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転生ガチャ~悪役令嬢の後日譚  作者: 帆船
第三章:国難
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【荒魂】

 『一姫二太郎』ってことわざが前世にはあったらしいけど、残念ながら私とマリアの子どもは女の子しか産まれない。その出産は初産以上の安産だった。なんかね。世のお母さんがたに申し訳なくなるくらいあっさりと終わった。それで今年はもう年内はステアでゆっくり産休を取る事にした。


 ハニャス先輩とトーケ先輩に魔道騎士団やシフトは任せられるし、ステアとアクセルには家令のヴァイスとシャドがいる。王都屋敷はミナが取り仕切ってくれてるし、ドーバのお店も順調。さらにガラムたち兄弟も力を貸してくれてる。


 ちなみに赤ちゃんの命名はクララに任せた。普通は三歳児に丸投げするモンじゃないけど中村さんには電子百科事典がある。私が産んだ二人目は、エリザベス・ヴィクトリアに倣って他所の国の昔の女王様の名前から『アン』という名前を頂戴した。マリアが産んだ双子は『ジャンヌ』と『イザベラ』。こっちは他所の国の宗教の聖女とその母親の名前だね。


 そんなワケでステアの伯爵邸で久しぶりに魔力の勉強会。ここには中村さんも参加してる。まあガワは三歳児なんで疲れてすぐ寝ちゃうんだけど。


「聖属性魔力は善神の司る『生命』の力ってのはゲームの設定なんだけど、『生命』を司るからこそ『命を育む元素』の代用に出来る、っていう裏設定もあってね。具体的には、光・水・風・土らしいんだけど。

 だから聖属性しか使えないマリアでもこんな芸当ができるのよ」


 そう言ってマリアの指先から一滴の水がしたたり落ちた。


 中村さんが『魔力のエミュレートだね』とか言ってる。エミュレートってなんだ?鈴木さんが教えてくれたけどよく理解できなかった。


「スマホで古いパソコン用のゲームを無理やり実行するエミュレータとか知らないかな?」


 ああ、そういう事か。なんとなくイメージがつかめた。


「でもね。乙ゲーヒロインの魔力でもさっき出した一滴の水くらいが限界なのよ」

「そんだけ変換効率が悪いってことでいいのかな?」


 『だったら普通に水魔法習得したほうが効率いいよね』と中村さん。


「それが、マリアに関しては聖属性しか使えないっぽいんだよねえ。たぶんだけどヒロインのキャラ設定のせいだと思う」

「じゃあエリザベスは?私、先輩に習って光属性とか使えるようになったけど?」

「エリザベスはさあ。ルートによっては聖女の味方にもなるし、邪悪な存在にもなりうるから。だからキャラクターデザインに幅を持たせてるんだと思うよ。それが極端に作用したのが神格化だと思うし」


 つまり信者たちから集まってきた信仰心を聖属性に変えて、その聖属性を使って疑似的な水魔法や風魔法が使えるって解釈であってるのかな?


「「だいたいあってる」」


 なんでそこで母娘で声を合わせるのよ。


「でもさあ。変換効率の問題があるなら普通に元素魔法覚えたほうがいいよね」

「覚えられるならそうね。ただね、この話をしたのはクララの場合は、マリアとエリザベスの子だから女神リザから力を引き出しやすいと思ったワケよ。たぶんだけどマリアよりも強い聖属性扱えると思うから、もうちょっと身体のほうが成長して魔法を覚えられるようになるまでの間は役に立つと思う」


 それはいいアイディアかもしれないね。ただクララの身体的な体力が魔法行使に耐えられるかとか色々試してみる必要はあるだろう。


「あー、ちょっと関係あるか分からないんだけどさあ」

「何かしら?」

「最近、信仰心に混ざって闇属性魔力が外部から入ってくる事があるんだよね、なんでだろう?」

「それは……あんまりよくない話ねえ。おそらくだけど、女神様に負の感情を込めた祈りを捧げてるヤツらが出始めたんだと思う」


 ?……よくわからん。


「例えばの話ね。『誰々にひどい目に合わされたから神罰をお与えください』なんて願いをする人だっているわけよ。世の中きれいごとだけじゃ回らないから。これがエスカレートして悪魔信仰の対象にされちゃったりするとエリザベスが邪神になるでしょうね」


 それは勘弁だなあ。


「まあ、極端な例だけどね。田中さん自身が善性を失わなければ、『荒魂(あらみたま)』って扱いになると思うからそこまで心配することじゃないと思う。ってかこんだけ神格が強くなると本気で神罰くらい下せそうなのが逆にコワイくらいねえ」


 目の前の熟女に神罰を下してやろうか?


「だからあ。私は永遠の十七歳なのっ!」


 『あ、できた』


 鈴木さんとじゃれ合ってたらクララが宙に浮いてた。


「これは、風魔法のエミュレートかな?いきなりあんまりやると疲れるわよ?」

「ねえ、この子ひょっとして天才?」


 でも直後に『めっちゃ疲れた』と言い残して眠ってしまった。そりゃ身体は三歳児なんだから無茶するなって事だね。


「ああ、でもそうねえ。話戻すけどさあ。『荒魂(あらみたま)』のこと、ナツヒとは情報共有しといたほうがいいと思う。彼なら信者からの絶対的な信頼があるから対策立ててくれるんじゃない?あと神罰の話も念のためしといたほうがいいね」


 なんか自然災害が起きた時に私のせいにされたらイヤだなあ。


反応があると励みになります。よろしければリアクションや感想等いただけると嬉しいです。

これからもお付き合いいただければ幸いです。

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