僕と4角関係
女神王国領王都に戻って来た。
僕らはすぐに学校へと向かう。
「あら、おかえりなさい」
「ただいま帰りました、女神様」
「フォルマーレ様、王国の問題は解決出来ましたか?」
「はい、ご心配おかけしました」
「解決出来たらそれで良いのです。お疲れさまでした」
「ありがとうございます」
フォルマーレ様にハグをする女神様。
「さて、授業の遅れを取り戻さなければいけませんね」
女神様は僕とフォルマーレ様に山のように積まれたプリントを渡して来る。
「これを宿題とします。1週間~2週間後に提出してください」
フォルマーレ様が空間魔法バッグにしまう。僕もビアンカの作ってくれた空間魔法バッグに収納していく。
「それでは、帰国のお茶会でもしましょうか」
「お茶会ですか。良いですね」
「それじゃあ、僕はこれで失礼したいと思います」
女子達はお茶会に行くようなので、僕はお暇することにした。しかし、女神様が袖を掴んで離さない。
「あら、アルコバレーノ様も逃がしませんわよ。是非お茶会にて話を聞かせてくださいな」
「何のお話です?」
「二人で4ヶ月の旅に出たのです。それなりのことはあったのでしょう?」
「無いと言えば噓になりますが……」
フォルマーレ様は顔を赤くしている。
「さあ、話を聞かせて頂きますわよ」
僕とフォルマーレ様が女神様に連行される。
僕とフォルマーレ様はその日、1日中女神様に聞かれたことを答えた。
女神様は頬を染めながら、僕の愛してるまでの経緯をフォルマーレ様と話して盛り上がっていた。
僕はというと、ただひたすらお茶を飲んでいた。今回のお茶はアールグレイだ。
「アルコバレーノ様、私はこの国の君主です。なので、アルコバレーノ様の側室にはなれません」
「はい」
「分かっていると思いますが、私も貴方様を想っております」
「……はい」
「アルコバレーノ様には、この国の国王陛下になって頂き、私を王妃陛下にして頂き、フォルマーレ様とビアンカ様を側室にして下さいませんか?」
「覚悟はしていました。謹んでお受け致します」
ホッと胸を撫で下ろす女神様。涙を流し喜んでいる。こんなの断れる訳がない。
「ですが、少し時間を下さい。ビアンカを説得する時間を」
「それはそうですわね。私達からもお願いするべきかしら?」
「いえ、二人きりで話をさせて下さい」
「修羅場になるのではありませんか?」
「大丈夫です。ビアンカももう大人ですから」
「そうですか。それなら、ビアンカ様の説得はお願いしますわ」
※※※
「うわああああ~んッ!」
世界樹の麓にあるアルコバレーノ村。僕の家の中。
食器を投げるビアンカ、それを受け止める僕。
「アルコバレーノの馬鹿ぁー!」
「ごめん、ごめんて!」
「謝っても許されないことはあるんだから~!」
周囲にある家財道具を全部投げ終えたビアンカは、僕に抱きついてソファーに押し倒す形になった。
「もう、こうなるって分かってたから付いて行くって言ったのに!」
僕の胸で涙や鼻水を拭くビアンカ。
「もう、許さないんだから」
「ビアンカを愛していることには変わりないから」
「それはフォルマーレ様と女神様の気持ちを断ってくれた時に言うセリフ……」
「私のことを一番愛してる?」
「うん。一番愛してる」
「本当に?」
「本当に」
「信用してもいい?」
「してもいいよ」
「じゃあ、分かった」
「じゃあ、3人と結婚するのを認めてくれるってこと?」
「違う。納得はしてない。でも、理解はしたってこと」
「ありがとう。理解してくれて」
「でもフォルマーレ様の前でも、女神様の前でも、ベタベタするから」
「うん、分かった」
「分かってない。フォルマーレ様がいようと、女神様がいようと、これまで通りイチャイチャするってこと」
「……」
「沈黙は止めて」
「分かった」
「これまで通りに過ごすことを約束するよ」
「うん」
「これまで通り、同じ時間を過ごそう。僕の寿命が尽きるまで」
「置いてかないで」
「ビアンカはエルフで、僕は人間だから。それだけは仕方ない」
「……ん。一緒にいられる方法を探す」
「エリクサーでも寿命は伸ばせないんだろう?」
「うん」
「それなら、一緒にいられる時間をできるだけ長く、濃密に過ごそう」
僕はビアンカにキスをした。キスを受け入れるビアンカ。そのまま僕らはまぐわった。
※※※
学校、教室。
席に座るフォルマーレ様と隣に立つビアンカ。ビアンカはフォルマーレ様に頭を下げる。
「これから、よろしくお願いします」
フォルマーレ様は慌てて立ち上がりお辞儀をした。
「ビアンカ様のいないところで申し訳ありませんでした。こちらこそ、よろしくお願いします」
笑い合う二人。並んで座る。
僕は驚いて一瞬たじろいだが、フォルマーレ様とビアンカに深々とお辞儀をして、ビアンカの横に座った。
教室の扉が開き、女神様が教室へ入って来る。女神様は僕に笑顔を向けた。
僕は女神様にも、席に座りながらお辞儀をした。
これから大変だなと思いつつも、何とかやっていくしかないと思っている。
まあ、僕の優柔不断な性格を恨むしかない。




