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エメラルド・アイ ~サイボーグ少女の復讐劇  作者: mf
第三章 野望と崩壊
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7 暗殺

 その夜、秦野は仕事を終え、車で帰宅した。


「あなた、お帰りなさい」

 秦野がベルを鳴らしてドアを開けると、玄関では妻が出迎えた。


「ああ、ただいま」

 疲れた様子で秦野は靴を脱いで、家に上がった。


「お食事は?」


「食べてきた。これから部屋で仕事をするから、先に寝ててかまわんよ」


「わかりました」


 秦野は廊下を重たい足取りで歩きながら、書斎へ入った。部屋は両側が本棚で、法律関係の本がずらりと並んでいる。広さは八畳ありそれほど狭いという感じはない。


 秦野は鞄を机に投げ出し、自分は肘かけつきの回転椅子に体をまかせた。そして、一度大きく背筋を伸ばして、息を吐いた。


「忠士……」


 秦野は机の一番上の引出から一枚の写真を取り出した。それは自分と高校生の頃の八十神が写った写真であった。


 私は最低だな。自分かわいさにおまえを二度も裏切ってしまった。一年前、最初におまえから組織のアジトに隔離されているという電子メールをもらった時、黒須に伝えず、法的な処置を執っていれば、こんなことにならなかったのにな。私は黒須が逮捕され、自分と黒須の関係まで暴かれ、自分の地位を失うのが恐かった。忠士、本当にすまない。


 秦野は写真の八十神に心の中で何度も謝った。


 トントン――その時、ドアをノックする音がした。


「お父さん、入っていい?」

 ドアの向こう側で娘の和美の声がした。


「入りなさい」


 秦野が写真を引出にしまいながら言った。和美は右手を後ろに回して、静かに部屋に入ってきた。和美はパジャマ姿だった。


「何か用か?」

 秦野が体を和美に向けて、尋ねた。


「お父さんにおやすみを言いにきたの」


「そうか」


「お父さん、仕事、大変そうね」


「和美が心配してくれるなんて珍しいな」


「あら、私はお父さんのこと、いつも心配してるのよ。それより、どんな仕事してるの?」


「和美には関係のないことだよ」


「知ってるわよ。黒須って男を逮捕しようとしているんでしょ」


「和美、どうしてそれを……」

 秦野の顔色が変わった。


「ねえ、そんなことやめたら?」

 和美が秦野に近づいた。


「何を言ってるんだ、おまえ?」

 秦野は娘の言動に戸惑っていた。


「組織に逆らうと殺されるよ。こんな風に」

 和美は突然、右手に隠し持っていたナイフを秦野のわき腹に刺した。


「か、和美……」

 秦野は愕然とした目で和美を見つめた。


「八十神に味方するとこうなるの、わかったでしょう」


「和美……」

 秦野は目を見開きながら、床の上に前のめりに崩れた。


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