め早々、お祈りポーズをしていた人たちからの絶叫がうるさく、思わず不機嫌な感じの声になってしまった。


「体感一年の睡眠だね~」


 以前よりも睡眠時間の把握ができるようになってきたネヨウ。

 今回は一年という割と短い睡眠だった。


「オハヨウ!」


「おはよう、スヤスヤ」


 スヤスヤも相変わらずで何より。


「ネヨウ様おはようございます~」


「あ、おはようアオノ」


 スヤスヤの次に話しかけてきたのは、青い毛の多いインコのような小鳥、【アオノ】。穏やかで優しい性格の子だ。


「元気そうで何より、アカノも元気?」


 【アカノ】はアオノにとって妹のような存在。彼女は鳥型で赤毛の子、実はアオノとは違って、すごく大きく育った。


「お陰様で」


「そう、良かった」


 妹に体の大きさで負けたら、コンプレックスになったりすることもあるだろうが、アオノはそんなことはないらしい。

 いつも妹の事を誇っている、だからネヨウはアオノのことを「穏やかで優しい子」で覚えている。


 ちなみにアカノは優しさはあるが、その体格通り豪快な性格だ。


「今日はどうされますか?」


「うーん、折角だから村を見て回ろうかな」


 前回は祭りだけで、村をまともに見ていなかった。

 新しい趣味として村の発展を見るというのも、良いかもしれない。


「では僕が案内役となります」


「ありがと~」


 視界の端では未だに祈りを捧げるものや、村案内と聞いてソワソワする人など沢山である。


「あ、そういえば」


 "人"といえば、とネヨウは言いたかったことを思い出した。


「ここの人たちって『人間』って呼ばれてるんだよね?」


「えぇ、そうですが……」


「提案なんだけどさ。生物名としては良いと思うけど、耳も寿命も長くなったんだし、折角だから種族名みたいな感じで、呼び名変えてみない~?」


「種族名、ですか」


 耳が長くて寿命が長い人類。

 幼いころ一度やった、RPGでいた『エルフ』がそれに当てはまる。

 ゲームの経験はあれ以来無いから、今でもよく記憶に残っている。


「その種族名は、どのような名になるのですか?」


「ボクモキニナル!」



「あ、私も気になります」


「俺も!」



 アオノやスヤスヤに続いて、数人の人間たちも声を上げた。

 声を上げていない人でも聞き耳を立てるようなしぐさをしている。


「種族名は『エルフ』、どう?」


 完全に前の世界からの引用だけど、ここは新しい世界だからセーフ。


「エルフ、良いですね」


「ウンウン」



「エルフ……」


「エルフ!」


「ネヨウ様直々の……!」



「そうですね、後程人間、エルフたちの村長にも伝えておきます。ネヨウ様直々に名付けたと知れば、ここに居る者達のように大喜びでしょう」


(とりあえず受け入れられて良かった~)


 提案が受け入れられたことは嬉しい、だけど。


「そんなにかな~?」


 神殿内は少し騒々しくなっていた。元気そうで良いのだが、やったことは種族名提案だけで、少しオーバーなリアクションな気もする。


「えぇ、尊敬してやまない方から名を頂ける喜びは、凄まじいものですよ」


 さも当然と言った様子で言葉を返してくるアオノ。


「そうなんだ」


 ネヨウには、そんな存在が居なかったため、あまり鮮明には分からないことだ。


「……まぁ、じゃあ村案内よろしくね」


「任せてください」


 こうして後にエルフという呼び名は村全体に広がることとなった。

 神直々の名づけ、ということで、その種族は後に世界でも大きな存在となるのだが、それはまた別のお話。

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