僕と共和国の暗躍
続きは1週間後を予定してます
あくまで予定です
速くなるかもしれません
女神王国領へと帰って来た。
結局王国の勇者のことは分からなかった。
ただし、AIなる人物が動き出し、この世界の行く先をいくらでも変えていけるということだけ分かった。話を聞く限り、AIというのが神様なのかと思った。
ビアンカのいるアルコバレーノ村へと戻って来た。
「……ん。おかえり。無事で良かった」
「王国の勇者は結局生きてるか分からなかった」
「そう」
「フォルマーレ王女が匿ってるとか」
「それはあるかもしれない。王国で僕とやり合えるのは勇者だけみたいだから」
「……でも、帝国のビスタさんみたいな人もいるかもしれない」
「そうだね。気を引き締めないと」
「ビアンカは何をやってたの?」
「学校で授業を受けていた」
「アルコバレーノは今いくつ?」
「17になるよ」
「じゃあ、進級試験を受けないといけない」
「あ、もう1年経つのか。忙し過ぎて忘れてたよ」
「……うん、だと思った」
「私は先に受けて合格しておいた」
「進級試験合格したの?」
「……うん。褒めて」
僕はビアンカの頭を撫でる。
「偉い偉い」
「じゃあ僕も進級試験受けてくるね」
「勉強は?」
「たぶん大丈夫だよ」
「そっか。アルコバレーノがそういうならそうかも」
「ちょっと学校に行ってくるよ」
「うん、私も行く」
僕らは辻馬車に乗り、ゆっくり学校へと向かった。
学校へ着くと教室へ行く。5人が座って教科書を読んでいた。
「アルコバレーノくん久しぶりだね」
ブラウンの長い髪を下ろしたテラコッタだ。
「うん。久しぶりテラコッタ」
「アルコバレーノくんも今日、進級試験を受けに来たの?」
「うん。色々忙しかったからね」
顔を真っ赤にして相槌を打つテラコッタ。
「そうなんだ」
他のメンバーは教科書を必死に読み込み、問題集の問題を解いているので、アルコバレーノに気づいていない。
アルコバレーノも席に着いて教科書を広げた。
「これくらいの問題なら大丈夫かな」
ビアンカがポカポカとアルコバレーノを叩く。
「ん。油断大敵。私は5回目までかかった」
「そうだね、真剣に勉強しておくよ」
「うん。常に全力で」
先生がやって来た。
「お、アルコバレーノ。遅かったな。ビアンカも来たのか? 何ならもう一回受けていくか?」
「私は外で待ってるから頑張ってアルコバレーノ」
「所用で出かけてまして」
「そうか、じゃあ試験配るぞ」
「試験始め」
僕は10分で終わらせ先生に提出する。
「もういいのか?」
「はい」
「採点するから待ってろ」
「はい」
「……」
「むう……全問正解だ」
「もう帰ってもいいですか」
「ああ、いいぞ。また新学期な」
「はい」
廊下に体育座りしていたビアンカが驚く。
「もう終わったの?」
「ああ、うん。満点だった」
「……忘れていた。アルコバレーノは天才だった」
「僕も忘れてたよ」
「……むう……ぷ」
「「ははは!」」
「急に変な顔するのズルい!」
僕らは探求者ギルドの家に帰って行った。
※※※
探求者ギルド80階受付。
「なんだこれ?」
【討伐対象、赤目 報酬白金貨1000枚 アルコバレーノ】
「おい、アルコバレーノって」
「ああ、女神王国領の勇者じゃねえか」
「よく見て見ろよ」
【依頼人 エスト共和国】
「んだと、東の共和国の依頼書を貼ってんのか」
「ギルド長は何やってんだ?」
「おい、こいつはなんだ? ふざけてんのか!」
受付に対して批判が集まる。
そこへアルコバレーノ本人がやって来た。
一同静まり返る。訝しむアルコバレーノ。
「これ、見て見ろよ」
「僕の討伐依頼ですか。白金貨1000枚? 凄いですね。依頼人がエスト共和国ですか」
「おかしいだろ。お前さんはこの国守って戦ってるって言うのに、お前さんの討伐依頼が載せられてんだぜ」
