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エメラルド・アイ ~サイボーグ少女の復讐劇  作者: mf
第三章 野望と崩壊
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9 決意

「ともやっ!!」


 喜美子は、声を上げて目を覚ました。


「やっと目が覚めたみたいだな」

 喜美子のそばで声がした。


 見ると、喜美子のすぐそばで智也が椅子に座っていた。


「智也……」

 喜美子は寝ていたベットから起き上がろうとした。


「おいおい、無理するなって」


「平気よ」

 喜美子は体を起こした。「ここはどこ?」


「八十神博士の隠れ家さ」


「そう。あたしたち、確か視聴覚室でサイボーグに襲われたのよね、それから――」

 喜美子は頭を押さえた。


「裕美が助けてくれたんだよ」


「そ、そうね、思い出したわ。裕美さんに手を引っ張られて、学校を出たとこまでは覚えてるんだけど――」


「俺なんかそれ以前にサイボーグ野郎にのされちまったからな」

 智也は腫れ上がっている頬をさすった。


「大丈夫?」


「こんなの大したことねえよ」


「佐織さんは?」


「無事さ」


 その時、部屋の奥でドアのロックを解除する音がした。

 喜美子がドアの方を見ると、ドアが静かに開き、誰かが入ってきた。


「あら、気づいたのね」


 部屋に入ってきたのは裕美であった。


「日高さん……助けてくれて、ありがとう」


「礼なんていらないわ。それより、あまり仕事を増やさないで欲しいわね」

 裕美は冷ややかに言った。「博士が言ってなかったかしら。学校へは行くなって」


「ごめんなさい。あたしがいけなかったの」


「その結果、死ななくてもいい人間が死んだわ」


「わかってる」


「俺が悪いんだよ。喜美子は反対してたんだ」

 智也が喜美子をかばうように言った。


「どちらでもいいわ。これにこりて、もう二度と博士の邪魔になるようなことはしないでね」


「裕美も他のサイボーグ連中と一緒だな」

 智也がぽつりと言った。


「智也!」

 喜美子が声を上げる。


「どういうこと?」

 裕美は表情も変えず訊いた。


「飼い主の命令に忠実だってことさ」


「そうね」


「智也、何てこと言うのよ。ごめんね、ちょっとすねてるだけだから」


「何でサイボーグだったこと黙ってたんだよ」


「言う必要がないから」


「必要がないってそんな……俺はおまえのこと……」


「しばらくあなたたちはここにいていいわ。家に戻れば、また狙われるから」


「裕美はどうするんだ?」


「組織と戦うわ」


「だったら、俺も」


「あなたはまだ組織の恐ろしさがわからないの?」


「わかってるさ。わかってるからこそ、戦うんだ」


「わからない理屈だわ。お姉さんが悲しむわよ」


「あたしも戦うわ。親友を殺されてこのまま黙っているわけにいかないもの」


「喜美子」


「私がいなかったら、殺されてたのに、よく言えるわね」


「あなたに助けを頼んだ覚えはないわ。あなたが断るんなら、あたしたちだけでやるわ」

 喜美子と智也の強い決心に裕美は目を伏せ、軽く微笑んだ。


「全く……。あなたたちでは無理だわ。私が博士に頼んであげる」


「裕美……」


「あなたたちの世話を焼くのはもうこりごりなの」

 裕美はそう言うと、部屋を出ていった。


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