【ここまでの登場人物と世界設定】
○人物
■ エリザベス(二十五歳) 子持ちの新米女神
元乙女ゲームの悪役令嬢。日本人転生者で前世の名前は田中。中学を卒業して十六歳になった直後に乙女ゲーム『月の光に願いを込めて』の世界に転生した。転生時は十歳。
アレックス公爵位を賜りついに王国の摂政に。
■マリア(二十五歳) 子持ち
元乙女ゲームのヒロイン。日本人転生者で前世の名前は鈴木。転生時三十四歳。オタク気質。前世の趣味は聖地巡礼 → 乙女ゲームにドハマり。マイナーゲーム『月の光に願いを込めて』も全てのルートを完全制覇したうえ公式ファンブックを自分用・保存用・布教用の三冊を買うほど熱中した。仕事でミスして逃げるように異世界転生してきた。
エリザベスルート完遂。そして聖母と呼ばれる。
二代目ステア子爵。二代目セレス伯爵の配下でありながら補佐役。
■クララ(六歳)
マリアが産んだエリザベスの子ども。三人目の日本人転生者で前世の名前は中村。元理系女子大生。転生時に電子百科事典はじめ各種専門書等、現代日本の知識を大量に持ち込む。幼き二代目セレス伯爵。
■オーリス公爵
乙女ゲーム世界でのエリザベスの父親。王家の傍流の血筋で順位は低いが王位継承権も持ってる大貴族。
■ガラム・マサラ・カルダ
ドワーフ職人の三兄弟。エリザベスとマリア、クララが異世界転生者だと知る数少ない人物。
エリザベスは対外的に『お抱え職人』等のような表現をすることがあるがそれはドワーフたちを守るためでエリザベスの臣下というわけではない。
クララが持ち込んだ知識に興味深々。
■ドーバ
現在はステア子爵の王都屋敷の料理長。エリザベスとマリア、クララが異世界転生者だと知る数少ない人物。念願の自分の店(名目上のオーナーはエリザベス)を王都で開業。クララが持ち込んだ日本の料理に興味深々。
■ベグ
赤兎馬であっちこっち飛んでまわるエリザベスを心配したオーリス公爵が付けた護衛。同じく出番はないがエリザベスが出かける時は常に付き従っている。
■ミナ
エリザベスの筆頭侍女。オーリス公爵配下のシャフト男爵の歳の離れた妹。エリザベスとマリア、クララが異世界転生者だと知る数少ない人物。
■ヴァイス
ステア子爵家の家令。
■シュバルト
元アクセル男爵家の家令。隠居した。
■シャド
シュバルトの息子。セレス伯爵家の家令。
■フォグ
ヴァイスの息子。アレックス公爵家の家令。
○元攻略対象者たち
■元王子
闇落ち。国王を弑逆し逃亡中。
■宮廷魔術師の子息
ハニャス
名前の由来は日本神話のハニヤス(波邇夜須毘古神)。土の神、土壌の神であり土魔法が得意なためゲーム運営が命名。
魔道騎士団所属、次期団長候補。ペダル子爵。
■宰相の子息
トーケ
名前の由来は日本神話のトヨウケ(豊宇気毘売神)。食物神。余談ながら伊勢神宮では天照大神に呼び寄せられたとされている。
最高神に直接仕える食物の神という事でゲーム運営が命名。
シフト男爵として町を再興させた。町は現在も発展中
■司祭
ナツヒ
名前の由来は日本神話のシナツヒコ(志那都比古神)。風の神。癒しの風という連想でゲーム運営が命名。
カスミ教最高司祭。クランク男爵。
■騎士団長の子息
カヅチ
名前の由来は日本神話のカグツチ(火之迦具土神)。火の神。火のような苛烈な性格。ゲーム運営が命名。
武者修行(?)の末に国内に災いを呼び寄せる。エリザベスにより『神罰』を受けたが消滅直前に逃亡した模様。
(各王族、貴族については貴族制度解説の後で)
○都市や場所
■ホイール
オーリス公爵の居城がある城下町。人口二万人程度。
■ステア
ホイールの街から西に九十キロほどの場所にあるセレス伯爵領ステア子爵(=マリア)の治める町。内陸へ鮮魚を供給できる町として発展著しい。
■王都ルーフ
ステアから南下しつつ内陸に向かった場所にある。ステアからの距離は百五十キロ。通常は五日の距離。
ホイールからの直線距離は近いが間に大森林地帯があるため普通は東周りの迂回路が使われる。この迂回路を使った場合ホイールまでの距離は二百二十キロ。ちょっと無理して七日の距離……だったが、アクセルとホイールを直通する街道の完成により短縮されている。
■サス
リーナ伯爵の居城がある城下町。人口約一万人。かつて細菌性感染症の大流行が発生したがエリザベスとマリアによって鎮静化した。王都から東に約九十キロ、シャフトから南下して三十キロの位置にある。