「それが、急遽ギルド長が代わりまして……」
「私が掲載したのですよ」
歳は二十代頃の青い髪を撫で付けた長身の男が入ってくる。目は赤い。
「探求者ギルドは何者も差別しません。王国の勇者の手配書が出されているのですから、魔王国領の勇者が指名手配されてもおかしくはありません」
「そして、討伐することも自由です」
「な!そんな馬鹿な話があるか!」
「ご存知ですか、魔王国領の勇者の出身地は南の王国ですよ」
「な、嘘を吐くんじゃねえ」
「そしてこの国の名もまた魔王国領ではなく女神王国領にしたのもアルコバレーノ様です」
「おいおい、そいつはちょっと違うぜ。女神王国領にしたのは俺達だ」
勇者パーティー三人組が現れた。
「おいおい、兄貴にいちゃもんつけんじゃねえ」
「旦那は白目の帝国と同盟も結んだんだ。ふざけんじゃないよ」
「ギルド長がこんな若造に代わっただと、ふざけんなよ」
「「「そうだ!前任のギルド長を出せ」」」
「前任のギルド長は左遷されましたよ」
探求者達が受付嬢に食ってかかる。
「ほんとどうなっちまったんだ探求者ギルドは!?」
受付嬢達がそろって頭を下げる。
「私達にも、何も分からない状況でして。その方が一方的に探求者ギルド長を名乗っておりまして」
「一方的にではありませんよ。この書類を見てください。探求者ギルド支部から頂いた推薦状です」
書類をばら撒く自称ギルド長。僕は彼に近づき、目を見つめる。
赤目は人を操れる。
僕は彼を操り事情を聞いてみた。
彼は東の共和国出身らしい。幼い頃に神級モンスターの魔核を埋められ、魔王国領へとやってきた。そこは、共和国の大使館であり皆赤目の共和国出身者だった。
彼はそこで英才教育を施された。20歳を越えると人を操るようになり、南の探求者ギルドで支部長となり、25歳でギルド長を退かせた。
そして今、この場にギルド長としてここにいる。
完全に共和国の間者だった。
僕はギルド長のいる場所を追求し、間者の彼からまず無事かどうかを話させる。
「ギルド長は無事だよ。でも今は共和国の大使館にいる。何事もなく帰って来れるかどうかは分からない。それに、大使館は治外法権だ。部外者が無理矢理押し掛けることは出来ない」
「無理矢理じゃなければいいんだな」
「そんなことは不可能だ」
「大丈夫ですよ」
僕は胸を張って答えた。
ギルド長がいる大使館に、共和国の間者を操り僕を招かせた。ギルド長は大使館の牢屋に入れられていた。ギルド長を助け出すと、僕は探求者ギルドの支部長たちを探し出した。中には事故に見せかけて殺されている者がいたり、直接殺された者達もいた。
女神様に指示を仰ぐと大使館職員を全て殺し、首を共和国に送り付けることとなった。
大使館は、ギルド支部の身内によって燃やされた。その前に、大事な書類や命を狙っていた人間達の名簿を掴むことが出来た。女神様も名簿に名が挙がっていた為に、共和国とは国交断絶の判断がされた。同盟国である帝国も共和国との断交を決めた。まあ、儀礼的なものであろうが。
僕らは共和国との戦争は地理的に難しい為に避けたが、繰り返させないように、仕返しを考えた。僕は勇者パーティー三人と一緒に議会制共和国に帰る貿易商を捕え、男達を操り、議員に対し魔王国領改め女神王国領と名乗らせるようにと仕向けた。
共和国の中では、議員は今まで通り魔王国領と呼んでいるが、貿易商から国民までが女神王国領と語りだした為に、慌てて魔王国領と名乗らせようと躍起になっているらしい。
しかし、貿易商が共和国に持ち込んだ女神様の姿絵が女神様そのものであった為に、国民からは縁起物として扱われ、女神王国領として扱われていった。終いには正式に謝罪して国交を回復するべしとデモが起きた。国民の声を無視出来なくなり、女神派と魔王派に別れるようになっていったとか。