■シャフト
オーリス公爵領の東部にある街。オーリス公爵家の外戚が男爵として街を治めている。
ホイールから王都に行くには、ホイール→シャフト→サス→王都と通る。
■アクセル
人口三千人強→二千人弱。サレナ処刑後、マリアが治める事に。立て直しはマリアとエリザベスの手にゆだねられている。
■シフト
パッソ侯爵領南端にある寂れた漁村。ゲームではこの近くの修道院に断罪されたエリザベスが流刑になってたはずだった。
■クランク
旧パッソ侯爵の城下町で現在はカスミ教の聖都。多数の信者が巡礼に訪れる。
■クラッチ
アレックス公爵の城下町。
■ダンパー
アレックス公爵領の東の端にあるアレックス騎士団駐屯地。
■都市間の距離と日数
人間の徒歩が平均時速四キロ。毎日八時間弱歩くとして一日に歩ける距離が三十キロ。
馬の常歩は時速五~六キロだが、一頭の馬に重たい荷物を引かせる荷馬車は平均時速三キロが限界。これで一日十時間移動するとしてやはり距離は三十キロ。なのでこの世界では一日の移動距離三十キロというのが基本。
一方でガラムたちが作った高速馬車は、重力魔法による負荷軽減と四頭立てにすることで平均時速が五キロ出る。よって通常は馬車で五日の距離を三日で走れる。エナドリ飼い葉のおかげで黒猫馬車の輸送力はさらに上がった。
■この時点の地図
絵心が無くて略地図ですみません
○王族・貴族制度
■王家
・ローラ王家。五百年前に建国。ローラ王国は南北三百キロ、東西五百キロの小国。ただし南北は険しい山と魔物棲息域があり、また西は海、東は竜が棲息する不毛の地になっているため長く独立を保っている。
■公爵家
王家の血筋を引く貴族だけが名乗れる。王家に不測の事態が起こった時には代わりに王国を維持する事になる。普段は他国との国境を守る責務を持ち、そのため王立騎士団以外に唯一公爵家だけは騎士団の保有が認められている。
・セルシオ公爵家
四百年前に王家から分家。現存する公爵家の中では一番古い家柄だったが竜騒動のとばっちりで滅んだ。
・レクサス公爵家
三百五十年前に王家から分家。配下が暴走して大逆罪を起こしたため、旧セルシオ領に移封。本来だったら公爵家お取り潰し案件だったが、セルシオ公爵家が滅んだ直後に発覚したため国内安定を優先した政治的判断で取り潰しを免れた。
・オーリス公爵家
二百年前に王家から分家。現存する三公爵家の中では一番新しいが国王の信頼は一番高い。
現当主はエリザベスの父親。
・アレックス公爵家
余命いくばくもない国王の望みでエリザベスが再興した。二百年前の国王とエリザベス共通のご先祖様の王妃がいた。
現在は上記三公爵家だが、歴史の中には滅んだ公爵家もいくつかある。
■侯爵家
王家の血筋を引かない中では一番の大貴族。
・パッソ侯爵家
領地もろともに滅んだ。
・アクシオ侯爵家
オーリス公爵領とセルシオ公爵領の間に挟まれ、北に魔物が棲息する湖からの守りを任されている。
セルシオ公爵家の弱体化に際して即座にオーリス公爵側に立ち位置を変える抜け目なさがある。
■伯爵家
侯爵よりは地位が劣るがここまでが上級貴族。広い領地を運営することを認められている。
配下に街や街道等の管理を任せ、子爵・男爵・準男爵の下級貴族・準貴族を持つ事を許される。
なお子爵・男爵・準男爵は上級貴族が推挙し叙爵自体は国王が行なう。
・リーナ伯爵家
実は家柄だけはローラ王家と並ぶほど古くローラ王国建国以前から続いている家柄。
家は残っているが直系の血筋が絶えていることで伯爵位に留まっている。
・ランクス伯爵家
実直な性格でよく言えば何事も無難にこなす、悪く言えば凡庸。国王としては扱いやすい。
・セレス伯爵家
サレナの反乱を早期に防いだエリザベスに与えられた新たな爵位。現在は娘のクララが二代目伯爵になっている。
■子爵家・男爵家
下級貴族。上級貴族から領内の町を任されて叙爵される事が多い。爵位としては子爵が上で権限が少し強い。
通例として治めている街の名前+爵位で呼ばれる。
・ピラー子爵家
レクサス公爵領とセルシオ公爵領に挟まれて身動きが取れなかったアリオン伯爵家の配下。セルシオ公弱体化を好機とみて、娘をオーリスにゆかりのあるエリザベス配下のトーケと縁組させた。
・ステア子爵(二代目)
エリザベスがアレックス公爵家を再興する際、思い入れのあるステアの町をマリアに任せた。
■準男爵
準貴族。昔は騎士爵などもあったが魔法のあるこの世界では魔法爵だとか、果ては職人が匠爵だとかの名誉称号を欲しがったため乱立を避けるため全て準男爵に統一された過去がある。
■経済
貨幣価値は以下の通り
銅貨 1枚 = 100円
小銀貨1枚 =銅貨 10枚= 1,000円
銀貨 1枚 =小銀貨 10枚= 10,000円
金貨 1枚 =銀貨 10枚= 100,000円
大金貨1枚 =金貨 20枚= 2,000,000円
玉金貨1枚 =大金貨 100枚= 200,000,000円
ただし価値観が日本と異なるので日本なら百均で買えるものが貴重だったり、逆に日本では高価なものが安く買えたりする。
平民の平均月収:銀貨1枚。
農村部ではほとんど収入がない物々交換に近い暮らし(これが大半)で、かと言えば王都の大商人も平民であるため平均月収で比べる意味は薄い。王都住民で比較的いい暮らしをしてる家庭で月収銀貨5~8枚程度。
大金貨を日常的に扱えるのは上級貴族と豪商くらい。
玉金貨は貨幣と言うよりは、株や債券のないこの世界で大口の信用取引に使われる。
黒猫馬車
馬車いっぱいに大衆魚を積んで金貨1枚、高級魚なら金貨5枚くらいの仕入れ値になる。実際には各種取り交ぜて金貨2枚の仕入れ。
これが売値では10倍になる。つまり金貨20枚。ここから御者の人件費や馬の世話、冷却に使う魔石等を引いて純利益は金貨16枚(日本円換算1,600,000円)がエリザベスの元に入る。
これを王都に隔週で走らせてるので、エリザベスの月収は黒猫馬車だけで3,200,000円相当。
(まあそこから家臣の給料からガラムたちへの仕事の報酬、味噌・醤油の研究費等の出費がある)
仕入れ値(馬車1台で金貨2枚)は漁師組合に一括で支払われ、組合が各漁師に分配。それのみならず港湾施設の整備や不漁の際の貯蓄等も行っている。
なお、オーリス公爵へは、捌いた鮮魚を馬車一台当たり金貨五枚で卸す事になった。
■赤兎馬
元ネタは三国志演義で呂布が乗っていた名馬をゲーム運営が実装したもの。エナドリ飼い葉を与える事で本当に一日千里を走れるぶっ壊れ性能に。→ ゲーム運営さん遊びすぎ。
■エナドリ飼い葉
マリアの聖属性魔力を含んだ食事を摂る事で身体能力が飛躍的にアップした。元は単なる思い付き。のちに他の人間の聖属性魔力でも効果がある事が判明。ただしヒロインの魔力ほどの効果は出ず重ね掛けが必要。
『身体能力の向上』と言っても、例えば人間が百メートル走を五秒で走れるようになるわけではなく、短距離の全力疾走の速度のままフルマラソンを走れるようになる、イメージ。実際には取り込んだ聖属性魔力が疲労や肉体的ダメージを蓄積する前に回復・治癒させている。
この飼い葉のおかげで普通の馬でも競馬の全力疾走(約時速八十キロほど)で一日中走れるようになった。
赤兎馬に関してはリミッターが外れて頑張れば本当に一日に千里を走れる(→ 新幹線並みの速度。時速三百キロ)。ただしエリザベスにそこまでの体力と乗馬技術が無いので周りの馬に合わせた速度で駆っている。
■魔法
まずこの世界の人間は誰でも魔力を持っているがひとにより保有魔力量には差がある。
魔法の種類は火・水・風・土の四大元素に加え光・闇も元素魔法として存在する。それとは別に神の力を借りる聖属性の合わせて七つの属性がある。
魔法の行使に呪文詠唱は不要だが元素を操作する明確なイメージを持っていることが必要になる。術者がイメージを明確化するために詠唱もしくは発動スペルを唱える事もある。
■刻印魔法
ドワーフの独自技術。人が属性魔法を行使する時のイメージを古代神聖語で刻み込んだプログラム言語のようなもの。魔石から魔力を供給する事で発動する。聖属性魔法は原理から異なるので刻印魔法での実現はできていない……と言われていた。
エリザベスが神格化した事で『女神リザ』から力を引き出す刻印の開発に成功した。
■カスミ教
聖地クランクへの巡礼者は年間五十万人。国の規模や平民の経済状況に比べてかなり多い。
その理由は、上級貴族に取って巡礼者が多い事が一種のステータスになっているため。領民に金銭補助したり、貴族やその一族が巡礼する際に多くの使用人を連れていくようになったことが理由。
反応があると励みになります。よろしければリアクションや感想等いただけると嬉しいです。
これからもお付き合いいただければ幸いです。




